Archive for the ‘刑事事件’ Category

壁への落書きで少年が逮捕される?

2021-10-18

壁への落書きで少年が逮捕される?

壁に落書きした場合に問題となる罪と、少年が逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都板橋区在住のAは、板橋区内の会社に勤める19歳の会社員です。
Aは友人と一緒に夜遊びをしていた際、友人から落書きをしないかと言われました。
最初Aは躊躇していましたが、友人から「他の人もやっていて周りには落書きだらけじゃないか」「スプレーは、専用の溶剤で落とせば綺麗に消えるし、壊すわけじゃないんだから」と言われて納得してしまい、閉店後の商店のシャッターや他人の家の塀、公衆トイレの壁、道路のガードレール、他人の車にスプレーで落書きをしました。
ある日、Aやその友人が落書きをしていたところ、板橋区を管轄する志村警察署の警察官がパトロールをしていて落書き行為を現認し、Aらは逮捕されました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【スプレーでの落書きは刑事事件に】

高架下やガードレール、商店などのシャッターなど、街中の様々な場所で文字やイラストを見かけることがあるでしょう。
そのほとんどが、所有者や管理者の許可なくスプレーなどで行われた落書きであり、刑事事件や民事事件に発展する行為です。
スプレーで行う落書きの刑事事件の側面について、落書きの対象が建物や壁なのか、それ以外の物なのかによって該当する罪が異なります。

まず、建造物を損壊した場合に成立する建造物損壊罪について、罰条は「5年以下の懲役」のみ定められていて、後述する器物損壊罪と比較すると極めて重い刑罰と言えます。
建造物損壊罪は、建造物を損壊した場合にのみ成立します。
他人の家の壁や公衆トイレなどの壁などは建造物に当たりますが、商店のシャッターや住居の塀については、「当該物と建造物との接合の程度のほか,当該物の建造物における機能上の重要性をも総合考慮」して判断されます。
該当するシャッターや壁が、簡単に取り外しできないようなものであり、建造物にとって重要な機能を果たしていると評価された場合には、建造物に当たると評価されます。

次に、ガードレールや他人の車など、建造物(及び文書等毀損罪を除く)に行った落書きの場合には、器物損壊罪が適用されます。
器物損壊罪は、刑法261条に違反し、「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」に処されます。

Aは友人から「スプレーは、専用の溶剤で落とせば綺麗に消えるし、壊すわけじゃないんだから」と言われています。
これについて、損壊とは単純に物を破壊したり形を変えたりする場合だけでなく、物の「効用を害する」場合に成立します。
商店のシャッターや自宅の塀に落書きをされた被害者は、恥ずかしい思いをしてすぐに消したいと思うことでしょう。
例えば、水をかければすぐに落ちるような成分のスプレーであれば、損壊にはあたらないと評価される余地があります。
しかし、「専用の溶剤で落とせば綺麗に消える」スプレーで行った落書きであれば、すぐに消すことができないという性質を踏まえ、「損壊」したと評価されます。

なお、我が国でも数年前に海外の有名な画家によるストリートアートと呼ばれるものが話題となりました。
これについては、その建物や物の所有者の捉え方次第と言えます。
所有者が「損壊」を受けたと感じた場合、建造物損壊罪は非親告罪ですので被害届を、器物損壊罪は親告罪ですので刑事告訴をすることで捜査機関による捜査が開始され、被疑者が特定された場合には刑事罰が科せられることがある、という流れになります。

落書きの内容によって特定の相手を侮辱した場合や名誉を棄損した場合については、建造物損壊罪や器物損壊罪だけでなく、侮辱罪や名誉棄損罪などの罪にもあたります。

(建造物等損壊罪)
刑法260条 他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
(器物損壊罪)
刑法261条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

【少年も逮捕される?】

≪次回のブログに続きます。≫

東京都板橋区にて、お子さんが商店のシャッターや公衆トイレの壁、他人の家の塀、道路のガードレール、他人の車などに落書きをして逮捕されてしまった場合、刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御相談ください。

賭博で刑罰を科せられる場合とは?

2021-09-23

賭博で刑罰を科せられる場合とは?

