Archive for the ‘刑事事件’ Category

SNSトラブル 匿名の書き込みが刑事事件に

2020-11-23

SNSへの匿名の書き込みが刑事事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇SNSトラブル◇

大学生のAさんは、芸能人や有名スポーツ選手のSNSを閲覧することが趣味で、世間を騒がせている時事問題や、ニュースに関することには積極的に書き込みや投稿をしています。
ある日、某芸能人がテレビで発言したことに腹が立ったAさんは、この芸能人の、ツイッターやインスタグラムなどのSNSに、匿名で過激な内容の書き込みをしました。
Aさんは、これまで何度も同様の書き込みや投稿をしていたので、何も気にせずにしていませんでしたが、先日、警視庁麹町警察署の捜査員から「芸能人のSNSに匿名で書き込んだ投稿で被害届が出ている。警察署に出頭してくれ。」といった出頭要請の電話がかかってきました。
匿名で投稿していたから大丈夫だと思っていたAさんは不安になり、自分の投稿内容がどのような犯罪に該当するのか不安で、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
※フィクションです。

◇匿名の投稿が社会問題に◇

インターネットツールが発展し、子供からお年寄りまで誰もが手軽にSNSを利用できる便利な世の中になりました。
そんな便利な世の中だからこそ、インターネット上の事件も頻発しており、これが大きな社会問題となっています。
特に最近は、SNSに匿名で投稿した内容が問題視されるケースも多く見受けられています。
匿名であるが故に、投稿者が特定されないだろうという油断と安心から、投稿内容が過激になり、刑事事件に発展するケースも少なくなりません。
そこで本日は、匿名によるSNSへの投稿が刑事事件に発展したケースについて紹介します。

◇脅迫罪◇

あるアイドルのファンが、アイドルのSNSに「殺す」等の過激な投稿をしたことから、アイドルの所属事務所が警察に相談し、投稿者が逮捕された事件。

「脅迫罪」とは、人の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加える旨を告知して人を脅迫することです。(刑法第222条から抜粋)
脅迫罪で起訴されて裁判で有罪が確定すれば「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科せられます。
数年前には、実際にアイドルがファンに襲撃されて重傷を負う事件が発生しており、警察は、このような書き込みには厳重に対処しているようです。

◇業務妨害罪◇

特定のお店(飲食店)のホームページの掲示板に「お店に爆弾を仕掛けた。」等の書き込みをして、お店を休業させた事件。

投稿や書き込んだ内容によって、お店の業務に支障をきたせた場合は、業務妨害罪が成立することがあります。
業務妨罪には、偽計業務妨害罪と、威力業務妨害罪があり、共に起訴されて有罪が確定すれば「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
ここ数年、インターネット上への、書き込みや投稿に「業務妨害罪」が適用される事件が増えており、お店や企業は積極的に被害届を提出して刑事事件化を望んでいるようです。

◇名誉棄損や侮辱罪◇

ある会社のホームページ上の掲示板に「●●(この会社の役員実名)は同僚の▲▲と不倫している。」と書き込んだ事件。

名誉棄損罪とは、公然と事実を摘示し、人の名誉を傷付ける事で、起訴されて有罪が確定すれば「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」が科せられます。
名誉棄損罪が適用されなかったとしても、いわゆる悪口に該当するような内容を投稿、書き込みをしたら侮辱罪となる可能性もあります。
侮辱罪の法定刑は「拘留又は科料」と非常に軽いものですが、刑事手続きが進めば取調べ等が大きな負担となることは間違いありません。

◇インターネット上の犯罪に強い◇

インターネット上の書き込みや、投稿は匿名であることがほとんどで、裏アカウントを作成すれば、自身にまで捜査の手が及ぶことがないと考えている方もいるかもしれませんが、プロパイダー等への捜査で、投稿者は容易に特定されてしまうようです。
東京都内で、SNSトラブルや、自身の匿名での投稿、書き込みが刑事事件化されてお困りの方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

外国人による窃盗事件 強制退去を免れるために

2020-11-09

窃盗事件を起こして逮捕された外国人の強制退去について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

外国人による窃盗事件

5年ほど前に都内の日本語学校に語学留学した中国人のAさんは、日本語学校を卒業後、都内の自動車販売店に就職し、現在は、板橋区にある会社の寮で暮らしています。
給料のほとんどを中国にいる家族に仕送りしているAさんは、毎月、ギリギリの生活をしていますが、先月の給料日前は手元に数百円の現金しかなく、食費にも困っていました。
そんな中Aさんは、仕事終わりに立ち寄ったコンビニで弁当と缶ビールを万引きにして店員に捕まってしまったのです。
実はこれまでも何度か同じコンビニで万引きをしていたAさんは、店員に目をつけられていたようです。
店員に捕まったAさんは、通報で駆け付けた警視庁板橋警察署の警察官によって警察署に連行され、取調べを受けた後に留置場に収容されました。
Aさんの働いている会社の上司は、外国人による窃盗事件を扱った経験のある刑事事件に強い弁護士を探しています。
(フィクションです)

