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【報道事例】小売店の中で下半身を露出した男性を公然わいせつ罪の疑いで逮捕|公然わいせつ罪とは

2024-02-10

【報道事例】小売店の中で下半身を露出した男性を公然わいせつ罪の疑いで逮捕|公然わいせつ罪とは

東京 公然わいせつ罪

今回は、宮城県内にある小売店の中で下半身を露出したとして東京都在住の男性が公然わいせつ罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【参考事例】

公然わいせつの疑いで逮捕されたのは、東京都在住の男性A(23)です。
警察によりますと、Aは2023年10月、宮城県内にある小売店の中で下半身を露出した疑いが持たれています。

店舗内にいた女性店員が警察に通報し捜査が進められていました。
警察の調べに対し、Aは「間違いありません」と容疑を認めているということです。
(※2/8に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「帰省中に店舗内で下半身露出疑い 女性店員が通報…東京都の23歳会社員男逮捕 〈宮城〉」記事の一部を変更して引用しています。)

【公然わいせつ罪とは】

今回、Aは公然わいせつ罪の疑いで逮捕されています。
公然わいせつ罪については、刑法第174条で以下のように規定されています。

  • 刑法第174条(公然わいせつ)
    公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然わいせつ罪は、①公然②わいせつな行為をした場合に成立します。

「公然」とは、不特定多数の人が認識できる状態を指します。
実際に誰かに見られたということまでは必要ありません。

「わいせつな行為」とは、最高裁判所の判例でいたずらに性欲を興奮せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものと定義されています。

今回の事例で考えると、事件発生場所は小売店の中であり、この場所は不特定多数の人が認識できる場所と考えられます。
不特定多数の人が認識できる場所で、Aは下半身を露出しているため、公然とわいせつな行為をしたとして、公然わいせつ罪が成立するということになります。

【公然わいせつ事件を起こすとどうなる?】

公然わいせつ事件を起こして起訴されると、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料で処罰される可能性が高いです。

公然わいせつ罪は性犯罪に分類されますが、他の性犯罪と大きく異なる点は、被害者がいないケースが多いということです。
被害者がいる場合は、被害者と示談を締結することで、起訴を免れて不起訴処分を獲得できる可能性も高くなりますが、被害者がいないと早期釈放や不起訴処分の獲得が難しくなります。

被害者がいない公然わいせつ事件を起こした場合、なるべく低い金額での罰金・科料処分による略式起訴を目指すことも一つの方法です。
前科はつくものの、略式起訴であれば刑事裁判が開かれないため、肉体的・精神的負担は軽くなります。

弁護士に刑事弁護活動を依頼することで、略式起訴を獲得できる可能性はグッと高くなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公然わいせつ罪はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

東京都内で刑事事件を起こしてしまったという方や、ご家族が逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

【報道事例】路上で女性に性的暴行を加えようとした男性を不同意性交等未遂罪の疑いで逮捕

2024-01-11

【報道事例】路上で女性に性的暴行を加えようとした男性を不同意性交等未遂罪の疑いで逮捕

不同意性交等罪 未遂

今回は、東京都内の路上で起きた不同意性交等未遂事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

東京都世田谷区の路上で女性に後ろから近づき性的暴行を加えようとしたとして、46歳の男性が警視庁に逮捕されました。

不同意性交未遂の疑いで逮捕されたのは、世田谷在住の男性A(46)です。
Aは、世田谷区の路上で帰宅途中だった女性Vに性的暴行を加えようとした疑いがもたれています。

警視庁によりますと、AはVの後ろをつけて背後から抱きついたうえで、「声を出したら刺すぞ」などと脅し手で口を塞いだということです。

その際、Vの声に気付いた近所の男性が怒鳴ったため、Aはその場から逃走したということです。
その後、防犯カメラの映像などからAの関与が浮上しました。

取り調べに対し、Aはと容疑を認めているということです。
(※1/10に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「「声を出したら刺すぞ」女性に後ろから抱きつき性的暴行未遂 アルバイトの40代男逮捕 東京・世田谷区」記事の一部を変更して引用しています。)

【不同意性交等未遂罪とは】

今回の事例で、Aは不同意性交等未遂罪の疑いで逮捕されています。
不同意性交等未遂罪は、不同意性交等罪が成立する行為を行ったものの、結果的に既遂になっていない場合に成立します。

