お盆期間中の準強制性交事件で逮捕

2019-08-13

◇事件◇

Aさんは、お盆休みを利用して、卒業した大学のバスケットボール部のOB会に参加しました。
OB会は、現役大学生とOBチームでバスケットボールの試合をした後に、東京都港区の居酒屋で懇親会が開催されます。
OB会には、女子マネージャーも含めて多くのOB,OGが参加していました。
Aさんもバスケットボールの試合に参加し、その後の懇親会にも同級生らと参加しました。
その宴席で、たまたまAさんの隣に座った現役チームの女子マネージャーと意気投合したAさんは、この女子マネージャーに次々とお酒をついで飲ませました。
Aさんは、女子マネージャーが自分に気があると思い込んで、懇親会の後にカラオケに誘おうと思っていたのですが、途中で女子マネージャーが酔いつぶれて眠り始めたのです。
その様子を見ていた仲間から、責任をもって女子マネージャーを自宅に送り届けるように指示されたAさんは、親睦会の後に女子マネージャーをタクシーに乗せて、自分が宿泊している、東京都港区のビジネスホテルに連れ込んだのです。
移動の途中、何度か目を覚ました女子マネージャーに「一緒にホテルに行こう」と声をかけましたが、女子マネージャーが明確に拒否しなかったので、Aさんは了承を得たものだと思い込んでいました。
タクシーを降りたAさんは、女子マネージャーを抱えるようにして自分の部屋に連れて行き、ベッドに寝かせました。
そしてAさんは女子マネージャーにキスをしましたが、全く嫌がる様子がなかったので、そのま服を脱がし性交渉に及んだのです。
その翌日、目を覚ますと女子マネージャーを部屋におらず、Aさんもホテルをチェックアウトしました。
しかし後日、Aさんは、警視庁愛宕警察署準強制性交等罪の容疑で逮捕されました。
(フィクションです)

◇準強制性交等罪◇

準強制性交等罪とは、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をすることで、起訴されて有罪が確定すれば、強制性交等罪と同じ、5年以上の有期懲役が科せられます。

通常の強制性交等罪が、性交等を行う手段として「暴行又は脅迫」と定めているのに対して、準強制性交等罪については
①心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ
②心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせる
ことによるものとしています。

「心神喪失」とは、精神的または生理的な障害によって正常な判断能力を失っている状態といい、熟睡、泥酔、麻酔状態、高度の精神病等により被害者が行為の意味を理解できない場合がこれにあたります。
「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由により心理的または物理的に抵抗ができない状態をいいます。
例えば、行為自体は認識しつつも医療行為と誤信した場合など、錯誤により抵抗する意思を失っている場合などがあります。

心神喪失・抗拒不能の程度についてですが、完全に不可能であることを必要とせず、反抗が著しく困難であればよいとされます。
①心神喪失・抗拒不能に乗じて
既に被害者が心神喪失・抗拒不能にある状況を利用することを指します。
例えば、被害者の高度の精神沈滞状況を利用した場合、睡眠中や泥酔状態の利用などがあげられます。
②心神喪失・抗拒不能にさせる
被害者にお酒を飲ませて泥酔させたり、医師の医療行為を装い治療と誤信した被害者に性交等を行う場合などです。
被害者の無知、困惑、驚愕等や、加害者との関係などといった被害者のおかれた特別の状況を利用して行為が行われた場合にも本罪が成立する可能性があります。

◇故意◇

準強制性交等罪の成立には、故意がなければなりません。
つまり、被害者が心神喪失または抗拒不能の状態にあることを認識して行為に及んでいること、そして被害者の同意がないことの認識が必要となるのです。
被害者が心神喪失・抗拒不能の状態であったことが明らかであっても、それを加害者が認識していない場合や、被害者が同意していないことを加害者が認識していない場合には、準強制性交等罪が成立しない可能性があります。
ただ、これらは内心の問題となるので、単に「知らなかった。」「同意があったと思っていた。」と主張するだけは足りず、客観的な証拠によって証明する必要があるでしょう。

準強制性交等罪等の性犯罪でお困りの方や、ご家族、ご友人が警視庁愛宕警察署に逮捕されてしまった方は、お盆期間中も営業している「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
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