万引き(窃盗罪)

皆さんご存知のとおり、万引きは窃盗罪です。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
万引き事件は偶発的な犯行であることが多く、被害額もそれほど高くないことから、窃盗罪の中でも比較的軽くみられています。
そのため初犯であれば逮捕される可能性は低く、不拘束による取調べが行われた後に検察庁に事件書類が送致される事件がほとんどです。
検察庁に書類送致された後に、検察官が起訴するかどうかを判断するのですが、被害品を買い取る等して被害弁償している場合、初犯であれば不起訴処分となるのが大半です。
初犯であっても複数の余罪があったり、計画的で、悪質な犯行だと認定されてしまうと、起訴されてしまう可能性があるので、刑事処分に不安のある方は刑事事件専門の弁護士に相談することをお勧めします。

外国人による刑事事件

外国人の方が、日本国内で犯罪を犯し警察に逮捕された場合、日本人と同じように刑事手続きが進められる事になります。
窃盗事件を起こして警察に逮捕された場合、逮捕から48時間までは警察の留置場に拘束される事となり、その間に勾留を請求するか否かが判断されます。
勾留が請求されない場合は、逮捕から48時間以内に釈放され、その後は不拘束状態での捜査が継続されますが、勾留が請求された場合は、検察庁に送致されて、そこで検察官の取調べを受けた後に、裁判所に勾留請求される事となります。
そして裁判官が勾留を認めると、その日から10日~20日間は再び警察の留置場若しくは拘置所に拘束されたまま取調べを受ける事となります。
勾留の最終日に検察官が起訴するか否かを決定し、起訴されなければ釈放となりますが、起訴された場合は、その後の刑事裁判で最終的な処分が決定します。
ただ同じ犯罪でも、日本人の被疑者よりも外国人の方が、逮捕されるリスクや、その後の身体拘束を受けるリスクは高くなるでしょう。
また取調べを受ける中でも様々なリスクが生じてしまいます。
その代表的なのが言葉の壁です。
日本語が通じなければ、通訳を介して取調べが行われますが、自身の主張が書類になっているかに不安を感じてしまう外国人の方は少なくありません。
また生活習慣の違いも大きな壁となるでしょう。
もし逮捕、勾留された場合は、警察署の留置場に収容されることになります。
留置場での生活は、宗教上の理由等が、ある程度考慮されると言われていますが、日本との生活習慣の違いが精神的なストレスになることは間違いありません。

強制退去になることも

日本で刑事事件を起こしてしまった外国人の方が一番心配されているのが強制退去についてです。
実際に、日本で生活する外国人が刑事事件を起こした場合、処分が決定し、その刑を終えた時点で日本から強制退去される可能性があります。
入管法によると、有罪判決が強制退去に結び付くのは、1年を超える実刑判決とされていますが、薬物事件や、窃盗罪、詐欺罪等の財産犯事件を起こした外国人の場合、その方の在留資格によっては、執行猶予付の判決であっても判決の確定と共に強制退去になる事があります。

外国人の窃盗事件に強い弁護士

刑事事件を専門にしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、これまで多くの外国人の方の刑事弁護活動を行ってまいりました。
刑事事件を起こした外国人の精神的なストレスを少しでも軽減できるように配慮した刑事弁護活動を心がけておりますので、東京都板橋区で起こった刑事事件でお困りの外国人の方や、外国人の知人が窃盗罪で警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

職務質問から逃走(公務執行妨害)

2020-10-26

公務執行妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

~事件~

無職のAさんは、東京都中央区の路上で警視庁月島警察署の警察官から職務質問を受けました。
所持品検査を求められたAさんは、ズボンのポケットの中に数日前に友人から譲り受けた大麻を所持していたので、警察官の身体に体当たりをして逃走しました。
数百メートル走ったところで警察官に捕まったAさんは、公務執行妨害罪の容疑で現行犯逮捕され、その後に、大麻の所持違反でも逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

◇職務質問◇

警察官は、異常な挙動その他の周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができます。
これが、警察官職務質問執行法第2条1項に規定されている職務質問です。