まずは不同意性交等罪について見ていきましょう。
不同意性交等罪については、刑法第177条で以下のように規定されています。

  • 刑法第177条(不同意性交等)
    前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。

    (※第2項、第3項省略)

不同意性交等罪は、刑法第176条(不同意わいせつ罪)で規定されている行為などにより、相手(被害者)が同意しない意思を形成することや表明することが困難な状態にさせたり、この状態に乗じて性交等を行うことで成立します。

刑法第176条で規定されている行為は、以下の8つです。

①暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
②心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
③アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
④睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
⑤同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
⑥予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
⑦虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
⑧経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

上記の行為だけに限らず、これらに類する行為であっても不同意性交等罪は成立します。

今回の事例で考えると、AはVの背後から抱きついて「声を出したら刺す」と脅し、手で口を塞いだと報道されています。
これは刑法第176条で規定されている行為の①に該当すると考えられます。

また、不同意性交等罪は、刑法第180条で未遂も処罰されることが規定されています。

  • 刑法第180条(未遂罪)
    第176条、第177条及び前条の罪の未遂は、罰する。

つまり、不同意性交等罪が成立する行為を実行し、結果として性交等はしていないとしても、不同意性交等未遂罪として処罰されるということです。

今回、Aは近くにいた男性の怒鳴り声を聞いて現場を逃走しているため、不同意性交等罪は成立していません。
ただ、Aは不同意性交等罪の実行に着手していたため、不同意性交等未遂罪が成立すると考えられます。

【不同意性交等未遂罪の刑事処分】

未遂罪については、刑法第43条により刑を減軽できる旨が規定されています。

  • 刑法第43条(未遂減免)
    犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

ただし、これは必ず減軽するといった内容ではありません。
今回のように、既遂する意思はあったがやむを得ず未遂に終わった場合だと、不同意性交等罪と同じように処罰される可能性も十分にあります。

不同意性交等罪の処罰内容は5年以上の有期拘禁刑のみで、とても重い処分が下されることになるかもしれません。
起訴を免れて不起訴処分を獲得したり、起訴後の判決を少しでも軽くしたいという場合は、被害者との示談が重要なポイントになります。

しかし、不同意性交等罪のような性犯罪被害者は加害者に対する恐怖心や処罰感情が強いので、示談交渉を取り合ってくれない可能性が極めて高いです。
なので、弁護士を代理人として、被害者との示談交渉を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件で被害者との示談を締結した実績を多数持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

東京都内で性犯罪を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

【報道事例】面識のない女性にわいせつ行為をして逮捕された男性を不起訴|不起訴処分を獲得するポイントは?

2023-12-21

【報道事例】面識のない女性にわいせつ行為をして逮捕された男性を不起訴|不起訴処分を獲得するポイントは?

不起訴処分 ポイント

刑事事件を起こしてしまっても、検察官から不起訴処分を下されると処罰を受けずに事件が終了することになります。
不起訴処分となれば刑事処分を受けないため、前科がつくこともありません。

今回は、不起訴処分を獲得するポイントについて、東京メトロ内で発生した不同意わいせつ(強制わいせつ)事件をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

東京メトロ内のホームで面識のない女性V(20代)にわいせつな行為をしたとして逮捕された男性A(20代)について、東京地検は不起訴処分としました。

Aは7月、終電間際の東京メトロ内のホームで、無理やり仕事帰りのVの顔をなめたり、体を触るなどのわいせつな行為をしたとして逮捕されました。

警視庁によりますと、Aは「これから飲もうよ」などと言ってVに突然キスをし、ホーム上で執拗(しつよう)に追い掛け回し、顔などをなめたということです。
Aは取り調べに対し、「記憶にない」と容疑を否認していました。

Aについて、東京地検は20日付で不起訴処分としました。
処分の理由は明らかにしていません。
(※12/20に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「東京メトロの駅ホームで面識ない女性に“わいせつ” 男性を不起訴処分 東京地検」記事の一部を変更して引用しています。)

【Aに問われた罪は?】

報道では記載されていませんが、Vに突然キスしたり顔などをなめたりといったAの行為は、不同意わいせつ罪に問われた可能性があります。

不同意わいせつ罪については、刑法第176条で以下のように規定されています。

  • 刑法第176条(不同意わいせつ)
    次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。

     暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
     心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
     アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
     睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
     同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
     予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
     虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
     経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
    (第2項、第3項省略)

