少年による詐欺事件

2019-02-11

東大和市に住むAさんは、現在高校1年生です。
Aさんは、友達と遊ぶお金が必要でしたから、ネット上で給料のよいアルバイトを探していました。
Aさんが見つけたアルバイトは、日給1万円で、拘束時間3時間、荷物の受け渡しをするだけという非常に簡単なアルバイトでした。
Aさんとしては、非常にいいバイトを見つけたという思いもありましたが、反面、あまりにも時給がよすぎることから、何かよくないことをするのではないかという思いもありました。しかし、最終的には時給のよさにひかれ、そのアルバイトに応募することにしました。
Aさんが応募すると、指示のメールがあり、スーツを着て駅に行くように言われました。スーツを持っていなかったAさんは、父親のスーツを持ち出し、それを着た上で、待ち合わせ場所の駅に向かいました。
駅で待っていると、見知らぬ男が封筒を渡してきて、男からその封筒を別の駅のコインロッカーに入れ、鍵をその駅にいる別の男に渡すよう言われ、併せて1万円と交通費を渡されました。
その瞬間、複数の警察官が現れ、Aさんは逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~Aさんの行為~

今回の事例は、いわゆる特殊詐欺でよくみられる光景です。
特殊詐欺は、組織の上部の人間が誰か分からないようにするため、直接お金を受け取った人物から何人かの人物を間に挟んで、お金が組織に入るような仕組みになっています。
そのため、最初にお金を受け取った人間から、リレーのバトンのようにお金が何人かの手に渡るという形になっています。Aさんのように間にいる人は、自分が何を運んでいるのかということは十分に知らされず、訳も分からないまま逮捕されるということになります。
 
それでは、Aさんに詐欺罪が成立するのでしょうか。
Aさんには、明確に特殊詐欺に関わっていたという認識はありません。しかし、Aさん自身、時給があまりにもよく、何かよくないことをするのではないかという思いを持っていました。また、スーツを着て荷物を受け取るというのは、特殊詐欺の手口として典型的なものです。このような事情からすれば、詐欺だと気づけたのではないかという風に言われてしまうこともあります。

この点について、最近最高裁判所が以下のような判断を示しました。
被告人は、Aの依頼を受けて、自宅に配達される荷物を名宛人になりすまして受け取り、直ちに回収役に渡す仕事を複数回繰り返し、多額の報酬を受領している。以上の事実だけでも、Aが依頼した仕事が、詐欺等の犯罪に基づいて送付された荷物を受け取るものであることを十分に想起させるものであり、被告人は自己の行為が詐欺に当たる可能性を認識していたことを強く推認させる。」(最判平成30年12月14日)。
このような裁判所の判断からすれば、Aさんのような場合でも、詐欺だと知りながらアルバイトをしていたと判断される可能性が十分にあります。

◇特殊詐欺の少年事件◇

高い時給に誘われ、少年が特殊詐欺に関与してしまうということが多発しています。また、上記に上げたような裁判所の流れもあり、詐欺とは知らなかったという弁解が認められにくくもなっています。
このような状況で、詐欺に関与してしまった少年にはどのような処分があり得るのでしょうか。
少年の事件が警察で取り扱われた場合には、基本的には全件家庭裁判所に事件が送致され、少年は家庭裁判所での審判を受けることとなります。
そして、少年に言い渡される処分は①検察官送致②少年院送致・児童自立支援施設送致③保護観察④不処分というものになります。
 
今回のようなAさんの場合には、事情にもよりますが、保護観察で済むことも考えられますが、少年院送致となる可能性も十分にあり得るところです。
少年が特殊詐欺に関与してしまった場合には、最終的な収容処分を回避するため、少年本人の反省を促すことや、被害者の方にお金を返金するなどといったことが必要となります。

東大和市で、少年による詐欺事件に強い弁護士をお探しの方、未成年のお子様が警察に逮捕されてしまった方は、少年事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
警視庁東大和警察署までの初回接見費用:37,300円

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