触法少年による刑事事件

2019-08-19

触法少年の犯罪行為について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

東京都台東区の小学校に通う6年生のA君(12歳)は,学校の女子トイレを盗撮するために、スマートフォンを持って女子トイレに隠れていました。
異変に気付いた女子生徒が先生に助けを求めて事件が発覚したのですが、A君の持っていたスマートフォンには、多くの盗撮画像が保存されており、小学校で対処できないと判断した先生は、警察に通報し、A君は警視庁蔵前警察署に補導されました。
警察署から連絡を受けた母親は、今後のことが心配になって少年事件に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです。)

◇刑事責任能力◇

本来なら犯罪行為をしたと認められた場合、その犯罪行為に当たる罪、刑に処せられます。
A君の行為は
①女子トイレに忍び込んだ行為・・・(刑法第130条)建造物侵入罪
②盗撮行為・・・東京都の迷惑防止条例違反
に該当し、それぞれに法定刑が定められています。
そして、有罪が確定すれば、その法定刑内の刑事処分が確定するのですが、14歳未満の少年は、触法少年と言われ、刑事手続きの対象外となります。

(刑法第41条)
14歳に満たない者の行為は、罰しない

つまり、14歳に満たない者は、刑事未成年者といわれ、その具体的な精神・知能的発育の発達の如何を問わず、常に責任無能者として扱われ、犯罪に当たる行為をしたとしても罰せられることはありません。

◇少年法上はどうか◇

しかし、少年法上は、14歳に満たないで刑罰法規に触れる行為をした少年(これを触法少年といいます)も少年審判を受ける可能性があることを規定しています(少年法第3条2項)。

ここで、「どうして犯罪としては罰せられないのに、少年審判を受ける必要があるのか?」と疑問を持たれる方もおられるかと思います。
それは少年法は、少年の健全な育成を目的としている(少年法1条)からだと考えられています。
少年事件の場合、犯罪の嫌疑がある場合はもちろん、犯罪の嫌疑がない場合であっても、そう疑われるに至った経緯・背景には様々あると思います。
そうした経緯・背景には、少年自身の性格、少年の取り巻く環境(家庭、学校、交友関係など)などに関する問題が影響しているのです。
そこで、そうした問題を一つ一つ丁寧に調査し、少年の性格を矯正し、少年を取り巻く環境を整備することで健全な大人へと育っていってもらうことを少年法は期待しているのです。
少年のうちから、犯罪の目を積んでおこうというのが少年法の目的ともいえます。

◇触法少年の流れ◇

まず、警察官に調査の必要があると認められた場合は警察官の調査を受けます。
調査では、触法事件の対象となる事実やその動機,少年の生活環境などについて聴かれることになるでしょう(少年法6条の2第1項)。
その後、盗撮事件では、警察官が少年を家庭裁判所の審判に付することが適当であると認めたときは、盗撮事件が児童相談所長のもとへ送致されます(少年法6条の6第1項第2号)。
児童相談所に送致された後は、児童相談所の職員が少年や保護者などから話を聴かれるなどされ、事件について都道府県知事に報告され、かつ、都道府県により家庭裁判所の審判に付することが適当であると認められたときは、盗撮事件は家庭裁判所へ送致されます。
家庭裁判所へ送致された後の流れは、その他の年齢の少年の場合と同様です。
すなわち、家庭裁判所調査官の調査などを受けることになります。
その後、調査の結果を総合して、事件を少年審判に付すかどうか決められます。

(少年法3条2項)
家庭裁判所は、前項第2号に掲げる少年(触法少年)及び同項3号に掲げる少年で14歳に満たない者については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付すことができる

触法少年であっても、警察官の調査を受けたり、一時保護といって身柄拘束を受けたり、少年審判を受ける可能性はあります。調査の段階から付添人(弁護人)を付けることは可能ですから、お困りの方は少年事件に強い弊所の弁護士までご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。少年事件でお困りの方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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