突然キスされたり顔などをなめられたりといった行為は、同条第1項第5号に該当する可能性が高いため、本件でのAの行為は不同意わいせつ罪が成立する可能性があるということです。

ただ、本件が発生した7月は改正刑法が施行された月です。
不同意わいせつ罪は改正刑法が施行された7月14日から適用されるため、本件が7月14日より前に発生した事件であれば、改正前に規定されていた強制わいせつ罪が適用されている可能性があります。

【不起訴処分を獲得するポイントは?】

今回、Aが不起訴処分となった理由について、東京地方検察庁は明らかにしていません。
ただ、本件のように被害者がいる刑事事件においては、被害者と示談を成立させることが不起訴処分を獲得する上で重要なポイントになるため、AはVと示談を成立させた可能性があると考えられます。

事件の内容にもよりますが、被害者との示談を成立させ、示談書といった書類を検察官に提出することで、検察官がこれ以上処罰を与える必要がないと判断しやすくなり、起訴せずに不起訴となる可能性が高くなります。

ですが、当事者間で示談交渉を進めると適切とは言えない示談金を要求されたり、相手が話を聞いてくれなかったりといった問題が起こりやすく、示談が成立できる可能性も低いです、
ましてや、今回のAのように逮捕されてしまった場合、当事者間で示談を進めるということが難しくなります。

なので、刑事事件を起こして被害者と示談を成立させたい場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼して被害者との示談交渉を進めてもらうことをおすすめします。
弁護士が代理人として被害者と連絡を取り、示談交渉を進めることで、当事者間で示談交渉を進めるよりも示談が成立できる可能性が高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当し、被害者との示談を成立させて不起訴処分を獲得した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。

ご相談・ご依頼に関するお問い合わせについては、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にてお待ちしております。

東京都内で刑事事件を起こしてしまって被害者と示談を成立させたいという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

【事例解説】新宿駅構内で女性のスカート内を盗撮した男性を逮捕|盗撮で成立する罪は?

2023-12-03

【事例解説】新宿駅構内で女性のスカート内を盗撮した男性を逮捕|成立する罪は?

盗撮 性的姿態等撮影罪

今回は、駅構内で盗撮をして逮捕された事例を想定して、盗撮の罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説致します。

【事例】

ある日、Aさん(40代男性)は、新宿駅構内のエスカレーターや階段を歩いているスカート姿の女性を狙って、スカートの中の下着を靴の中に仕込んだ小型カメラで撮影していました。

Aさんは、駅構内を巡回していた私服警察官にスカートの中を撮影する瞬間を目撃され、現行犯逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは新宿警察署に連行されました。
(※この事例は全てフィクションです。)

【Aに成立する可能性がある罪】

今回の事例では、Aさんの盗撮行為には性的姿態等撮影罪が成立し3年以下の拘禁または300万円以下の罰金に処される可能性があります。

性的姿態等撮影罪は2023年7月13日に新たに施行された「性的姿態撮影等処罰法(略称)」で以下のように規定されています。(※「性的姿態撮影等処罰法」の正式名称は「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」です。)

  • 性的姿態撮影等処罰法第2条1項(性的姿態等撮影)
    次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
    1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
     人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
     イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治40年法律第45号)第177条第1項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態

今回の事例のAさんが行った駅構内のエスカレーターでスカートの中を撮影するという行為は性的姿態等撮影罪(2条1条1号イ)の典型事例といえます。

【性的姿態等の撮影とは?】

性的姿態撮影等処罰法の定義する性的姿態等とは、以下の3つを意味します。

  • 人の性的な部位(ex:性器、臀部、胸部)
  • 着用している下着(ex:スカートの中の下着など)
  • わいせつな行為や性行等が行われている間の姿態

【性的姿態等撮影罪は被害者との示談が重要】

盗撮などの被害者がいる刑事事件の場合には、被害者と示談を成立させておくことが大変重要となります。
示談成立の有無は、不起訴となる確率を高くするのに重要な要素となります。

ただし示談が成立していても起訴となる場合もありますが、示談成立の事実は裁判の際に有罪判決を受けても減刑の要素として未だ大きな意味があります。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が駅構内で盗撮をして逮捕された事例を想定して、盗撮の罪について解説致しました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
新宿区とその周辺に在住の方で、刑事事件を起こしてしまった方や、ご家族が警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。

