警視庁田無警察署の未成年者誘拐事件で勾留理由開示請求

2019-05-15

未成年者誘拐事件の勾留理由開示請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

西東京市に住む会社員のAさんは、一人暮らししているマンションにおいて、18歳の女子高生を寝泊まりさせたとして未成年者誘拐容疑警視庁田無警察署に逮捕されました。
Aさんは3ヶ月前に、SNSで知り合ったこの女子高生から「両親と喧嘩したので泊めて欲しい」とお願いされて、指定された場所まで車で女子高生を迎えに行って、自宅で寝泊まりさせていたのです。
Aさんは女子高生に対して恋愛感情はなく、女子高生に対してわいせつな行為等は一切していませんでしたが、女子高生の両親には一度も連絡していませんでした。
女子高生の両親が家出した女子高生を心配して警察に届け出たことから事件が発覚し、今回の逮捕となったようです。
(フィクションです)

◇未成年者誘拐罪◇

「未成年者」を「誘拐」した場合には、未成年者誘拐罪(刑法第224条)が成立します。
法定刑は3月以上7年以下の懲役と定められており、罰金刑の規定のない非常に厳しいものです。
なお、「誘拐」というのは、欺罔又は誘惑を手段として、他人の意思に反して現在の生活環境から離脱させることです。
無理やり連れ去るような、暴行または脅迫を手段とした場合には、未成年者略取罪となりますが、法定刑は同じです。

今回の事件を検討すると、Aさんは、女子高生の希望で、女子高生の同意を得て自宅で女子高生を寝泊まりさせていますが、まだ未成年の女子高生の両親には監護権がありますので、両親の同意を得ていない以上は、両親の監護権を侵害したとして、未成年者誘拐の罪に抵触する可能性は非常に高いでしょう。

◇勾留理由の開示請求◇

被疑者として逮捕されると、その後、検察官および裁判官の判断で勾留を行われることが大半です。
逮捕による身体拘束の期限は72時間なのに対し、勾留による身体拘束の期限は10日~20日間であるため、勾留の有無とその期間は被疑者とその周囲にとって重大な関心事です。

勾留は長期に及ぶ身体拘束であることから、その要件は逃亡や証拠隠滅などのおそれが具体的に認められる場合という厳しいものとなっています。
ところが、実際のところそうしたおそれの存在は安易に判断されており、時に不当とも思える勾留が行われていることは否定できません。
そうしたケースにおいては、勾留理由の開示請求が効果的となる場合があります。

勾留理由の開示請求とは、裁判と同じく公開の法廷において、いかなる理由に基づき勾留が行われているかを明らかにするための手続です。
この勾留理由の開示請求は、実務上勾留の理由の解明という本来の目的とは異なる目的で行われる傾向にあります。
というのも、勾留理由の開示は、単に「逃亡のおそれがある」などと該当する条文の文言をそのまま読み上げるのと大差なく、具体的になぜそうしたおそれがあるのか明らかにされず殆ど意味をなしていないからです。

ただ、勾留理由の開示請求がなされると、捜査機関や裁判所は資料作成や期日の確保など一定の準備をする必要が生じます。
そのため、勾留理由の開示請求をすることは、安易に身体拘束を継続しようとする捜査機関などの姿勢を改めさせる機会となりうるのです。
それに加えて、勾留理由の開示は公開の法廷で行われることから、被疑者・被告人が家族や友人などと顔を合わせることができます。
特に、面会などを禁じる接見禁止決定が下されている事件においては、こうした副次的な効果の方が勾留理由の開示の重要な目的となることもあるでしょう。

以上のように、勾留理由の開示には、時に本来の目的を超えた役割を果たす可能性があります。
もし先ほど述べたような効果を狙うのであれば、一度弁護士に勾留理由の開示請求をお願いしてみてもいいかもしれません。

西東京市の刑事事件でお困りの方、未成年者誘拐罪で逮捕、勾留されている方の勾留理由の開示請求については、東京で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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