繰り返してしまう万引き事件

2019-02-05

~事件~
主婦のA子さんは、2週間前に東京都文京区のスーパーマーケットで食料品等3000円相当を万引きしたところを保安員に捕まり、警視庁富坂警察署に逮捕されましたが、犯行を自供したために、その日のうちに釈放されました。
A子さんは、半年前にも同様の万引き事件を起こして略式罰金40万円の処分が確定しており、それ以前にも2年前(略式罰金20万円)3年前(不起訴処分)5年前(微罪処分)の前科、前歴があります。
A子さんの夫は、クレプトマニアを疑って、半年前にA子さんを近所の心療内科で受診させましたが、症状がよくなるどころか、今回の犯行に及んでしまいました。
(フィクションです。)

◇万引き~刑法第235条(窃盗罪)~◇

万引きは、窃盗罪です。
刑法第235条に明記されているように、窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
万引き事件は被害額が少額のため、初犯で、要件を満たしていれば微罪処分という刑事手続きの中で最も軽い処分で済みますが、再犯の場合は、回数を重ねるごとに厳しい刑事罰が科せられることになります。
当然、万引き事件であっても、回数を重ねれば実刑判決が言い渡される場合もあります。
実刑判決が言い渡されるかどうかは、前刑との期間や、犯行態様、被害額、更生に向けた取組みや家族の監視監督、反省の意思等様々な事情が考慮されて決定しますが、被害者と示談を締結して宥恕の条項がなければ、犯行を重ねるごとに、前刑よりも処分が重くなっていくことは確実でしょう。

~常習累犯窃盗~

盗犯等の防止及処分に関する法律で「常習累犯窃盗罪(同法第2条)」の規定があります。
常習累犯窃盗罪とは、窃盗罪や窃盗未遂罪にあたる行為を常習的に犯す犯罪です。
常習的にとは、過去10年間に3回以上これらの罪で懲役刑を受けた者が、新たに罪を犯すことで、常習累犯窃盗罪で起訴されて有罪が確定すれば、3年以上の有期懲役に処せられます。
窃盗罪の中でも比較的軽いと言われている万引きであっても、回数を重ねていれば、いつかは常習累犯窃盗罪が適用される可能性があるので注意しなければなりません。

◇クレプトマニア◇

物を盗む時のスリルや、成功した時の達成感、開放感を得る為に窃盗を繰り返す人の多くが、窃盗症(クレプトマニア)だと言われています。
窃盗症(クレプトマニア)の人は、窃盗が犯罪であるという事を頭で理解しているのですが、物を盗もうとする衝動に抵抗する事ができず犯行を繰り返してしまいます。
窃盗症(クレプトマニア)の方の再犯を防止するには、刑務所に服役させる等の刑罰を科すよりも、専門家のカウンセリングを受けたり、専門医の治療を受ける方が有効的だという専門家の意見があります。

クレプトマニアが認定されたからといって、刑事罰を免れることができるわけではありませんが、専門医の治療を受けていることが、刑事裁判において「更生に向けて積極的に取組んでいる」と評価される場合があります。
過去には、保護観察付きの執行猶予期間中に再犯に及んだ窃盗事件で、裁判所が罰金刑を言い渡した裁判がありました。
執行猶予期間中に再犯を犯せば実刑判決となるのが常ですが、クレプトマニアの治療中に事件を起こしていたために、裁判所は「保護観察を継続して更生に努めさせるのが相当」として罰金刑を言い渡したのです。
ちなみにこの判決を不服とした検察側は高等裁判所に控訴しましたが、控訴は棄却され罰金刑が確定しています。

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