ご相談・ご依頼の際は24時間365日受付中のフリーダイヤル(0120−631−881)までご相談ください。

【報道事例】東京都中央区の飲食店で知人女性に睡眠薬飲ませ性的暴行を加えた疑いで男性を逮捕

2023-11-27

【報道事例】東京都中央区の飲食店で知人女性に睡眠薬飲ませ性的暴行を加えた疑いで男性を逮捕

睡眠薬 不同意性交等罪

今回は、東京都中央区で発生した知人女性に睡眠薬を飲ませて性的暴行を加えた疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説致します。

【事例】

東京中央区の飲食店で知人女性に睡眠薬を飲ませたうえ、ホテルで性的暴行をしたとして、26歳の薬剤師が警視庁に逮捕されました。
調べに対し、容疑を否認しているということです。

逮捕されたのは東京の薬剤師A(26)です。
警視庁によりますと、ことし6月、東京 中央区の飲食店で知人の20代の女性に睡眠薬を飲ませたうえ、ホテルで性的暴行をした疑いがもたれています。

女性は「トイレに行っている間に容疑者が注文したアルコールを飲んだあと、意識がもうろうとした」と話していて、女性から相談を受けて警視庁が調べたところ、睡眠薬の成分が検出されたということです。

検出された睡眠薬は医師の処方箋が必要な効能の強いものとみられ、警視庁は薬剤師の立場を利用して入手した疑いもあるとみて調べています。
調べに対し、「同意だと思っていた。薬物は使っていない」と容疑を否認しているということです。
(※11/24に『NHK NEWS WEB』で配信された「知人女性に睡眠薬飲ませ性的暴行か 26歳の薬剤師逮捕 東京」記事の一部を変更して引用しています。)

【Aに問われる犯罪は?】

今回の報道事例では、Aには不同意性交等罪が成立する可能性があります。

改正された刑法177条の「不同意性交等罪」では、8つの行為・事由によって「同意しない意思を形成し、表明し、全うすることが困難な状態にさせ、またはその状態にあること」に乗じた性交等を罰するとしています。

具体的には以下のような行為を明文で規定しています。

 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

今回の事例では、③と④の行為に該当する可能性があります。

【不同意性交等罪の弁護活動のポイント】

今回の事例では、不同意性交等罪が成立する可能性があります。
不同意性交等罪の事件では、弁護士を通して被害者と示談することがポイントになります。

不同意性交等罪の処罰内容は5年以上の有期拘禁刑のみで、罰金刑による処罰がありません。
不同意性交等罪は罰金刑が規定されていませんので、検察官が起訴するまでに被害者と示談ができなければ、起訴されてしまいます。

罰金刑のない重い処罰しかない犯罪は、初犯であっても実刑(刑務所に収容される)になる可能性が高くなります。
しかし被害者と示談できれば、不同意性交等罪であっても不起訴処分となる可能性が高くなります。

【事務所紹介】

今回は、東京都中央区で発生した知人女性に睡眠薬役を飲ませて性的暴行を加えた疑いで逮捕された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説致しました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
東京都中央区周辺に在住の方で、ご家族が警察に逮捕されてしまった方や、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。

逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」(有料)をご提供していますので、ご依頼の際は24時間365日受付中のフリーダイヤル(0120−631−881)にてお待ちしております。

【報道事例】自身が経営するマッサージ店の女性客に対して施術中にわいせつな行為をしたとして経営者を逮捕

2023-11-06
マッサージ 不同意わいせつ罪

【報道事例】自身が経営するマッサージ店の女性客に対して施術中にわいせつな行為をしたとして経営者を逮捕

今回は、東京都八王子市内のマッサージ店で施術中の女性客に対してわいせつな行為をした疑いで経営者が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

東京・八王子市の「女性専用」マッサージ店で、施術中の客にわいせつな行為をしたとして経営者の男性A(54)が逮捕されました。

Aは10月5日、八王子市内で自身が経営するマッサージ店で施術中の女性客V(40代)に対し、胸をさわるなどのわいせつな行為をした疑いがもたれています。

(中略)

Vが被害にあった数日後に警察に相談し、事件が発覚しました。
Aは「間違いありません」と容疑を認めています。
(※11/2に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「女性専用マッサージ店でわいせつ行為か 経営者の男を逮捕 八王子市」記事の一部を変更して引用しています。)

