傷害罪の前科を回避

2019-06-26

◇事件◇

大学4年生のAさんはお酒に酔った勢いで、一緒に飲んでいた後輩の顔面を殴打して鼻を骨折させてしまいました。
事件を知った後輩の両親は激怒し、警視庁中野警察署に、Aさんを傷害罪で訴えました。
そのためAさんは、警視庁中野警察署に呼び出されて取調べを受けています。
すでに就職先から内定をもらっているAさんは、今回の事件によって前科が付く事を避けたいと思っていますが、どの様にしたらよいのか全く分かりません。
(フィクションです。)

◇前科とは◇

前科とは、一般に刑事事件として起訴され、刑罰が科せられた経歴のことをいいます。
これに対して、前歴というのは、捜査機関によって一定の捜査の対象になった経歴のことを意味します。
その他にも交通違反で反則金を支払ったなどの経歴である交通違反前歴というものもあります。ちなみに、過去に警察に補導されたり指導を受けたりしても、前科・前歴には残りません。

◇前科による不利益◇

~刑事手続き上の不利益~
刑事事件を起こしてしまい、罪に問われる場合、捜査機関は必ず容疑者の犯罪歴を調査します。
そして、容疑者に前科が付いていれば、その内容や犯罪歴の個数にも関係しますが、重い処分につながりやすくなります。
たとえば、万引きを繰り返し行ってしまった場合、同じような態様で行われたとしても、罰金処分、執行猶予付き判決、実刑判決とより重い処分へとつながりやすくなります。

~その他の不利益~
前科があることによって、一定の職業に就くことができなくなったり、資格の取得が制限される場合があります。
前科の有無や内容は、通常、一般には公開されませんし、本人であっても調査して確認することはできません。
しかし、報道機関などにより、一旦実名報道がなされてしまうと、ネット上に記事などが残っていることがあります。
履歴書などに前科を記載すると、当然就職活動は困難になるでしょうし、かといって企業が要求している場合に虚偽の記載をしてしまうと経歴詐称になってしまいます。
後にネット記事などによって犯罪歴を知られてしまうと解雇されてしまう場合もあるでしょう。

◇前科を回避するために◇

前科を避けるためには、捜査機関による事件化を防止するか、検察官に起訴しないで(不起訴処分)事件を終結してもらうことが必要です。
軽微な事件では、被害者との示談が成立し、被害届が出されないような場合では事件化を防ぐことが可能です。
しかし、事件が捜査機関により捜査の対象となってしまった場合には、検察官が起訴するかどうかの秤にかけられることになります。
検察官が起訴した場合の有罪率は、約99%ですから、無罪判決を勝ち取ることは非常に困難です。
その反面、送致事件のうち検察官の起訴率は40%程度ですので、約60%は不起訴処分で処理されているということになります。
ちなみに不起訴処分のうちの約90%は、起訴猶予となっています。
起訴猶予処分とは、犯罪の嫌疑はあるものの、訴追するまでの必要はないと検察官が判断した場合に下される処理のことです。

◇不起訴処分を得るための弁護活動◇

不起訴処分には、実際には罪を犯していないのに犯罪の嫌疑が欠けられてしまった場合にもなされますし、犯罪の嫌疑があっても訴追を必要としないと判断されてなされる場合(起訴猶予)もあります。
起訴猶予を理由とする不起訴処分の場合には、起訴・不起訴処分がなされるまでの限られた時間の中で、検察官に対して不起訴処分が相当であるということを説得的に主張しなければなりません。
そこで、捜査の早い段階から弁護士が積極的に弁護活動に取り組むことが非常に有用なのです。
具体的には、刑事裁判で有罪を勝ち取るには証拠が不十分であるとか、容疑者にアリバイがあること、すでに示談が済んでいること、被害弁償が終わっていること、被害届・告訴状の取下げがなされていることなど容疑者に有利な事情を示して検察官に不起訴処分にしてもらえるよう交渉していきます。
特に被害者がいる場合に示談が成立していることは、不起訴処分を勝ち取るためにも、刑罰を軽くするためにも非常に有利に働く事情です。
被害者が処罰を求めない以上、検察官としても刑罰をもって処罰するまでの必要性は乏しいのではないかと考えさせる契機になるというわけです。
また、親告罪の場合には、被害者と示談をして、告訴を取り下げてもらうことにより、確実に不起訴処分を得ることができます。

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