いわゆる賭博で問題となる罪やその刑事罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都小平市在住のAは、小平市内で個人事業主として働いていました。
そのAはプロ野球が好きで、小平市内の飲食店などで知り合った野球好きの人10名ほどとのチャットができるグループを作成し、野球観戦についてのやり取りを始めました。
チャットにて、最初は参加者の一人が冗談で「今日○○のチームが勝てば1000円払う」と発言したことをきっかけに、野球賭博を始めるようになりました。
ある日、メンバーの一人であるXが全く別の刑事事件を起こしてしまい、小平市内を管轄する小平警察署の警察官によりスマートフォンの解析が行われ、Aらの野球賭博が発覚しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【賭博と刑事事件】

2人以上の者が、偶然の事情に関して財物を賭け、勝敗を争うことを賭博と言います。

古くは江戸時代には庶民に広まっていた賭博行為は落語や時代劇などでも描かれていますが、同時に江戸幕府はその賭博行為を禁じていたようです。
我が国の刑法は1907年(明治40年)に公布されていますが、賭博に関する罪は成立当初から盛り込まれていました。
それでも、現役プロ野球選手や大相撲の力士が野球賭博に関与していた、あるいは高検検事長による賭けマージャンをしていた、等の報道は記憶に新しいでしょう。

なぜ賭博を禁止しているか、判例は「国民に怠惰浪費の弊風を生じさせ、勤労の美風を害するばかりでなく、甚だしきは暴行その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれすらあることが、それを処罰する理由である。」としています。(最大判昭25.11.22)
実際、賭博に興じたことによりギャンブル依存症に発展する場合があり、負け続けても次で必ず勝てるという錯覚に陥ったり、運をコントロールできると信じるようになるなどして、最終的に莫大な借金を抱えて生活が立ち行かなくなる場合もあるようです。

賭博をした場合、それ自体が(単純)賭博罪に当たります。
賭博行為を反復継続した場合には常習賭博罪というより重い罪に当たります。
また、賭博をする場所を開いたり主催者として利益を得たりした場合には、賭博場開帳等図利罪が成立します。

但し、「一時の娯楽に供する物」に当たる食事や茶菓子などを賭けた場合には罪に当たらないほか、ごく少額の現金を賭けた場合には処罰されない場合があります。

(賭博)
刑法185条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条
1項 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
2項 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
(富くじ発売等)
第187条 
1項 富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。
2項 富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3項 前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。

【堂々と行われている賭け事は?】

ここまで賭博について説明をしてきましたが、我が国では競馬や競艇、宝くじなど、様々な賭け事が行われています。
これについて疑問に思う方もおられるでしょう。
・公営競技(公営ギャンブル)
競馬・競輪・競艇・オートレースがこれに当たります。
戦後の公営競技については、第二次世界大戦後の経済復興の目的で行われたと言われています。
これらは、刑法では禁止されている賭博行為ではありますが、各法律(競馬法・自転車競技法・モーターボート競争法・小型自動車競走法や各種施行規則など)で「都道府県や一部の市町村」にのみ運営が認められています。

・宝くじ
一般的に宝くじと呼ばれている●●ジャンボや●●スクラッチなどは、当せん金付証票法という法律により認められています。
法律上、宝くじを販売することができるのは都道府県と政令指定都市のみで、それ以外の自治体や個人が同様の行為を真似した場合には「富くじ」と評価され、刑法187条に違反します。

・パチンコ等
市中で行われているパチンコも賭博のように見えます。
パチンコ店は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(通称、風俗営業法・風営法・風適法)の規定する「客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」をしています。
これについて、もし、客が出した玉の数に応じてパチンコ店が現金を渡していた場合には、賭博罪にあたります。
しかし、これを景品交換所・問屋を挟む「三点方式」というかたちで金品との交換をしているため、賭博罪には当たらないグレーゾーンとされています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
東京都小平市にて、賭博罪など賭博に関する罪で捜査を受けている方、あるいは御家族が賭博罪などで逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。
必要な対応策について、御説明致します。

学割適用のために学生証を偽造

2021-08-19

学割適用のために学生証を偽造

学生証を紛失してしまい、学生証偽造してしまった場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都千代田区神田在住のAは、都内の私立大学に通う大学生(20歳)です。
ある日、Aは千代田区内にある飲食店の前を通りかかったところ、学生割引があることに気づきました。
そのコースを適用するためには学生証の提示が必要になるのですが、Aは学生証を携帯していませんでした。
そこで、一緒に歩いていた友人Xから学生証を借りてカラーコピーし、それを飲食店の会員カードに貼りつけし、学生証を持っているかのように見せて学割を適用しようとしました。
しかし、店員が偽造に気づいて警察署に連絡し、臨場した千代田区神田を管轄する神田警察署の警察官によって任意同行を求められました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【文書偽造はどのような罪に?】