◇職務質問って強制ですか?◇

職務質問に強制力はないので、拒否することができます。
しかし、警察官は拒否されたからといって「あっそうですか」などとあっさり拒否を認めてくれるわけではなく、逆に、拒否することによって、何か疑わしい事情・理由があるだろうと疑われ、追及は厳しくなります。
また、職務質問から逃れようとしても、警察官が行く手に立ち塞がってそれを許してくれません。
それって違法なのでは・・・?と思われる方がいるかもしれませんが、職務質問は、ある一定の有形力の行使が認められているので、即座に違法となるわけではありません。
職務質問から逃れようと逃走した人の腕を掴む行為や、飲酒運転の疑いのある車の中に警察官が手を入れてエンジンを停止させる行為等が、職務質問に付随する行為として認められていることを考えると
・職務質問を受けている者の前に立ち塞がってその場にとどめおく行為
・職務質問の現場から離れる者について行くなどの行為
などは、職務質問に付随する行為として認められる可能性が極めて高いでしょう。

◇職務質問の対処◇

警察官から職務質問を受けた際は、毅然とした態度で、意思を明確に告げることをお勧めします。
特に所持品検査については、ハッキリと「検査を拒否します。」と言わなければ、所持品検査を容認したと捉えられる可能性がありますので注意してください。
また違法な職務質問や、所持品検査が後の刑事裁判で争点となることがよくありますが、警察官の違法性を立証する証拠が乏しく、主張が認められないことがほとんどです。
そういった事態に陥らないためにも、警察官から違法な職務質問を受けた場合は、音声や、動画を残しておくことをお勧めします。

◇職務質問と公務執行妨害罪◇

職務質問の際、警察官に暴行などを加えて公務執行妨害罪で逮捕される事件がよくあります。
公務執行妨害罪は、公務員(警察官など)が職務の執行中、公務員に対して暴行又は脅迫を加えた場合に成立する犯罪で、その法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。

公務執行妨害罪が成立するには、公務員の職務は適法であることが条件とされています。違法な公務については保護する必要がないからです。
職務質問をした警察官に対する公務執行妨害事件においても、その職務質問が正当に行われていることが前提となるので、警察官の職務質問が違法であった場合は、その警察官に対して暴行・脅迫を加えていたとしても公務執行妨害罪は成立しない可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、職務質問など警察官の違法捜査を発端とする刑事事件に対するご相談を、年中無休で受け付けております。
刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
初回法律相談:無料

タクシーの無賃乗車 詐欺罪で逮捕されるも勾留を阻止

2020-10-05

タクシーの無賃乗車で逮捕された方の勾留を阻止した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

タクシーの無賃乗車で逮捕

終電すぎの深夜まで酒を飲んだAさんは、東京都日野市において、お金の持ち合わせがないのにこれをあるように装い、タクシーに乗車しました。
そしてAさんは、タクシーで自宅まで戻ったが、「お金は持っていない」と言って、そのままタクシーを降りて自宅へ入ってしまったのです。
困ったタクシーの運転手が警視庁日野警察署に通報したことから、Aさんは、警視庁日野警察署の警察官によって、詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの逮捕を聞いた家族は、詐欺事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(フィクションです。)

2項詐欺事件

刑法第246条において詐欺罪が定められています。
第1項においては「人を欺いて財物を交付させた者」を、第2項においては「人を欺いて財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」を、それぞれ詐欺罪として処罰するものとしています。

詐欺罪は財産犯の一種ですが、一般的な財産犯では、具体的な「財物」(お金や物)に対する財産侵害が処罰対象の中心になります。
しかし、詐欺罪など一定の犯罪については、「財物」のみならず「財産上不法の利益」(単に「財産上の利益」ともいいます。)をも、処罰対象としています。
それが、上記の「2項詐欺」(246条2項に規定されている詐欺罪)のようないわゆる2項犯罪(利益罪・利得罪)です。

本件のようなタクシーの乗車詐欺は、いわば「財産上不法の利益」を対象とした2項犯罪の典型的なケースの一つといえます。
Aさんは、支払意思があるかのように見せかけることによってタクシーに乗車し、目的地までの料金分の利益をその対価を払うことなく得ています。
すなわち、タクシーを呼び止めて乗車する(通常なら代金を支払うような乗車行為)という欺く行為によって、有料のタクシーで移動するという「財産上不法の利益」を得ていることになります。
なお、仮にAさんに支払意思があって、実際に財布の中に現金が入っていれば、2項詐欺罪が成立する可能性は低く、あくまで民事上の債務不履行として履行義務を負うにすぎません。
詐欺罪が成立するのかどうかは、弁護士に詳細な事情を話して相談することをお勧めします。

勾留

逮捕されてしまった被疑者は、通常は警察から検察に送られ(送致)、検察官が勾留請求するかどうかの判断をすることになります。
勾留とは、逮捕と同じく被疑者の身体を拘束する処分(実務上は逮捕と同じく警察署に留置されることになります。)ですが、逮捕と異なり10日もの間(延長された場合はさらに10日間)身体拘束を受けることになります。