【Aに問われる罪は?】

今回のAの行為は、不同意わいせつ罪が成立する可能性があります。

不同意わいせつ罪については、刑法第176条で以下のように規定されています。

  • 刑法第176条(不同意わいせつ)
    次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
    一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
    二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
    三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
    四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
    五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
    六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
    七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
    八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

     行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。

     十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

不同意わいせつ罪は、条文内に挙げられている8つの行為やこれらに類する行為等によって、同意しない意思形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせたり、その状態に乗じて、わいせつな行為をした場合に成立します。

今回のAがVに対して行った行為は、わいせつな行為をマッサージと誤信させた可能性があります。
誤信とは一般的には「勘違い」といった意味合いになるため、Aの行為はマッサージだとVに勘違いさせてわいせつな行為をしたと考えられます。

このような行為については、刑法第176条第2項で規定されているため、Aには不同意わいせつ罪が成立する可能性があるということになります。

【不同意わいせつ罪で逮捕されてしまったら弁護士へ】

不同意わいせつ罪の処罰内容は6月以上10年以下の拘禁刑と規定されていて、罰金刑は規定されていません。
拘禁刑とは、処罰内容として従来規定されていた「懲役刑」と「禁固刑」を一本化した刑罰を指し、受刑者の身柄を拘束する自由刑のことです。

つまり、不同意わいせつ罪で逮捕されて起訴されて有罪判決が下されると、刑事施設に服役することになる可能性が高いということになります。
これを阻止するためには、起訴を免れて不起訴処分を獲得するか、起訴されて裁判になったとしても執行猶予判決を獲得することが重要です。

不同意わいせつ罪のように、被害者がいる刑事事件では、被害者と示談を締結することが不起訴処分の獲得や執行猶予判決の獲得に重要なポイントになります。
ただ、不同意わいせつ罪のような性犯罪被害者の方は、加害者に対する恐怖心や処罰感情が強い傾向にあるため、当事者間同士で示談交渉を行うと、示談締結は極めて難しいです。

なので、不同意わいせつ罪による刑事事件を起こしてしまった場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士が代理人として被害者との示談交渉を勧めていくので、示談が締結できる可能性も高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、不同意わいせつ罪のような性犯罪事件の刑事弁護活動を担当し、被害者との示談を締結した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。

東京都八王子市内で、ご家族が不同意わいせつ罪による刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービスを提供していますので、ご依頼の際は24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までお電話ください。

【報道事例】地下鉄内で女性のスカート内を盗撮しようとした男性を性的姿態撮影処罰法違反の疑いで現行犯逮捕

2023-10-10

【報道事例】地下鉄内で女性のスカート内を盗撮しようとした男性を性的姿態撮影処罰法違反の疑いで現行犯逮捕

令和5年に新設された「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下性的姿態撮影等処罰法とします)」について、実際の事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件東京支部が詳しく解説します。

【事例】

都営地下鉄浅草線の西馬込駅(東京都大田区)で女性Vのスカート内を盗撮しようとしたとして、警視庁池上署は7日までに、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで大田区在住の男性A(45)を現行犯逮捕しました。

捜査関係者によると、Vから助けを求められた近くの男性がAを取り押さえ、駆け付けた池上署員に引き渡しました。
取調べに対し、Aは「魔が差してやってしまった」と容疑を認めています。

逮捕容疑は6日未明、西馬込駅の上りエスカレーターでVのスカート内にスマートフォンを差し入れて、盗撮しようとした疑いです。
(※10/7に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「盗撮未遂疑い歯科医師逮捕 東京・大田区の地下鉄駅」記事の一部を変更して引用しています。)

【性的姿態撮影等処罰法とは】

性的姿態撮影等処罰法は、令和5年に行われた刑法改正で新設された盗撮などの撮影行為を処罰する法律です。

従来、盗撮行為は各都道府県が定める迷惑防止条例によって規定されていましたが、都道府県によって罰則の重さや処罰対象が異なるといった点が問題視されていたこともあり、性的姿態撮影等処罰法が新設されることになりました。

盗撮行為については、性的姿態撮影等処罰法第2条で以下のように規定されています。

  • 性的姿態撮影等処罰法第2条(性的姿態等撮影)
    次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。

    一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
    イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
    ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態