紙の書類はもちろんのこと、免許証やパスポートなどのカードの形態をしたものについても、文書偽造の罪の対象になります。
具体的にどのような罪に当たるのかについては、偽造した書類が公的なものかそれ以外か、印を押されているかいないかが問題となります。

①有印公文書偽造
身分証明書のうち、運転免許証やパスポート、健康保険証などの公的機関が作成するものなかで公務員が署名や押印をする必要があるものを偽造した場合、有印公文書偽造罪にあたります。
有印公文書偽造罪の客体(対象)となる書類や身分証明書は、その性質上保護すべき度合いが極めて高いことからも、法定刑は文書偽造の罪の中で最も厳しいものとなっています。
この罪で起訴された場合、罰金刑が用意されていないことから略式手続をとることはできず、正式な裁判になります。

刑法155条1項 行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

②(無印)公文書偽造
公文書のうち押印がないものについては、この罪にあたります。
物品税表示証紙がこれにあたるとされています(最決昭35・3・10)。

刑法155条3項 …公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造…した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

③有印私文書偽造
公的機関以外が作成する身分証明書などの書類のうち、署名や捺印を必要とするものを偽造した場合、有印私文書偽造罪が適用される可能性があります。
例えば、Aが大学や会社の在籍を証明する身分証明書を作成した場合には、この罪に当たる可能性があります。

刑法159条1項 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

④(無印)私文書偽造
公的機関以外が作成する身分証明書などの書類のうち、署名や捺印を必要としていない物についてはこの罪が成立します。

刑法159条3項 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

ケースについて検討すると、Aは私立大学の学生証を偽造しています。
私立大学の作成した学生証は私文書にあたり、多くは学校長の印を押されていることから、Aは有印私文書偽造の罪に当たる可能性が高いです。
なお、国立大学の場合、公文書管理法の適用対象となる機関にあたるため、国立大学の学生証を偽造した場合には有印公文書偽造罪が適用されます。
Aのように、実際には証明証を持っているにもかかわらず忘れてしまったため偽造した、という場合でも、文書偽造罪は適用されます。

【行使によりさらに厳しい罪が成立することも】

仮に自分で偽造していないとしても、偽造した文書を譲り受ける等して利用した場合には偽造私文書行使等の罪が適用されます。
また、学生ではないにもかかわらず学割を適用させるために偽造した学生証を使った場合には、詐欺罪(いわゆる2項詐欺)にあたることもあります。
東京都千代田区にて、学生証などの偽造により有印私文書偽造などの罪で捜査対象になっている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料でご相談を受けることができます。

偽計業務妨害罪~被害を受けた会社との示談交渉

2021-08-16

偽計業務妨害罪~被害を受けた会社との示談交渉

いたずら・嫌がらせ目的で予約をして無断キャンセルする場合に成立する偽計業務妨害罪などの罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都大田区蒲田在住のAは、大田区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは大田区内の飲食店で酒を飲んで酔っ払ってしまい、大田区内の路上で泥酔していました。
Aの友人は、Aの家まで帰るには時間がかかることから、大田区内にあるホテルを探してそこに一泊させようと考えました。
しかし、ホテルの従業員Xは、Aの様子を見て泥酔していることを確認したうえで、トラブルになると考え、Aの宿泊を拒否しました。

怒りを覚えたAは、翌日以降、毎日のように電話とホテルのホームページにある予約フォームから架空の名前で予約を入れ、宿泊することを装い実際には宿泊しないという行為を繰り返していました。
被害店舗の責任者は大田区を管轄する大田警察署の警察官に相談をしたうえで被害届を提出し、捜査官は捜査の結果Aによる犯行であるとしてAを偽計業務妨害罪で逮捕しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【予約の無断キャンセルについて】

ケースのAが行ったいたずら、嫌がらせ目的で予約を取ったうえ、無断でキャンセルするという行為は、偽計業務妨害罪にあたります。
偽計業務妨害罪の条文は以下のとおりです。