勾留については、刑事訴訟法上、以下の要件を満たすことが必要となります。
まず、被疑者が「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」が必要です。
加えて、被疑者が「定まった住所を有しない」こと、「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」こと、「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある」ことのうち最低1つに該当することも求められます。
そして、捜査側の利益と被疑者が被る不利益とを比較して前者が後者を上回ることを要します(勾留の必要性・相当性)。
ここで、逮捕段階から選任された弁護士であれば、検察官の勾留請求や裁判官による勾留裁判の前に、上記勾留要件を満たさないことなどを検察官や裁判官と面会して主張したり、意見書として書面で主張したりして、勾留の阻止を目指した活動をすることが可能です。

勾留阻止に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、詐欺事件含む刑事事件専門の法律事務所です。
勾留阻止のためには、弁護士による早期の弁護活動が極めて重要です。
詐欺事件で逮捕されてしまった方のご家族は、何時でも繋がるフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

実子に対する略取誘拐事件 

2020-09-07

離婚協議中に実子を連れ去った略取誘拐事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

事件の概要

東京都渋谷区に住む会社員男性のAさんは、妻と別居し、離婚裁判の係争中です。
ある日、Aさんは、子供となかなか面会させてくれない妻の態度に腹を立て、小学校から一人で帰宅する子供を見つけ、抵抗する子供の腕を引っ張って車の助手席に乗せ、自宅へ連れ去りました。
その後、妻の通報を受けた警視庁原宿警察署の警察官がAさん宅を訪れ、子供は保護されました。
そしてAさんは、警視庁原宿警察署に未成年者略取罪で逮捕されました。
(事実を基に作成したフィクションです。)

未成年者略取罪とは

まず、Aさんが逮捕された未成年者略取罪の内容から解説します。
未成年者略取誘拐罪は刑法224条に規定されている法律です。

刑法224条
未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
※未成年者=20歳未満の者

刑法229条
第224条の罪(略)は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

「略取」とは、略取された者の意思に反する方法、すなわち暴行、脅迫を手段とする場合や、誘惑に当たらない場合でしかも相手方の真意に反する方法を手段として、未成年者を自分や第三者の支配下に置くこと、「誘拐」とは、欺罔(騙すこと)や誘惑を手段として、他人を自分や第三者の支配下に置くことをいいます。
「誘拐」と「略取」とをあわせて「拐取」ということもあります。

なお今回の事件では、子供がAさんの連れ去りに抵抗しており同意していないものと思われますが、未成年者が連れ去り行為に同意していた場合は未成年者略取罪は成立するでしょうか?
この点については、未成年者略取罪が何を保護しよう(守ろう)としているのかと関係があります。
すなわち、未成年者略取罪は、未成年者の自由のほか、親権者など保護監督者の監護権をも保護しようとしていると考えるのが通説、判例です。
よって、未成年者を誘拐した場合には、未成年者の行動の自由・権利を侵害するだけでなく、保護監督者が未成年を保護監督する自由・権利をも侵害したということになるのです。
そのため、未成年者が同意をしていたとしても、その保護監督者が同意しない以上は未成年者誘拐罪が成立し得るということになります。

共同親権者の子供の連れ去りに対する判例の考え

判例は、今回と同じような事件で、被告人の行為は、未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかとして上で、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情であると解されるとしています。
そして、違法性が阻却されるかどうかは、当該行為(連れ去り行為)が社会通念上許容されるものであるかどうかという観点から判断されるべきところ、判例での事案では、

被告人の連れ去り行為が、子どもの監護上必要とされるような特段の事情は認められない
・行為態様が粗暴で強引なものである
・子どもが自分の生活環境についての判断・選択の能力が備わっていない2歳の幼児である
・その年齢上、常時監護養育が必要とされるのに、略取後の監護養育について確たる見通しがあったとも認め難い

ことなどから、家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することはできず違法性を阻却する事情を認めることはできないとしています。

以上の判例の考え方からすれば、共同親権者の連れ去り行為が直ちに未成年者略取罪に結び付くものではなく、当該行為が社会通念上許容されるものである場合は違法性が阻却され本罪が成立しない場合もあります。
仮に、こうした主張をする場合は、その主張を基礎付ける事実を的確に挙げていかなければなりません。
だからこそ、弁護士に相談・依頼することが重要といえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
未成年者略取事件などの刑事事件・少年事件でお悩みの方、お困りの方などは、お気軽に弊所の弁護士にご相談ください。
弊所では、24時間、専門のスタッフが無料法律相談、初回接見サービスのご予約を電話で受け付けております。

警視庁綾瀬警察署に自首して減軽を求める

2020-08-31

警視庁綾瀬警察署に自首して減軽を求める手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇詐欺事件で自首を検討◇

