★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ3:用語解説②(疑わしい取引)~

2018-05-25

★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ3:用語解説②(疑わしい取引)~

今回は、前回に引き続き用語解説です。「疑わしい取引」について解説します。

1 疑わしい取引とは
 犯罪収益移転防止法では、司法書士等の士業者を除く特定事業者(但し、弁護士及び弁護士法人は含む)は、①特定業務において収受した財産が犯罪による収益である疑いがある又は②顧客等が特定業務に関し組織的犯罪処罰法第10条の罪若しくは麻薬特例法第6条の罪に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合には、疑わしい取引の届け出を行政庁に行うこととされています。
 「疑わしい取引」とは、上記①及び②の疑いがある取引のことをいいます。
 ①の「犯罪による収益」は、お金に限りません。犯罪収益(たとえば、詐欺により得た被害金)や犯罪収益に由来する財産(たとえば、詐取金を預金した際の利息)、これらの財産とそれ以外の財産とが混和した財産の全てを含みます。
 ②の「罪に当たる行為」は、犯罪によって財産(金銭に限らない)を得た事実を誤魔化すことや、犯罪によって得た財産を隠すような行為のことです。

2 疑いがあるかどうかの判断方法
 疑いがあるかどうかの判断については、取引時確認の結果、取引の態様その他の事情及び犯罪収益移転危険度調査書の内容を勘案し、取引の性質に応じて次の方法により判断します。
 (1)過去に取引を行ったことのない顧客等との取引(一見取引)であって、(3)でない取引
    下記チェック項目に従って、取引に疑わしい点があるかどうかを確認する方法
     ・ 他の顧客との間で通常行う取引の態様との比較
     ・ 当該顧客の過去の取引との比較
     ・ 取引時確認事項の結果に関して有する情報との整合性
 (2)過去に取引を行ったことがある顧客等との取引(継続取引)であって、(3)でない取引
    当該顧客に係る確認記録や取引記録等を精査した上で、(1)のチェック項目に従って、取引に疑わしい点があるかどうかを確認する方法
 (3)マネー・ローンダリングに利用されるおそれの高い取引
    (2)の方法に加えて、①顧客等に対して質問を行うといった必要な調査を行うとともに、②当該取引に疑わしい点があるかどうかを統括管理者又はこれに相当する者に確認させる方法

 次回は、特定事業者に対する罰則について解説します。

ページの上部へ戻る