刑法233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

まず、偽計業務妨害罪に当たる行為には「偽計」が用いられるという要件があります。
偽計業務妨害罪のいう「偽計」とは、「人を欺き、あるいは、人の錯誤・淵を利用したり、人を誘惑したりするほか、計略や策略を講じる等、威力以外の不正な手段を用いる」こととされています。
偽計を用いる方法について、過去の判例を見ると、(昭和の事件ではありますが)弁当屋の商品が不衛生だなどと鉄道事業課長に郵送したり、バスの乗客に対して「このバスの運転手は癇癪を起すから用心するように」と叫ぶような事件のほか、電話料金の支払いを免れるための装置を設置したり、電力メーターの機械を弄って使用量を少なく見せるなどした物理的な犯行もあります。
また、今日ではインターネットの普及に伴い、ブログやSNSなどに偽りの情報を記載・掲載した場合にも、この罪が成立します。
ケースのような場合には、宿泊する目的がないにもかかわらず予約のための電話やホームページの予約フォームからの予約を行っているため、偽計があったと考えられます。

次に、偽計業務妨害罪では「業務を妨害した」ことが必要です。
これは、実際に業務遂行が妨害されることは必要ではありません。
今回想定しているケースについて考えると、Aが宿泊の意図がないにも関わらず予約を申し出たとこで、被害に遭ったホテル側は応対に時間を要しただけでなく、その後に本当に宿泊したいと考えている方が予約を取ろうと思い連絡した場合にはAが入れた噓の予約があるために断らざるを得なかった、という事態が想定されます。
実際にそのような客がいたか否かは問わず、Aが予約をした時点で業務を妨害したと評価され、偽計業務妨害罪が成立すると考えられます。

【会社相手の示談交渉】

ケースの事件についてはホテルという会社が相手の事件になります。
被害者がいる事件である以上、示談交渉は重要な弁護活動のひとつになりますが、通常、ホテルなどの会社は弁護士と顧問契約を結んでいて、弁護士を介しての示談交渉ということになると考えられます。
しかし、Aのように逮捕・勾留されている場合にはそもそも本人が示談交渉することができないうえ、示談交渉ができたとしても、会社側は実際の事件より多い回数、あるいは高額な損害を主張してくる場合が考えられるため、一般の方の交渉は容易ではありません。
特に会社のように顧問弁護士が間に入る可能性が高い事件での示談交渉の場合、弁護士を通じて示談交渉を行い、事実や被害金額などについてしっかりと確認をとったうえで、示談金額などの交渉を行うことが望ましいでしょう。

東京都大田区にて、ご家族がホテルに対していたずら・嫌がらせ目的で予約を繰り返し行ったために偽計業務妨害罪で逮捕されてしまい、示談交渉などの弁護活動をお求めの方がおられましたら、刑事事件・少年事件のみを行う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

2021-07-29

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

密漁について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の代表弁護士則竹理宇が取材を受け、コメントが7月15日発行の東京新聞に掲載されました。

潮干狩り感覚の密漁で摘発されるケースが多発

これからの季節、海でのレジャーに出かける方も多いかと思いますが、海に生息する魚介類をむやみに採って持ち帰ると「密漁」となり、漁業法や、各都道府県が定める漁業調整規則に違反する可能性があるので注意が必要です。
中には、潮干狩り感覚で罪の意識がないままに禁止場所で貝類を採ってしまい、密漁として摘発を受けている方もいるようなので十分にお気をつけください。
また実際に各地でこういった事件の摘発が多発しており、海上保安庁等に検挙されると、管轄の検察庁に書類送検されて、刑事罰が科せられる可能性もあります
新聞記事には、こういった「密漁」に関して、漁業協同組合への取材内容や、専門家の意見を掲載し注意を呼び掛けています。

則竹弁護士のコメント

こういった密漁事件に巻き込まれないためにどうすればいいのかについて、則竹弁護士は「管轄の漁協に確認を取ってもらうのが確実だが、それが難しければ、人がいない場所では特に採取や立ち入りを禁止した看板などがないかチェックする。潮干狩り場以外では採ることを避けるのが賢明だ。」とコメントしています。

東京新聞(7月15日発行)の記事

 

保護責任者遺棄致死罪で上訴(控訴/上告)

2021-07-15

保護責任者遺棄致死罪で上訴(控訴/上告)

保護責任があるにもかかわらずその責務を怠った結果被害者が死亡してしまった保護責任者遺棄致死罪についての罪と、上訴の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都北区王子在住のAは、北区王子にある会社に勤める会社員です。
Aはひとり親で、生まれて間もない子どもVと2人で生活していました。
そのためAは普段は就業後は自宅に帰っていましたが、子育てに疲れてしまい、Vを家に残したまま数日家に帰らない生活をしていました。
通っていた保育施設からの通報を受けて臨場した北区王子を管轄する王子警察署の警察官は、Aの自宅でVの死亡が確認されたため、Aを保護責任者遺棄致死罪で逮捕しました。

