偽計業務妨害事件で控訴

2019-01-01

Aさんは、インターネットの動画投稿サイトにオリジナル動画投稿し、再生回数に応じて支払われる広告収入で生計を立てています。
先日Aさんは、覚せい剤に似せた白色粉末を入れた袋を、東京都北区にある、警視庁赤羽警察署の交番前に立っている警察官の前に落とし、そこから逃走するというドッキリ動画を撮影し、その動画をサイトに投稿しました。
再生回数は、これまでの3倍以上に増えましたが、悪質な悪戯だと事態を重く見た警視庁赤羽警察署が捜査を開始し、Aさんは警視庁赤羽警察署に偽計業務妨害罪で逮捕されてしまいました。
その後Aさんは起訴されて、先日、Aさんが略式起訴を拒否したために開かれた刑事裁判によって有罪が認定されて、罰金刑が言い渡されたのですが、Aさんは判決に納得ができず、控訴を検討しています。(実話を基にしたフィクションです。)

◇偽計業務妨害罪~刑法第233条~◇

偽計を用いて人の業務を妨害した場合には、偽計業務妨害罪が成立します。
「偽計」とは、人をだましたり、あるいは人の無知・錯誤を利用したりなどすることをいい、例えば虚偽の通報をすることが「偽計」に当たります。
Aさんの行為は、覚せい剤に見せかけた白色粉末白入りの袋を落とし、警察官をだまそうとしているため、「偽計」を用いているといえるでしょう。

では、警察官の捜査やパトロールなどといった公務は、偽計業務妨害罪のいう「業務」に当たるでしょうか。
公務への妨害行為については公務執行妨害罪が規定されており、公務執行妨害罪は公務への「偽計」を禁止していないことから問題になります。
判例は、強制力を排除する権力的公務か否かを基準としており、これに当たらない場合に公務が「業務」に当たるとしています。
そして、虚偽通報のような妨害行為に対しては警察官が強制力を行使しうる段階にないとして、公務が「業務」に含まれると判断しました。
そうすると、Aさんの行為は「業務」に対して「偽計」を用いたといえるでしょう。

なお、偽計業務妨害罪の条文には「妨害した」とありますが、これは現実に妨害が発生している必要はなく、業務を妨害しうるような行為がなされていれば「妨害した」といえます。
このような点を考慮すれば、Aさんには偽計業務妨害罪が成立する可能性が高いです。
ちなみに偽計業務妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
偽計業務妨害罪等の刑事事件で逮捕された場合には,刑事事件に強い弁護士に早めに初回接見を依頼することをお勧めします。

◇刑事裁判の流れ~控訴~◇

刑事事件を起こして起訴されれば、略式起訴での罰金刑を除いて、刑事裁判によって、その刑事罰が決定します。
刑事裁判は、通常の事件であれば地方裁判所(支部)で行われますが、軽微な事件であれば簡易裁判所で行われることもあります。
Aさんの起こした偽計業務妨害罪のような刑事事件の刑事裁判は、最初(第一審)東京地方裁判所(支部を含む)で行われます。

~控訴~
そして第一審の判決に不服がある場合は、高等裁判所に控訴する事ができます。
控訴は無制限にできるわけではなく、一定の控訴理由が必要となります。
主な控訴理由は、訴訟手続の法令違反、法令適用の誤り、量刑不当、事実誤認(ただし、これらの理由が判決に影響を及ぼすことが明らかな場合)などです。
また、控訴するには第一審判決の言渡しの翌日から、2週間以内に控訴申立書を、第一審の判決を出した裁判所に提出する必要があります。
控訴審(第二審)は、全国8カ所にある高等裁判所又は全国6カ所にある高等裁判所の支部で行われることとなります。

東京都北区の刑事事件でお困りの方、偽計業務妨害罪の一審判決が不服で控訴を考えている方は、刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
初回法律相談:無料
警視庁赤羽警察署までの初回接見費用:36,400円

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