    二 刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為

    三 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為

    四 正当な理由がないのに、十三歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は十三歳以上十六歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為

    2 前項の罪の未遂は、罰する。

    3 前二項の規定は、刑法第百七十六条及び第百七十九条第一項の規定の適用を妨げない。

今回の事例で考えると、Aは正当な理由なく、ひそかにVのスカート内(下着)を撮影しようとしています。
スカート内の下着は、条文で規定されている性的姿態」に該当するため、Aの行為は、性的姿態撮影等処罰法違反が成立します。

ただ、今回Aは、盗撮行為が終了する前に現行犯逮捕されているため、既遂ではなく未遂となります。
ですが、未遂であっても性的姿態撮影等処罰法違反で処罰される旨が性的姿態撮影等処罰法第2条2項で規定されているため、Aは盗撮未遂として、性的姿態撮影等処罰法違反が成立するということになります。

【性的姿態撮影等処罰法違反の弁護活動】

性的姿態撮影等処罰法違反による刑事事件を起こしてしまった場合に、弁護士に刑事弁護活動を依頼した場合、弁護士が行う弁護活動は大きく以下の3つです。

・示談交渉

性的姿態撮影等処罰法違反が成立する盗撮行為は、被害者との示談を締結することが、刑事事件化の阻止不起訴処分の獲得に重要なポイントになります。
ただ、当事者間での示談交渉はスムーズに進まないことも多く、余計に事態が悪化してしまう危険性もあります。
その点、弁護士が代理人として被害者との示談交渉を行えば、被害者の気持ちも汲み取りながらスムーズに示談交渉を進めてくれるため、示談が締結する可能性も高まります。

・冤罪防止

やってもいないのに盗撮の容疑をかけられてしまった場合、虚偽の自白をしてしまえば冤罪で処罰を受けてしまいます。
身に覚えのないことで警察から逮捕・捜査されている場合に弁護士に依頼をすれば、弁護士が冤罪であることを証明するための証拠を集めたり、虚偽の自白をしないよう取調べ対応のアドバイスもしてくれます。

・勾留阻止(早期身柄解放)

盗撮事件を起こして性的姿態撮影等処罰法違反で逮捕されてしまい、検察官から勾留請求がされて勾留決定となると、最大で20日間身柄が拘束される可能性があります。

長期の身柄拘束を避けるためには、勾留を阻止することが重要です。
勾留阻止をして早期の身柄解放を行うためにも、逮捕後すぐに弁護士に接見に来てもらい、事実関係を説明し、弁護士から検察官や裁判官に対して、勾留する必要がないことなどを主張してもらうことで、早期釈放の可能性が高まります。

性的姿態撮影等処罰法違反による刑事事件を起こしてしまったら

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
東京都内で盗撮事件を起こしてしまった方や、ご家族が盗撮事件で逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

ご本人様からのご相談であれば初回無料の法律相談、ご家族が逮捕されてしまっている場合であれば初回接見サービスを提供しています。
ご相談については、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にてお待ちしております。

【報道事例】新宿区歌舞伎町で売春の客待ちを多数検挙|売春行為で問われる罪や逮捕後の流れ

2023-10-04

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が売春の客待ち、俗に言う立ちんぼについて事例を用いて解説致します。

【事例】

国内最大級の歓楽街、東京・歌舞伎町の大久保公園(新宿区)周辺で買春客を探す女性を巡り、警視庁保安課は3日、9月末までに売春防止法違反(客待ち)容疑で80人を検挙したと発表した。
この時点で前年の検挙者を約30人上回るという。
検挙された女性の多くが20代で、歌舞伎町に多くあるホストクラブなどでの遊興費を稼ぐ目的が目立った。
大久保公園周辺で売春の客待ちをする女性は「立ちんぼ」などと呼ばれて問題化しており、警視庁は取り締まり強化に合わせ、摘発実態を初めて公表した。

保安課によると、大久保公園周辺で買春客待ちをしていた女性の検挙者数は、2020年23人▽21年34人▽22年51人で、3年連続で増加している。
今年は9月に取り締まりを強化し、1カ月間で35人を客待ち行為の疑いで現行犯逮捕した。今年は9月末までの検挙者数だけで、統計を公表した過去4年間で最多だった19年(53人)を上回る状態となっている。
(※10/3に『毎日新聞』で配信された「買春客待ち女性80人検挙 歌舞伎町・大久保公園の「立ちんぼ」」の記事の一部を変更して引用しています。)

【解説】

1.「立ちんぼ」とは?