Aは起訴され、一審で懲役4年の実刑判決を受けました。
判決言い渡しの際、裁判官から「不服がある場合には14日以内に手続きをしてください。」と言われ、上訴を検討しています。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【保護責任者遺棄致死罪とは?】
同居している未成熟の子ども、高齢者、身体障碍者や、自分が怪我をさせた相手、一緒に酒を飲んでいた泥酔者など、保護(食事を与える、空調を整備する、病院に連れていく/救急通報する等)の義務があると認められる者を、保護責任者と呼びます。
保護責任者がその責務を放棄した結果、対象者が死亡してしまった場合には、保護責任者遺棄致死罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。

刑法218条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、またはその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

【上訴(控訴/上告)の手続きについて】
・上訴とは?
我が国では三審制が採られています。
簡単に説明すると、はじめに言い渡される判決を一審(原審)と呼び、それに対する不服がある場合は控訴を申し立て二審(控訴審)を受け、それに対しても不服がある場合には上告を申し立てて三審(上告審)に移ります。
この控訴上告をあわせて上訴と呼びます。
上訴は、被告人自身やその弁護人、法定代理人等が行うことができます。
また、上訴は検察側にも認められているので、検察官が上訴することも可能です。
弁護人/検察官の双方が上訴するというケースもあります。

・控訴審
一審の判決に不服がある場合には、控訴をすることができます。
控訴は、一審の判決を受けた日の翌日から数えて14日以内に「控訴申立書」という書類を提出する必要があります。
その後、控訴した側(弁護人/検察官)は控訴趣意書という書類を提出しなければなりません。
控訴趣意書の提出期限は、控訴申立書の提出から3ヶ月程度経った後を指定されます。

控訴するためには、控訴理由が必要です。
控訴理由には、一審での手続きの瑕疵(ミス)のほか、法令解釈の誤り、事実誤認、量刑不当などがあります。
控訴審では、控訴趣意書に記載した控訴理由についてのみ審理を行うことが原則です。
そのため、控訴趣意書の内容は極めて重要です。

控訴審では、(被告人が死亡した場合などの公訴棄却、控訴した者が取下げた控訴取下げを除き)「公訴棄却」か「破棄自判」にするか、「破棄差戻」というかたちで審理をやり直すという判決があります。

刑事裁判の場合、一審が簡易裁判所で行われても地方裁判所で行われても、控訴審は高等裁判所で行われます。

・上告審
控訴審の結果に不服がある場合、被告人(弁護)側/検察側はそれぞれ上告を申し立てることができます。
上告審は控訴審よりも要件が厳しく、「憲法違反があった」あるいは「判例違反があった」場合にのみ行うことができ、控訴審の場合の理由として挙げられる量刑不当や事実誤認などは上告の理由となり得ません。
但し、裁判所の職権で量刑不当や事実誤認による原判決の破棄が認められています。
実務上、「憲法違反」「判例違反」の主張は上告全体の30%で、量刑不当による職権発動を求める上告は少なくありません。

上告審は最高裁判所で行われます。

【上訴は刑事事件専門の弁護士へ】
ここまで、上訴控訴上告)の概要について説明致しました。
先に触れたとおり、控訴上告は要件が厳しいため、一審での対応が極めて重要です。
とはいえ、一審で思うような主張ができなかったという場合もあるでしょう。
上訴はある意味でのラストチャンスですので、後悔のない弁護活動を行うためには、刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼することをお勧めします。

東京都北区王子にて、御家族が保護責任者遺棄致死罪で実刑判決を受け、上訴控訴上告)を検討されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。

不燃物の不法投棄で在宅捜査に

2021-04-22

不燃物の不法投棄で在宅捜査に

いわゆる白物家電などの不燃物を正規の手続に則らずに捨てる不法投棄をした場合の罪と、在宅捜査について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都台東区上野在住のAは、台東区上野で働く契約社員です。
Aの家では洗濯機と冷蔵庫が相次いで故障したことから、新しく購入しようと考えました。
そこで、インターネットのオークションサイトやいわゆるフリーマーケットアプリで自分が使いたい商品を探し、それを購入しました。
その際、古くなった洗濯機と冷蔵庫の置き場に困ってしまったAは、台東区上野にあるオフィスビルのゴミ集積所を見かけ、テナント以外が深夜に入れることと洗濯機・冷蔵庫を置くだけのスペースがあることを確認しました。
そしてある日の深夜、自家用車にそれらを積み込んで件のゴミ集積所へ持ち込み、無断で立ち入りおいて帰る、不法投棄行為をしました。

