世田谷区の不正アクセス禁止法違反事件

2019-08-17

◇事件◇

無職のAさんは、世田谷区のマンガ喫茶のパソコンに特殊なソフトをダウンロードし、このパソコンを利用した人の入力情報を盗めるように細工しました。
そして後日、このパソコンの利用者が、インターネットゲームを利用する際の、アカウントやパスワード等を盗み取ったAさんは、自宅のパソコンからインターネットゲームにアクセスし、他人のアカウントとパスワードを利用して、高額なアイテムを購入して、転売したのです。
高額な請求をされた被害者が警察に相談して事件が発覚し、警視庁世田谷警察署が捜査を開始して、Aさんは自宅を捜索されて、パソコン等が押収されました。
捜索の後に、一度は警視庁世田谷警察署に連行されて取調べを受けたAさんでしたが、警察官から「パソコンを解析して連絡する。」と言われて帰宅することができました。
Aさんは、今後のことが不安で、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

◇不正アクセス禁止法◇

不正アクセス禁止法は、インターネット等の通信において、不正なアクセスや、不正アクセスを助長する行為を禁止する法律です。
不正アクセス禁止法では、第3条において不正アクセスそのものが禁止されており、第4条で、パスワード等を不正に取得する行為などが禁止されています。
不正アクセスには
①なりすまし行為
②セキュリティホールの利用
の2種類があります。
①なりすまし行為とは、他人のパスワード等を無断で使用してアクセスする行為で、セキュリティホールの利用とは、何らかの方法で本来必要なパスワードなどを入力せずにアクセスする行為を意味します。
不正アクセスに違反した場合の法定刑は「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。
またパスワードの不正取得行為の法定刑は「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
なお、不正アクセス禁止法は不正なアクセス行為そのものを禁止していますので損害の発生は要件とされていません。
ただし、他人のアカウントで買い物をした場合などには電子計算機使用詐欺罪など、他の犯罪が成立する可能性もありますので注意が必要です。

◇不正アクセス禁止法事件で起訴される?◇

パソコン等を利用したインターネット利用者数が増えており、警察等の捜査当局も不正アクセス禁止法違反等のサイバー犯罪の摘発を強化しているようです。
そのため年々、不正アクセス禁止法違反の摘発件数は増えていますが、起訴されるケースは全体の摘発件数の約半数のようで、半数は不起訴処分となっています。
ただ最近は、警察等の捜査当局による証拠収集技術が向上していることもあり、起訴されて刑事裁判で有罪判決が確定する事件が増加傾向にあります。
また知識と技術さえあれば、簡単に犯行に及ぶことができるため、少年による不正アクセス禁止法違反事件も急増しており、検挙された事件全体の10~20パーセントが少年被疑者によるものだと言われています。

◇刑事処分の減軽を目指す◇

不正アクセス禁止法違反事件は約半数が不起訴処分となっています。
その理由の一つとして、目に見える証拠が少ないことにあるのではないでしょうか。
例えば窃盗事件であれば、盗んだ物が発見押収されたり、犯行現場の防犯カメラ映像等が犯行を裏付けるための証拠となりますが、不正アクセス禁止法違反事件では、その様な証拠が乏しいと考えられます。
また使用者を特定できるパソコンを犯行に使用していた場合は犯人が特定されやすいでしょうが、マンガ喫茶やインターネットカフェなど、不特定多数の者が利用するパソコンを犯行に使用していた場合などは、警察等の捜査当局は犯人を割り出すのが非常に困難だと思われます。
ただAさんのように、自宅のパソコンを使用して犯行に及んでいた場合は、犯行を裏付けられやすく、犯人と特定されやすいでしょう。
Aさんのような事件で刑事処分の減軽を目指すのであれば、被害者に損害を弁償し、示談することが有力です。
検察官が起訴するまでに、被害者と示談することによって、不起訴となる可能性が高くなりますので、不正アクセス禁止法違反事件で処分の減軽を求める方は、刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。

世田谷区の刑事事件でお困りの方、不正アクセス禁止法違反事件で警察の捜査を受けた方は、東京で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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