東京都足立区で飲食店を営んでいるAさんは、店の売り上げが悪化し、数年前から赤字が続いていますが、銀行からの融資を受ける事ができず閉店の危機に陥っています。
来月の家賃等の支払いの目途が立たず、金策をしていたAさんは、友人からお金を借りることを思いつきましたが、お店の経営状況を正直に話してもお金を貸してもらえないと思ったAさんは、店舗を拡大する内容の、虚偽の事業計画書を作成して、友人には「店舗を拡大する資金に充てる」という虚偽の理由で借金を申し込みました。
Aさんから事業拡大計画を聞いた友人は、Aさんの話を信じ込み300万円の融資を快諾してくれました。
しかしAさんは、友人から借りた300万円を、家賃の支払いや、これまで滞っていた贖罪の仕入れ先の借金の返済に費消しました。
数か月後に、友人から借金の返済を迫られたAさんは、あれこれ言い訳をして返済を先延ばしにしていたのですが、ついに嘘をついてお金を借りていたことがばれてしまいました。
そして友人から「詐欺罪で警察に訴える。」というメールが送られてきたAさんは、このままだと警察に逮捕されてしまうのではないかと不安で、警察に自首することを考えています。
(フィクションです。)

◇詐欺罪◇

人を騙して財物の交付を受ければ詐欺罪となります。
お金の貸し借りは民事事件だと思われがちですが、お金を借りる際に、目的や返済等について嘘をついて相手を騙してお金を借りると詐欺罪に抵触する可能性があります。
今回の事件でAさんは、虚偽の事業拡大計画を友人に説明して騙しており、この事業計画を信じて友人はAさんにお金を貸しています。
これは、詐欺罪の構成要件とされている「欺罔行為(相手を騙す行為)」と「錯誤に陥っての財物の交付(騙されたことによって、金銭を交付すること)」に該当すると考えられますので、Aさんの行為は詐欺罪に抵触する可能性が非常に高いと言えます。

~量刑~

詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
詐欺罪で起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内の刑事罰が言い渡されるのですが、その量刑は、騙し取った金品の額に比例すると言われています。(被害弁償や被害者との示談が成立している場合は、軽減される可能性が非常に高い。)
初犯であっても、騙し取った金品の額が100万円を超える場合は、実刑判決になる可能性があるので注意しなければなりません。
また詐欺罪の中でも、振込め詐欺等の特殊詐欺事件に関して、最近は、裁判所が非常に厳しい刑事罰を言い渡す傾向にあるます。

◇自首◇

自首とは「自らの犯罪行為を警察等の捜査機関に申告する」ことで、自首が成立すれば、刑が軽減される可能性があります。
ただ、自らの犯罪行為を捜査機関に申告したからといって必ず自首が成立するわけではありません。

自首が成立するには

①警察等の捜査機関が認知していない事件
②警察等の捜査機関が認知し捜査を開始しているが、犯人の特定には至っていない事件

の何れかの事件について、犯人が捜査機関に対し、自発的に自己の犯罪事実を申告し、その訴追を含む処分を求めなければなりません。
つまり、既に警察が捜査を開始している事件で、かつその事件の犯人が判明している場合は、警察署に自ら出頭しても、それは自首には該当せず、単なる出頭にすぎません。
出頭であっても、処分の軽減を求める有利な事情にはなりますが、絶対的に処分が軽減されるわけではないので注意しなければなりません。

◇自首を検討されている方は◇

自首を検討されている方は、事前に、刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部では、警視庁綾瀬警察署に自首して処分の軽減を求める方の相談を、初回無料で承っております。
東京都足立区の刑事事件でお困りの方、詐欺事件で警察に訴えられた方で自首を検討しておられる場合は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
無料法律相談、初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

強盗致傷罪で逮捕されたら

2020-08-03

強盗致傷罪で警察に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

東京都大田区に住むAさんは、お金に困ったことから、近くのコンビニでおにぎり1つ(時価100円相当)を万引きしました。
しかし、Aさんがお店を出ようとしたところ、お店の従業員が万引きに気付き、Aさんのことを追いかけてきました。
捕まってしまうと大変なことになると思ったAさんは、追いかけてきた従業員の腕をつかみ、その場に押し倒しました。
押し倒された従業員は、膝をすりむき、全治1週間の傷害を負ってしましました。
その日は逃げることができたAさんですが、翌日自宅に警視庁大森警察署の警察官がやってきて、そのまま逮捕されてしまいました。