後日、オフィスビル管理会社からの相談を受けた台東区上野を管轄する上野警察署の警察官は、捜査でAによる犯行との裏付けを取り、在宅捜査を開始しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【ゴミ捨てについて】

家電製品を新しく購入する場合、古くなったものの処分に困るという場合があるかもしれません。
製品や家電量販店、あるいは通販業者によっては、それを下取りの対象として引き取ったり、格安で処分してくれたりします。
一方で、リサイクルショップやインターネットのオークション、フリーマーケットアプリなどで購入した場合、自分で処分しなければならないことが多いでしょう。

ゴミ回収の歴史を見てみると、以前は自分たちで焼却・埋め立て処理していてたり、落語に出てくるような‘くずや‘さんが回収して再利用したりして処理していたようです。
1900年に「汚物掃除法」という法律ができたことで、ごみの収集方法や処分方法は市町村がその責務を負うというルールになり、1954年施行の「清掃法」では、市町村が行う処理・収集に住民が従う努力をするよう定められました。
もっとも、それまでの処理方法としては燃焼が中心で、各家庭に設置された焼却炉での燃焼や野焼きにより、各人が処理していました。
しかし、高度経済成長期に入りゴミの量が増えてきたことにより空き地や河川敷などに不法投棄されることも増えたようです。
そこで、1970年に施行された「廃棄物処理法」により、現在のような廃棄物の処理方法などを定めたルールが整備されるようになりました。

【不法投棄について】

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、「廃棄物処理法」と略します。)では、その16条で「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と定められ、同25条1項14号で「第十六条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者」に「五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と規定されています。

たかがポイ捨て、とお思いの方もおられるかもしれませんが、不法投棄には厳しい刑罰が規定されているのです。
家庭ごみを一度だけ不法投棄した、という場合にすぐに実刑(懲役刑)が科せられる可能性は低いと考えられますが、その回数や程度、前科の有無によっては正式裁判になる可能性があります。

また、Aのようにビルの集積所に入って不法投棄する行為は、建造物侵入罪にあたる可能性が高いです。
邸宅侵入罪は刑法130条で「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」と定められています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部には、廃棄物処理業者の方、あるいは一般の方が不法投棄をしてしまい、在宅捜査中であるという御相談を受けます。
不法投棄の場合、取調べでのアドバイスや御自身の考えを纏めた弁面調書・上申書の作成、ケースのように勝手にビルの集積所などに不法投棄する場合や、コンビニなどに設置されているゴミ箱に不法投棄する場合には、ゴミの引き取り、示談交渉などが必要になると考えられます。
東京都台東区上野にて、不法投棄により在宅捜査を受けている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。

銃刀法違反で書類送検

2021-04-15

銃刀法違反で書類送検

刃物などを家の外などで持ち出した場合の罪や書類送検された場合の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都板橋区板橋在住のAは、板橋区板橋にある会社に勤める会社員です。
Aは仕事で段ボールや梱包材などを切ることが多いことから、通勤に使うカバンにカッターナイフを入れ、日々持ち歩いていました。
ある日、Aが板橋区板橋の路上を歩いていたところ、パトロール中の自動車警ら隊の隊員から声をかけられ、職務質問と所持品検査を受けることになりました。
そこでAがカッターナイフを持っていることが発覚したため、警ら隊の隊員は、Aに対して任意というかたちで最寄りの板橋警察署に連行しました。
引継ぎを受けた板橋区板橋を管轄する板橋警察署の警察官からは、刃体が6センチメートル以上あるから銃刀法違反にあたると言い、逮捕はしませんが書類送検しますと説明しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【銃刀法違反について】

ケースのように、職場あるいは家でカッターナイフを使うという方は少なくないでしょう。
100円均一などで気軽に手に入るカッターナイフですが、使い方を誤ると人を傷つけることができるツールにもなりかねません。
カッターナイフを携帯して外を歩いていたり車にカッターナイフを載せて運転をしていた場合、以下のような罪に問われる可能性があるので注意が必要です。

