交通事故を起こしたら刑事?民事?

2021-10-28

交通事故を起こしたら刑事?民事?

交通事故を起こしてしまった場合に問題となる刑事・民事の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都江東区在住のAは、江東区内の会社に勤める会社員です。
事件当日、江東区内の路上は朝の渋滞で混雑していたため、バイクに乗っていたAはいわゆるすり抜けを行うかたちで前進していました。
その際、歩行者Vが横断歩道ではない場所を渡ろうとしていることに気付かず、Vに衝突してしまいました。
Vは転倒してしまい、救急搬送されました。
Aの通報により臨場した江東区北砂を管轄する城東警察署の警察官は、Aに任意同行を求め、警察署での取調べを行いました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【人身事故について】

車やバイクを運転していて事故を起こしてしまい、その事故が原因で被害者が死傷してしまった場合、俗にいう人身事故として取り扱われます。
人身事故の場合、刑事上の責任/民事上の責任/行政上の責任の3つの責任が問題となります。
以下で、その概要を説明します。

・刑事上の責任
刑事上の責任は、各種法律に規定されている罪を犯した場合に問題となります。
飲酒運転や無免許等の運転の場合を除き、運転手の不注意によって発生させた人身事故の場合には「過失運転致死傷罪」という罪に問われます。
この罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称、自動車運転処罰法)に規定されています。
人身事故が発生した場合、運転手(=被疑者)は逮捕される場合もありますし、逮捕されずに在宅で捜査を受けることもあります。
いずれの場合でも、被疑者は警察官や検察官からの捜査・取調べを受け、証拠が揃って検察官が起訴した場合、刑事裁判や略式手続により刑事罰を科せられることになります。

罰条:7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

・民事上の責任
人身事故の場合、事故により怪我をした方、死亡した方がおられます。
また、歩行者にあっては事故の衝撃で持ち物が壊れた、運転手にあっては車やバイクが損傷した、といった金銭的な被害を受けることがあります。
この場合、加害者側が被害者側にその損害を補償する必要があります。

自動車やバイク等を運転する場合、自動車損害賠償責任保険(通称、自賠責)に加入することが義務付けられています。
もっとも、自賠責の場合は補償の金額に上限があるため、任意保険に加入して対人・対物無制限にする等、予め対応されている方もおられるでしょう。

 

・行政上の責任
刑事上の責任、民事上の責任に加え、人身事故を起こした場合には行政上の責任を負うことにもなります。
御案内のとおり、自動車やバイクを運転する場合には運転免許が必要となるところ、交通違反や事故を起こした場合には反則点数が加点され、一定以上の点数に達した場合には免許停止や取消といった処分を受けることになります。
人身事故については、不注意の程度と被害者の怪我の程度により、加点される点数が異なります。
免許停止や免許取消といった行政処分は刑事事件のような裁判は行われず淡々と手続きが行われて通知書が届きますが、90日以上の免許停止や免許取消といった行政処分を受ける場合、聴聞(意見の聴取)という手続が行われ、弁明をする機会が与えられます。

また、乍ら運転や一時停止義務違反などの交通違反については、反則金を納付する必要があります。

【保険会社だけでは不十分?】

弊所には、これまで「任意保険に加入しているからと安心していたら刑事罰が科せられることになった」といった相談が数多く寄せられてきました。
しかし、前章で説明したとおり、刑事事件の手続きと民事上の責任は別物ですので、前科を回避したい、刑事罰に処せられたくないという場合には然るべき対応を取る必要があります。
例えば、
・民事上の責任とは別に、被害者に対して謝罪と弁済を行うことで「宥恕」という被害者が加害者を許す旨の約定を盛り込んだ示談書を締結する
・事件後に自車を廃車にした、交通定期券を購入して自動車に極力乗らない環境を整えた、といった事情を盛り込んだ意見書を提出する。
等が考えられます。
検察官から「このままでは罰金などの刑事罰に処せられます。」という説明を受けた方が、弁護士に依頼をして上記のような対応をとったことで不起訴になった、という事案もあります。

東京都江東区内にて、人身事故を起こしてしまい警察官や検察官からの取調べを受けている方、刑事上の責任についてよくわからないという方は、一度刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御相談ください。

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