◇罪名◇

・Aさんに成立する犯罪
まず、Aさんに成立する犯罪を検討します。
Aさんは、おにぎりを万引きしているため、窃盗に当たる行為をしています。
しかし、その後Aさんは追いかけてきた従業員に暴行を加えました。このような場合、「窃盗が、(・・・)逮捕を免れ(・・・)るために、暴行または脅迫をしたときは、強盗として論ずる」として、刑法238条により、強盗の罪が成立します。この刑法238条の罪を、「事後強盗」と呼んでいます。
また、「強盗が、人を死傷させた時」は、強盗致傷罪が成立します(刑法240条)。
よって、今回のAさんには強盗致傷罪が成立します。
そして、強盗致傷罪の場合には、法定刑が無期又は6年以上の懲役と非常に重いものとなっています。

◇裁判員裁判◇

強盗致傷罪は無期懲役が定められているため、裁判員裁判対象事件です。
裁判員裁判とは、裁判官3名と、一般国民から選ばれた裁判員6名の合計9名が、刑事裁判の審理を行い、有罪か無罪か、有罪とすればどのような刑が適切であるか評議をし、判決をするという裁判です。
この裁判は、国民感情を裁判という司法の場に反映するために導入されました。そのため、有利な判決を得るためには、裁判官だけではなく、裁判員に対しても、分かりやすい説得的な議論が必要となります。

◇強盗致傷の捜査段階の弁護活動◇

強盗致傷罪は、裁判員裁判対象事件ですから、一度起訴されてしまうと、裁判員裁判という大掛かりな裁判になってしまいます。
そのため、できる限り起訴を防ぐ弁護活動が必要となります。
今回のAさんの事件のような場合には、おにぎりの所有者であるコンビニ店舗に被害弁償する、追いかけてきた従業員に対して治療費や慰謝料の支払いをするといったことを行い、穏便な解決を図るということが重要になります。
Aさんの罪は、強盗致傷罪という思い罪名ではありますが、実態としては100円の万引きと、全治1週間の傷害というものですから、両者ときちんと示談することができれば、最終的に不起訴処分となることも十分考えられます

◇強盗致傷の裁判段階の弁護活動◇

強盗致傷罪で起訴されてしまった場合には、裁判員裁判となってしまいます。
しかし、過去の裁判を見ると、強盗致傷罪で裁判となった場合にも、執行猶予付き判決がなされている事例が散見されます。
執行猶予付き判決をすることができるのは、主文で3年以下の懲役を言い渡すときに限られます。
強盗致傷罪の法定刑は、既に述べた通り、無期又は6年以上の懲役です。
そのため、法定刑の上では、最低でも6年以上の懲役となりますから、そのままでは執行猶予付き判決をすることはできません。
しかし、法律上酌量減軽(刑法66条)という制度があり、「犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる」と定められています。そして、有期刑を減軽する場合は、その刑を半分にすることになりますから、強盗致傷罪の場合は、3年以上の懲役となります。これにより、懲役3年とすることができますから、執行猶予を付けることができるようになります。
強盗致傷罪で起訴されてしまった場合には、裁判官や裁判員に対し、酌量減軽を求められる事情をしっかりと主張することが大切になります。

東京都大田区の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が、強盗致傷罪で警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

勾留期間を短くしたい!勾留延長を阻止できる弁護士

2020-07-13

勾留期間を短くした方の勾留延長の阻止について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

勾留延長を阻止

東京都港区に在住するAさんは、同棲中の彼女から別れ話を切り出されたことで、カッとなり、彼女の顔面を複数回殴打してしまいました。
Aさんのことが怖くなった彼女が警察に通報したことで事件が発覚し、Aさんは傷害罪の容疑で警視庁赤坂警察署に逮捕されてしまったのです。
彼女は、Aのさん顔面殴打行為によって全治3週間の顔面打撲の傷害を負っています。
傷害罪で勾留されたAさんは、勾留期間が長くなることによって自営の飲食店を長期閉店に追い込まれてしまうことを気にして、勾留延長を阻止できる弁護士を探しています。
(フィクションです。)

傷害事件

今回の事件でAさんは彼女の顔面を殴打(暴行行為)しており、それによって彼女は全治3週間の傷害を負っています。
Aさんには傷害罪(刑法204条)が成立するといえます。

勾留期間

上記の様ないわゆるDV行為によって逮捕された場合、勾留されてしまうおそれがあります。
勾留とは、逮捕に引き続いて行われる身柄拘束のことをいい、勾留は、検察官の勾留請求に対して裁判官が勾留決定をすることによって開始されます。
勾留決定がなされると、10日間にわたり、拘置所や留置所において、身柄を拘束されることになり、勾留中は検察官から取調べを受けたり、現場検証がなされたりします。