・銃刀法違反
正式名称は銃砲刀剣類所持等取締法という法律です。
この法律では、刃体が6センチメートルを超える長さの刃物を携帯することを禁止しています。
条文は以下に掲載していますが、「業務その他正当な理由による場合を除」くとしているため、例えば複数の店舗で働いている料理人が仕事で使う包丁を持ち歩いた場合や、キャンプで使用するためにその往復でサバイバルナイフを持っていた場合等であれば、罪に問われる可能性があります。
一方で、仕事では使っているものの携帯する必要性まではない場合や、護身用にカッターナイフなどを携帯してい場合などでは、正当な理由にはあたりません。

銃刀法22条  何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。

・軽犯罪法違反
銃刀法が規制する刃体が6センチメートル未満の刃物の携帯については、軽犯罪法に違反する恐れがあります。
銃刀法の場合とほぼ同様に、正当な理由があれば処罰されません。

軽犯罪法1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
2号 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者

【書類送検について】

日々報道などで書類送検という言葉を目にするかと思います。
警察などの捜査機関が被疑者を逮捕した場合、被疑者の身柄と書類を一緒に、逮捕後48時間以内に検察庁に送致する必要があります。
一方で、在宅事件の場合、警察などの捜査機関は被疑者についての捜査書類のみを検察庁に送致します。
これを、俗に書類送検と呼びます。

書類送検された場合、送致を受けた担当検察官は書類を確認した上で、捜査機関に対して追加の捜査指示を出したり自ら取調べを行ったりして、証拠化していきます。
その上で、検察官が起訴するか、不起訴にするかの判断を下します。

書類送検の場合、通常どおりの生活をし乍ら取調べなどの必要なタイミングのみ出頭することから制約はあまりないと言えるでしょう。
更には(公訴時効以外に)時間的制約がないことから捜査開始から書類送検に至るまでに数ヶ月かかることが一般的です。
そのため、書類送検されても緊張感がないという方もおられるようです。
しかし、書類送検された場合でも、逮捕・勾留により身柄拘束されている場合と同様に起訴されることがあり、有罪判決を受けた場合には刑務所に行ったり前科がついたりする場合があるのです。
そのため、書類送検だからといって安心することなく、適切な対応を検討することをお勧めします。
東京都板橋区板橋にて、仕事で使っていたカッターナイフを携帯していたため銃刀法違反・軽犯罪法違反などの嫌疑で書類送検される可能性がある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談を受けることができます。(要予約)

客引きで略式手続

2021-04-12

客引きで略式手続

客引き行為で検挙された場合の罪と略式手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都豊島区西池袋在住のAは、都内のいわゆるキャバクラでアルバイトをしていました。
ある日、そのキャバクラの店長から「今は客が少ないから客引きしてきてくれない?」と言われ、客引き1人あたり1000円を報酬に、西池袋で客引きを行いました。
Aは数人の客引きに成功したことから、その後も店の客が少ない時間帯に客引きを行っていました。
ある日、客引き行為をしたところ、通行人の一人が捜査中の豊島区西池袋を管轄する池袋警察署の警察官であり、「君、客引きだね。」と言われ現行犯逮捕されました。
取調べの際、Aは以前から警察官にマークされていて、内偵捜査が行われていたと聞きました。
Aは、その後接見に来た弁護士から、「略式手続になる可能性が高い。」という説明を受けました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【客引き行為について】

都内の繁華街などを歩いたことがある方は、「客引き行為」を見かけたことがあるかもしれません。
客引き行為は、路上などで歩行者に対して居酒屋やキャバクラ、性風俗などの店に勧誘することを意味します。
通行人が客引きに着いて行った店で、不当とも言える金額を請求されるという話も少なからず聞くところです。
このように、トラブルに発展する可能性がある客引き行為は、複数の法律で禁止されています。
規制する問題となる法律には以下のようなものがあります。

・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反
キャバクラや性風俗などは風俗営業と呼ばれ、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風適法と略します。)の制限を受けます。
これらの風俗営業について、それを営む者は「当該営業に関し客引きをすること。」及び「当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。」を禁止しています。(風適法22条1項1号・2号)
これに違反した場合には「六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と定めています。(同法52条1号)

・迷惑防止条例違反
上記のような風俗営業には当たらない居酒屋などの客引きについてはどうなるのでしょうか。
これは、風適法ではなく各都道府県の定める迷惑防止条例が問題となります。
ケースの場合、東京都豊島区西池袋での事件を想定していますので、東京都が定める公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の処罰に関する条例違反(以下、東京都迷惑防止条例と略します。)にあたります。
同条例では、7条1項で「何人も、公共の場所において、不特定の者に対し、次に掲げる行為をしてはならない。」とし、その3号で「異性による接待をして酒類を伴う飲食をさせる行為…の提供について、客引きを…すること。」と定めています。
罰条は「50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。(同条例8条4項5号)

