上告

上告とは

上告とは、高等裁判所のした第1審の判決又は控訴審判決を対象とする最高裁判所への上訴をいいます。

また、地方裁判所や家庭裁判所・簡易裁判所がした判決のうち、憲法判断をした場合などには、控訴をせずに直ちに上告することができます(跳躍上告)。

上告審は、控訴と同じく事後審であり、最終的な違憲審査と法令の解釈を統一する法律審ですが、同時に個々の事件における適正な救済を図る役割も担っています。

3審制の最終審ですが、最高裁判所の負担が過重とならないように、権利上告の範囲が限定されており、その他は裁量上告とされています。

 

上告の理由

権利上告の理由

上告の理由は、憲法違反、憲法の解釈の誤り、判例違反に限られています。

憲法違反とは、原判決の内容や控訴審における訴訟手続きが憲法に違反していることを、憲法解釈の誤りとは、控訴理由に対する判断または職権判断において、原判決が示した憲法解釈の誤りを意味します。

判例違反とは、最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと(最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又は刑訴法施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと)を意味します。

 

職権破棄を求める上告(裁量上告)

権利上告の理由がない場合であっても、一定の事由が認められれば、最高裁は裁量で原判決を破棄することが出来ます。

①判決に影響を及ぼすべき法令違反があること
②刑の量定が甚だしく不当であること 
③判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認があること
④再審事由があること
⑤判決があった後に刑の廃止・変更又は大赦があったこと

これらの事由により、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるとき、最高裁判所は原判決を破棄することができます。

これらの事由は、上告の理由となるものではなく、あくまで上告審である最高裁判所が、原判決を裁量によって棄却できる場合に過ぎません。

したがって、これらの事由を主張するだけでは、上告としては不適法です。

ただ、最高裁判所の職権判断がなされることもありますので、量刑不当や事実誤認を理由に上告の受理を申し立てる例も実際には少なくありません。

通常は、権利上告理由の主張に併せて上記の事由を主張することが多いです。

 

上告の手続き

上告も上告受理申立ても、控訴審の判決の言い渡しから14日以内に行わなければなりません。

上告の申立ては、上告申立書又は上告受理申立書を原審裁判所(通常は高等裁判所)に提出して行います。

そして、上告の申立てを受けた最高裁判所から、通知が届く日の翌日から28日以上の日を提出期限として指定し、上告申立人に上告趣意書の提出を求める通知がなされます。

上告審では、基本的に証拠調べは行われず、これまでの記録の調査を主とした書面審理が行われます。

例外的に、重大事件や原判決破棄の可能性がある場合などで、公判期日が開かれるにすぎません。

しかも、この場合に、被告人に出頭の権利はありません。

 

最高位裁判所の構成

最高裁判所は、15人の裁判官によって構成されており、5人ずつの3つの合議体(小法廷)と15人全員の合議体(大法廷)で判決がなされます。

もっとも、上告審である最高裁判所では、最高裁判所調査官が訴訟記録を調査した結果、原判決に問題がないとされれば、裁判官の持ち回りで審議され、問題があると考えられる場合には、裁判官の合議に回されるという扱いのようです。

 

上告審の裁判の種類

原判決破棄の判決

権利上告の事由が認められた場合は、それが判決に影響を及ぼさないことが明らかなときを除いて、判決で原判決が破棄されます。

また、職権破棄事由が認められ、かつ原判決を破棄しなければ、著しく正義に反する場合にも、判決で原判決を破棄することが出来ます。

 

上告棄却の判決

上告趣意書において、法定の上告理由に当たる事由の主張がなされていても、それが認められないことが明白な場合には、弁論を経ずに判決で上告が棄却されます。

口頭弁論を開いた結果、理由がないという判断に至った場合も、判決で上告が棄却されます。

 

上告棄却の決定

上告の申立ての不備や形式上の不備など、上告が不適法なことが明らかな場合は、決定で上告が棄却されます。

具体的には、上告趣意書が期間内に提出されなかった場合、上告趣意書が不適法な場合、主張された事由が上告理由に当たらない場合などが挙げられます。

形式上は法定の上告理由が主張されていても、実質的にはそれに当たらない場合も含まれ、これが棄却決定の大半を占めています。

 

上告審における弁護士の役割

1 上告趣意書の作成

上告審においても控訴審と同じく、それまでの訴訟記録を通じて、原判決に誤りがないかを精査する手続きですので、書面審理が中心となります。

また、ほとんどの場合、公判期日が開かれることもないですから、弁護人の活動としては、上告趣意書の作成がすべてといっても過言ではありません。

上告趣意書の作成に当たっては、それまでの訴訟記録を入念に精査して、憲法違反や判例違反がないかをチェックする必要があります。

また、実際には、事実誤認や法令違反のみが問題になる場合も多いため、これらの点についても、上告審の職権判断を狙って、十分な主張をする必要があります。

 

2 身柄解放活動

上告審に至っても、一日でも早い身柄解放が望ましいことは、言うまでもありません。

弁護士は、上告審に至るまでの非常に長期にわたる身柄拘束を受けている方のためにも、事案に応じた適切な身柄解放活動を行います。

~上告審で判決を覆すのは、極めてハードルが高いです。経験豊富なあいち刑事事件総合法律事務所東京支部の弁護士にぜひお任せ下さい~

 

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