勾留が10日目を迎えた場合、検察官には、大きく分けて、被疑者を釈放若しくは起訴するか、勾留を延長するかという選択肢があります。
まず、検察官が10日間の勾留期間中に必要な捜査が終了し起訴できると判断した場合は起訴されますし、これ以上勾留の必要性がないと判断し、不起訴を決定した場合には、被疑者は釈放されることになります。

他方で、検察官がさらに身柄拘束を行って捜査を継続する必要があると判断した場合には、刑事訴訟法上、1回に限り勾留の延長を請求することができると定められています。
上記の勾留延長の期間については最大でも10日間とされており、DVの程度や被疑者のこれまでの取り調べ状況及び被害者の感情等が総合的に判断されることになります。
このように勾留延長によって、逮捕から起算すると最大で23日間もの間、身柄拘束がなされてしまうことになります。

勾留延長を阻止

以上のような勾留及び勾留延長に対して、弁護士としては、被疑者が少しでも早期に釈放されるよう働きかける活動を行うことになります。
勾留がなされる前の段階において、弁護士として行うことができる活動としては、まず選任後すぐに被疑者と面会を行い、事件の詳細を聞いて今後の見通しを被疑者に伝えるという初回接見という活動が挙げられます。
この活動によって、逮捕されてしまった被疑者の心理的負担を軽減し、黙秘権や調書訂正申立権、署名拒否権といった権利があることを伝えることが可能となります。

また、弁護士の主な活動として、被害者との示談交渉が挙げられます。
上記の事例のように、被害者である彼女が、加害者であるAさんともう2度と会いたくないと主張している場合には、当事者間やその家族での円満な示談交渉は事実上不可能であるといえます。
一方、弁護士が介入する場合には、被害者としても心理的圧迫等を感じることなく、示談交渉を円滑に進められることも考えられます。
被害者との間で早い段階で示談が成立すれば、場合によっては勾留請求そのものが却下される可能性があり、身柄拘束の期間を非常に短縮することが可能になり得ます。

刑事事件に強い弁護士

このような弁護活動は迅速性と専門性が要求されることになるので、暴力事件に巻き込まれた方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部の弁護士までご相談ください。
刑事事件専門の弁護士が確かな知識と経験を元に弁護活動をさせていただきます。
無料相談と初回接見サービスをご用意してお待ちしております。
0120-631-881までお気軽にお電話ください。

外国人が不法滞在事件で逮捕

2020-03-18

不法滞在事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

東京都北区の錦糸町で外国人パブを経営するAさんは3年前から中国人のアルバイトを雇っています。
先日、このアルバイトが日本に不法滞在していることが発覚し、警視庁滝野川警察署入管法違反逮捕されてしまいました。
Aさんは、入管法違反に強い弁護士に無料法律相談しました。
(フィクションです。)

◇入管法◇

入管法とは、出入国管理および難民認定法の略称です。
入管法では、日本に出入国する人の管理や、日本に入国、滞在する外国人を管理するための法律で、日本に不法入国したり、不法滞在、不法就労する外国人に対する罰則が定めらています。
またAさんのように、不法滞在する外国人を雇ったりすれば、不法就労助長罪として、日本人や、日本に滞在する資格を有する外国人であっても摘発の対象となり、刑事罰を受ける可能性があります。

◇不法入国◇

入管法では、日本国に入国する全ての人を管理しています。
当然のこと、入管法で定められた適正な審査を通過した外国人しか日本に入国することができません。
入管法第3条では
①有効な旅券を所持しない者(有効な乗員手帳を所持する乗員は除く)
②入国審査官から上陸許可を受けていない者等(省略)
は日本に入国してはならないことを定めており、これに違反して不法入国すれば3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金が科せられ、場合によってはこれらの罰則が併科されることもあります。
当然、不法入国した外国人は、この様な刑事罰が科せられるだけでなく、強制退去となる可能性が極めて高いです。
不法入国罪の主体となるのは全ての外国人です。
ここでいう外国人とは、日本国籍を持たない人のことで、外国と日本の両方の国籍を有する人は対象外です。
 
~在留資格~
日本に在留する外国人には、それぞれ在留資格があります。
そして就労活動については、その資格で定められた範囲内でしか、日本で活動することができません。
※就労活動以外の活動を行うことについては制限がない。

◇資格外活動罪◇

許可を受けることなく在留資格以外で、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められれば、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金が科せられ、場合によってはこれらの罰則が併科されることもあります。
これが資格外活動罪です。
ここでいう「専ら行っていると明らかに認められる」とは、資格外活動を行っている場合であって、その違法な資格外活動を主たる在留活動として行っていると明らかに認められる場合を意味します。
それでは、違法な資格外活動を行っていても、それが専ら行っていると明らかに認められる」場合でなければどうなるのでしょうか。
その場合は、刑事罰が軽減されて、その法定刑は「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは200万円以下の罰金又はこれら罰則の併科」となります。