【略式手続について】

本来、被疑者が起こした刑事事件について、担当する検察官は起訴するか不起訴にするかを決める必要があります。
不起訴になった場合、検察官が裁判所に対して起訴することなく、刑罰を科さずに終了するということです。
また、起訴された場合は、被疑者は被告人という立場に代わり、公開の法廷で有罪・無罪や、有罪だった場合の刑罰についての審理が行われます。

また、検察官は正式な起訴とは別に、略式起訴することもできます。
略式起訴は、比較的軽微でかつ被疑者が認めている事件で行われる手続きで、100万円以下の罰金又は科料の範囲で求刑し、簡易裁判所は書類の審査をしたうえで問題ないと判断した場合に認められる手続です。
略式手続は公開の法廷ではなく書類だけで行われ、被告人は裁判所から届いた起訴状・略式命令書と検察庁から届いた納付書に従って銀行等で罰金又は科料を納めるか、直接検察庁で納付することになります。
略式手続は、書類だけでの手続きになるため、被疑者・被告人にとって負担は少ないと言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
東京都豊島区西池袋にて、御家族が客引き行為で逮捕されたり、自身が客引き行為で在宅捜査を受けている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。

【少年事件】火遊びが放火に

2021-03-04

学校での火遊びが放火になった少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

事件

東京都文京区の私立中学校に通うA君は、授業の休み時間などに、友人と一緒に、ライターでティッシュペーパーに火を点け、それを振り回すなどして遊んでいました。
その際、A君は教室の床に引火させてしまい、消防車が出動する騒ぎになりました。火はすぐに消火されたものの四方約1平方メートルを焦がしてしまいました。
消防から警察に事件が報告されたことから、A君は友人と共に、警視庁大塚警察署に呼び出されて放火の容疑で取調べを受けています。
(フィクションです。)

ちょっとした悪戯が重大犯罪に?

火を使用すれば刑法上は放火の罪や失火の罪に問われかねません。

放火して、人がいる建造物等を焼損した場合は現住建造物等放火罪(刑法108条、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)

に、

人がいない建造物等を焼損した場合は非現住建造物等放火罪(刑法109条、2年以上の有期懲役)

に問われる可能性があります。

また、

失火した建造物等を焼損した場合は失火罪(刑法116条、50万円以下の罰金)

に問われる可能性があります。

建造物等を全焼しなくても「焼損」

ちなみに、「焼損」の意義に関しては様々な説がありますが、判例は、

火が媒介物を離れて目的物に燃え移り、目的物が独立して燃焼を継続し得る状態に達すること

をいう独立燃焼説に立っています。この説によると、目的物全焼しなくても、その一部のみを燃やした場合でも「焼損」に当たることになります。

しかし、これでは木造建築の場合、放火罪の既遂時期が早くなりすぎてしまうとの批判から、

・目的物の重要な部分、あるいは本来の効用が失われたことが必要とする効用喪失説
・目的物の重要な部分の燃焼開始を必要とする燃え上がり説
・効用喪失説を基調としつつ、目的物が毀棄罪における損壊の程度に達することを必要とする毀棄説

が提唱されています。

退学処分の可能性は

お子さまが学校で非行を働いたという場合、

退学処分となるのではないか

と不安になられる親御様もおられるかと思います。そこで、学校教育法を確認すると、その11条では

校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。

とされています。そして、「文部科学大臣の定めるところにより」というのは、学校教育法施行規則のことを指しており、その26条1項から3項では

1項 校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当つては、児童等の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない。
2項 懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校長(大学にあつては、学長の委任を受けた学部長を含む。)が行う。
3項 前項の退学は、公立の小学校、中学校(学校教育法第七十一条の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。)を除く。)、義務教育  学校又は特別支援学校に在学する学齢児童又は学齢生徒を除き、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行うことができる。
 1 性行不良で改善の見込がないと認められる者
 2 学力劣等で成業の見込がないと認められる者
 3 正当の理由がなくて出席常でない者
 4 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者

とされています。つまり、3項によれば、公立の小学生、中学生等以外の同行1号から4号に該当した者を退学処分とすることができます。
この点、A君は私立中学校に通う生徒です。さらに、今回、放火に当たり得る行為をしていますから4号に当たる者と判断され、退学処分を受ける可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの受け付けを行っております。

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