「立ちんぼ」とは、風俗店などを介さずに売春の客待ちをする行為の俗称です。

新宿歌舞伎町の大久保公園周辺は有名な繁華街としてメディアなどに取り上げられます。
そのため「立ちんぼ」スポットとしての認知が拡大し、歌舞伎町に多くあるホストクラブなどでの遊興費を稼ぐ目的の女性が増えてきていることが原因と言われています。

2.「立ちんぼ」はどんな罪に問われる?

今回の事例において「立ちんぼ」は、売春防止法違反5条の以下の勧誘等に該当すると考えられます。

  • 勧誘等
    ① 公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。
    ② 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
    ③ 公衆の目にふれるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。

売春をする目的で、上記に該当する行為をした者は、6月以下の懲役又は1万円以下の罰金に処されます。

3.逮捕後の流れ

被疑者が逮捕されると通常、警察署の施設内にある留置場(場合によって別施設である拘置所)に身柄を拘束され、家に帰ることができなくなります。

4.拘束期間は最大でどれくらい?

逮捕によって自由が制限されるのは最長72時間です。
この間に検察官がより長期の身体拘束を請求し、裁判官がこれを許可すると、さらに10日間、再延長を請求した場合にはさらにプラス10日間で最長20日間も身柄が拘束されることになります。

ここから検察官が被疑者を起訴し、裁判になることが決まると拘束期間は裁判終了まで続く可能性もあります。

逮捕されてしまった場合、なにもしなくても身柄拘束が早期に解消することはまずありません。
弁護士によるなにかしらのアプローチにより、身体拘束が解消すると言うのが一般的な流れです。
早期の段階で刑事事件に強い弁護士に依頼をすることで、身柄の拘束期間が短縮される確率が高まります。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が売春の客待ち、俗に言う「立ちんぼ」について解説致しました。

上記の通り、刑事事件の被疑者となってしまった場合には、法律の専門家によるサポートなしに事態が良い方向に進むことはまずありません。
しっかり弁護士に依頼をしてサポートをしてもらうことで、事件発覚後の処遇・処分を最小限度に止めることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が警察に逮捕されてしまった方や、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。

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【報道事例】少女のわいせつ画像を所持していた男性を児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕

2023-09-19

【報道事例】少女のわいせつ画像所持の男性を児童ポルノ禁止法違反で逮捕

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が練馬区の中学校で発生した児童ポルノ禁止法違反の逮捕事例について解説致します。

【事例】

東京・練馬区の区立中学校の55歳の校長が、少女のわいせつな画像を所持していたとして児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されました。
調べに対し、「以前、勤務していた中学校の生徒を撮影したものだ」などと供述しているということで、警視庁が詳しいいきさつを調べています。

逮捕されたのは、練馬区立三原台中学校の校長、A容疑者(55)です。

警視庁によりますと10日、勤務先の中学校の校長室で、18歳未満の少女が写ったわいせつな画像を所持していたとして児童ポルノ禁止法違反の疑いがもたれています。

去年11月に都の第三者相談窓口に「わいせつな行為をされた」と相談が寄せられ、その後、教育委員会を通じて、情報提供を受けた警視庁が捜査していました。
調べに対し容疑を認め、「私が以前、勤務していた中学校の生徒を撮影したものだ」などと供述しているということです。

警視庁が自宅や勤務先を捜索したところ、少女の体を触る様子などが写ったわいせつな画像や動画が複数、見つかったということで、詳しいいきさつを調べています。
(9/11に『NHK NEWS WEB』で配信された「区立中学校長 少女のわいせつ画像所持疑いで逮捕 東京 練馬区」の記事の一部を変更して引用しています。)

【解説】

この記事の内容は次のようになります。

  • 児童ポルノ所持の刑罰
  • 児童ポルノとは?
  • 児童ポルノ所持となる要件

それでは、それぞれ見ていきましょう。

■児童ポルノ所持の刑罰

児童ポルノ所持の禁止は、正式名称を「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」という法律(以下、児童ポルノ禁止法)により定められている犯罪行為です。
結論から言うと、有罪となってしまった場合には1ヶ月以上1年以下の懲役または1万円以上100万円以下の罰金に処されることになります。

  • 児童ポルノ禁止法第7条1項 (児童ポルノ所持、提供等)
    自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。

■児童ポルノとは?