◇不法残留罪◇

在留期間の更新や変更を受けないで、在留期間が経過して日本に滞在すれば「不法残留罪」となります。
不法残留罪の法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金又はこれら罰則の併科」です。
不法残留罪は、許可された在留期間を超えてもなお、日本に残留する外国人の残留行為を取り締まるための法律です。

不法残留罪の対象は、在留期間を与えられた外国人であって、在留期間が無制限とされている永住者や元々在留期間のない不法在留者はこの法律の主体となりません。
在留資格を有する外国人が在留できる期間について、外交、公用、高度専門職及び永住者を除いて、在留資格ごとに5年を超えない範囲で期間が定められています。(入管法施行規定を参照)
また入国審査官は、外国人の上陸許可を承認する際に、在留資格と共に在留期間を決定し、その旨を外国人の旅券に明示しています。

◇不法在留罪◇

不法入国した外国人が、そのまま日本に滞在し続けた場合不法在留罪となります。
この法律の対象となるのは、不法入国、不法上陸した外国人で、先述した不法残留罪とはことなりますが、その法定刑は不法残留罪と同じ「3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金又はこれら罰則の併科」です。

 

東京都北区の刑事事件でお困りの方、入管法違反に強い弁護士をお探しの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
初回法律相談:無料

アルバイト先での窃盗事件 警視庁板橋警察署に自首を検討

2020-03-14

アルバイト先で、売上金抜き取る窃盗事件をおこして自首を検討しているケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇アルバイト先のレジから現金を抜き取った窃盗事件◇

大学生のAさんは、板橋区にあるビジネスホテルで清掃などのアルバイトをしています。
Aさんはアルバイト代では一人暮らしの生活費を賄うことができずお金に困っていました。
そうしたある日、Aさんはいつものようにアルバイトを終え、ホテルのフロントにタイムカードを押しにいったところ、レジの引き出しが半開きになっていたことに気づきました。
そこで、Aさんは、レジに入っていたホテルの売上金を手に取り、その場を立ち去りました。
Aさんは盗んだ売上金を生活費に使い果たしてしまいましたが、後になって盗んだことを後悔し、今では警視庁板橋警察署に自首しようかと考えています。
(フィクションです)

◇Aさんが問われ得る罪◇

Aさんが問われ得る罪としては、まず、窃盗罪が考えられます。
窃盗罪は刑法235条に規定されています。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

ホテルの売上金は「他人の財物」、レジの中から売上金を抜き取る行為は「窃取」に当たることは明らかでしょう。

~窃盗罪ではなく横領罪には問われないでしょうか?~

横領罪は刑法252条に規定されています。

刑法252条
1項 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
2項 (略)

刑法252条1項からすると、アルバイトの身であるAさんに売上金を「占有」しているかどうかですが、通常、アルバイトの方にはお店の売上金を管理(占有)する権限は認められていない思われます。
したがって、アルバイトの方にとって売上金は「自己の占有する他人の物」ではなく、まさに「他人の物」で、これを勝手に取れば横領罪でなく窃盗罪に問われるでしょう。

◇出頭しても「自首」に当たらない可能性がある◇

次に、自首について解説します。

自首とは、

①捜査機関に犯罪事実又は犯人が発覚する前に、
②犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告し
③その処分を委ねる意思表示

のことです。
この要件を満たさない場合は「自首」として認めてもらえません。
つまり、Aさんが警視庁板橋警察署に出頭した時点で、すでにホテル側からの通報などによってAさんが犯人だ、と特定されていれば「自首」ではなく、単なる「出頭」扱いとなるわけです。

◇「自首」するメリット◇

自首の法律上の効果は、刑の減軽です。
しかし、自首したからといって必ずしも刑罰が減軽されるわけではありません。
刑罰が減刑されるかどうかはあくまで裁判官の判断に委ねられます(刑法42条1項)。

刑法42条1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

仮に減軽されると、窃盗罪の場合、懲役が5年以下に、罰金が25万円以下となります(実際の量刑はその範囲で決められます)。

自首の事実上の効果、あるいは「出頭」扱いとなった場合の効果としては、

・逮捕のリスクが減る(在宅のまま処理される可能性が高まる)
・量刑で有利となる

そして、逮捕のリスクが減ることで安心して日常生活を送ることができるということではないでしょうか?

ただし、自首、出頭は、自ら捜査機関に「私は罪を犯しました」と申告するようなものですから、逮捕のリスクもないわけではなく上記メリットが絶対的に約束されるものでもありません。
自首、出頭でお悩みの際は弁護士に相談する事をお勧めします。

◇刑事事件に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
自首するかどうかでお悩みの方は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

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