警視庁世田谷警察署で微罪処分

2019-04-06

◇事件◇ 

会社員のAさんは、先日、仕事帰りに立ち寄った東京都世田谷区のコンビニエンスストアで缶チューハイ(150円相当)と、おつまみ(300円相当)を万引きしました。
支払いをせずに商品を持って店外に出たところで店員に捕まったAさんは、コンビニの事務所に連れていかれました。
コンビニに、妻を呼び出して代金を支払ってもらい、店長も謝罪を受け入れてくれましたが、店長は「会社の決まりで警察に通報しなければいけない。」と言って、警視庁世田谷警察署に通報しました。
その後、駆け付けた警察官によってAさんは、警視庁世田谷警察署に連行されましたが、被害が少額である上に弁償していることと、被害者である店長に謝罪が受け入れられていること等が評価されて、微罪処分となりました。
(フィクションです)

◇微罪処分◇

微罪処分とは、警察が事件を検察庁を送致せず、被疑者への厳重注意、訓戒等で刑事手続きを終了させることをいいます。
本来、警察が立件した事件は警察から検察庁へ送致することが原則(刑事訴訟法第246条本文)とされていますが、微罪処分された事件は、正式に送致されることなく、被疑者と罪名等が記載された一覧表が検察庁に報告されるだけです。

~刑事訴訟法第246条~
司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定がある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。
但し、検察官が指定した事件については、この限りでない

◇微罪処分の対象事件◇

なお、「検察官が指定した事件」とありますが、検察官がいちいち事件が立件された都度指定しているのではなく、通常は、各都道府県を管轄する地方検察庁の検事正が、微罪処分の対象事件があらかじめ定めています。
代表的な事件は
・窃盗罪
・横領罪
・占有離脱物横領罪
・暴行罪
等で、それぞれに細かい要件が定まっています。
その代表的な要件としては
●犯情(犯罪事実そのものの情状)が極めて軽微であること
●被害弁償、示談済みであること
●被害者が処罰を望んでいないこと
●被害額が少額であること
●同種の前科、前歴がないこと
等です。

◇微罪処分のメリット◇

微罪処分となれば、どんなメリットがあるのでしょうか?

~警察署での取調べが少ない~
微罪処分で作成される、供述調書等の司法書類は非常に少ないです。
そのため、通常の手続きの場合ですと複数回、警察署での取調べが行われますが、微罪処分の場合は1回、多くても2回でしょう。
ただ微罪処分であっても、被疑者写真や被疑者指紋は採取されて、警察庁のデータベースに登録されてしまいます。

~検察庁からの呼び出しがない~
微罪処分となれば、事件が検察官の元に送致されませんから、検察庁から呼び出しを受けることはありません。
ただ、微罪処分の手続きが適正に行われているかを検察庁が調査するために、ごくまれに検察庁に呼び出される場合があります。

~刑事罰が科せられない~
検察庁に送致されないということは、検察官の刑事処分を受けることもありません。
一番、不利な刑事処分は「起訴されること」ですが、微罪処分となれば、略式起訴も含めて、起訴されることは絶対にありません。
ですから、罰金刑が科せらることはおろか、刑事裁判を受けることも絶対にないのです。

~前科が付かない~

裁判で言い渡された刑事処罰の判断が確定すれば前科となりますが、微罪処分となれば裁判を受ける必要はありませんから、前科が付くこともありません。

◇微罪処分獲得のための弁護活動◇

これまで見てきたように、微罪処分となるためには、被害者弁償、被害者との示談が必要であることが分かります。
よって、微罪処分獲得に向けた弁護士の弁護活動も、被害弁償や被害者との示談が中心となってきます。
そして、微罪処分とするか否かは警察が決めますから、被害弁償、被害者との示談は、警察が事件を検察官へ送る前に済ませ、その結果を警察官へ示す必要があります。
被害弁償、被害者との示談をスピーディーに、かつ適切な内容でまとめるには弁護士の力が必要です。
当事者間で行おうとすると、感情の縺れなどから、交渉が難航し、交渉中に事件を検察官の元へ送られてしまう可能性もあります。被害弁償、被害者との示談交渉は弁護士にお任せください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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