「児童ポルノ」とは、児童ポルノ禁止法第2条3項1号〜3号に該当する児童の姿態を写した性的な内容の写真画像動画のことを意味します。

  • 児童ポルノ禁止法第2条3項 (定義)
    この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
    • 1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
    • 2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
    • 3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

■児童ポルノ所持となる要件

児童ポルノ禁止法第7条1項の文言から、禁止されている児童ポルノの所持となる要件は以下のようになります。

「自己の性的好奇心を満たす目的」で「児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)」

②「児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)」

今回の事例では、勤務先の中学校の校長室で、18歳未満の少女が写ったわいせつな画像を所持していたとして児童ポルノ禁止法違反が成立しています。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が練馬区の中学校で発生した児童ポルノ禁止法違反の逮捕事例について解説致しました。

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性犯罪による刑事事件でご家族が警察に逮捕されてしまった方や、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。

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【報道事例】不同意わいせつ罪で逮捕された場合にできることは?

2023-09-10

【報道事例】不同意わいせつ罪で逮捕された場合にできることは?

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が不同意わいせつ罪の逮捕事例について事例を用いて解説致します。

【事例】

帰宅途中の20代女性を公園に無理やり連れ込みわいせつな行為をしたとして、32歳の男が逮捕されました。

警視庁によりますと、A容疑者は今月11日未明、東京・江東区の公園で20代女性の胸を触るなどのわいせつな行為をした疑いがもたれています。

A容疑者は路上で帰宅途中だった女性を見つけて声をかけ、断られると近くの公園に無理やり連れ込んで犯行に及んだということです。

A容疑者は容疑を認め、「性交をしたくてナンパしていた」「ナンパは昔から毎日のようにしていたが、最近は月に一度くらいしていた」と話しているということです。
(※8/17(木)に『Yahoo!ニュース』で配信された「帰宅途中の女性を公園に無理やり連れ込みわいせつか 32歳の男を逮捕」記事を一部変更して引用しています。)

【解説】

1.不同意わいせつ罪とは?

不同意わいせつ罪とは、刑法176条に規定されている性的自由の保護を目的とした犯罪です。
2023年改正前は強制わいせつ罪とされていましたが、改正により不同意わいせつ罪となりました。

  • 刑法第176条 (不同意わいせつ)

1.次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。

①暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
②心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
③アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
④睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
⑤同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
⑥予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
⑦虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
⑧経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

2.行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。

3.16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。

2.不同意わいせつ罪の刑罰

不同意わいせつ罪が成立すると、6月以上10年以下の拘禁刑で処罰されます。
「拘禁刑」とは、従来の懲役刑や禁固刑のような受刑者の身体を拘束する刑罰を指し、刑法改正によって新しく設けられました。

今後、従来の懲役刑と禁固刑が廃止され、拘禁刑に一本化されることになります。

3.不同意わいせつ罪で逮捕されたら?

当然ですが、不同意わいせつの罪は被害者が存在する犯罪です。
不同意わいせつ罪のような被害者がいる刑事事件の場合には、被害者と示談を成立させておくことが大変重要となります。

被害者との示談の成立は、当事者の間では事件が解決していることを意味します。
示談成立の有無(示談成立のメリット)は、不起訴となるための重要な要素となります。

示談が成立していても起訴となる場合もありますが、示談成立の事実は裁判の際に有罪判決を受けても減刑の要素として未だ大きな意味があります。

そして、示談を成立させるためには弁護士による示談交渉が不可欠といえます。

特に、不同意わいせつ罪の示談交渉では被害者の加害者に対する処罰感情が強くなる傾向にあるため示談交渉はより難しくなり、当事者同志のみでの示談の成立はより困難を極めます。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が不同意わいせつ罪の逮捕事例について解説致しました。

ブログの中でも解説したように、不同意わいせつの罪で被害者と示談を成立させるのは大変重要であると同時に、非常に難しいです。
そのため、刑事事件の示談交渉にノウハウのある刑事事件専門の弁護士にご本人に変わって示談交渉をしてもらうことが示談成立の重要な要素と言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。

東京都江東区とその周辺に在住の方で、ご家族が逮捕され警察署に連れて行かれてしまった方や、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。

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