侮辱罪で略式手続を回避

2021-11-15

侮辱罪で略式手続を回避

名誉毀損罪や侮辱罪などに当たる罪と略式手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都台東区在住のAは、台東区内の会社に勤める会社員です。
Aは、近隣住民のVが犬の散歩をする際に、Aの家の塀に小便をかける行為を気にかけていて、再三注意していましたが、その後もVの犬はAの家の塀に小便を掛け続けていました。
我慢ができなくなったAは、防犯カメラの映像を用いて小便をしている犬とそのリードを持つVの画像を抽出し、「台東区の小便掛けババア」という文言を加えてポスターにし、それを路上から他人が見られるような状態でAの家の塀に複数枚、貼り付けました。

Vからの告訴状を受理した台東区を管轄する蔵前警察署の警察官は、Aに「このままでは罰金などの刑事罰になる可能性がありますよ」と説明しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【名誉毀損罪・侮辱罪について】

ケースのAは、自分の家の塀とはいえ、不特定且つ多数の者が見られるような状態で、Vを揶揄するようなポスターを貼っています。
このような行為をした場合、名誉に対する罪が問題となります。
今回は、名誉毀損罪又は侮辱罪の適用が考えられます。
条文はそれぞれ以下のとおりです。
(名誉毀損罪)
刑法230条1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
(侮辱罪)
刑法231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

今回の場合、Aの言動(ポスター記載の文言)は「台東区の小便掛けババア」というもので、事実を摘示しているとは言えず、名誉毀損罪は成立しません。
しかし、Vの飼い犬が小便を掛けている画像と共に上記のような文言を書き加えて他人に見えるようにする行為は、Vを侮辱する行為と言えますので、侮辱罪は成立すると考えられます。

【略式手続について】

法治国家である我が国では、原則として公開の裁判で有罪判決を受けた場合にのみ刑罰を科せられます。
ただし、比較的軽微な刑事事件については、公開の法廷での裁判になしに刑罰を科すことができます。
これを、略式手続と呼びます。

略式手続は、通常の裁判と同様に警察官や検察官が証拠を収集したり取調べを行うなどして、通常の公判請求と同様の捜査を行います。
その後、担当検察官は略式手続が適当と判断した場合には、被疑者に対して略受けと呼ばれる書類を作成するよう伝えます。
被疑者は、事件について認めていて、略式手続に納得した場合には、略受けの書類に署名・捺印します。
最終的に、検察官は簡易裁判所に対して略式起訴をすると同時に「百万円以下の罰金又は科料」の範囲で求刑を行い、簡易裁判所は書類だけで判断をして被告人に対して判決文と納付書を交付します。

略式手続は書面のみでのやり取りという点で、公開の法廷で行われる通常の裁判と比べて被疑者の負担は少ないと言えます。
とはいえ、略式手続で言い渡された罰金・科料という刑罰もいわゆる前科の一種ですので、できる限り避けたいとお思いの方もおられるでしょう。

刑事事件の場合、手続きが進むにつれてできる弁護活動が少なくなるという恐れがあります。
身柄拘束されている事件はもとより、ケースのような在宅事件の場合でも、すぐに弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
東京都台東区にて、張り紙などにより侮辱罪や名誉毀損罪に問われていて、略式手続により前科が付く可能性があるという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

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