重複指紋の採取が可能に

2019-08-23

◇ニュース◇

先日、警察庁と早稲田大学が共同で開発していた「ハイパースペクトルイメージャー」という、重複指紋を採取するための撮像装置を、年内にも導入されることが発表されました。
(令和元年8月20日に報道された共同通信ニュースを参考)

刑事事件や、犯罪捜査等に無関心な方でも、警察の犯罪捜査の一つに指紋捜査があることはご存知でしょう。
指紋とは、人間の指や掌の皮膚にある紋様のことで、この紋様は個々人で異なるため、その特徴が、昔から犯罪捜査に用いられてきました。
十数年前からは、科学技術の向上によってDNA捜査が鑑識捜査の主流に移行しつつありますが、警察庁に登録されているDNAのデータ数は、指紋のデータ数に比べるとまだまだ数が少なく、また鑑定にも手間がかかることから、今後も鑑識捜査において指紋捜査が活用されることは間違いないでしょう。
そんな中、開発されて導入が決定した今回の装置を使用すれば、これまで採取が不可能とされていた重複指紋(2種類以上が重なっている指紋)の採取が可能となるようです。
これは「これまで採取することができなかった指紋を採取できるようになる。」という意味で、鑑識捜査においては画期的な進歩となるでしょう。
そこで本日は、犯罪捜査において「指紋」がどのように活用されているのかについて解説します。

◇指紋◇

指紋は、指先や掌にある紋様で、この紋様は個人で異なり、自分と同じ紋様の指紋を持つ人間は基本的には存在しないと言われています。
その特徴は、犯罪捜査だけでなく、入国審査やセキュリティー管理、最近では携帯電話機のロック機能等あらゆる場面に用いられています。

◇指紋捜査◇

警察が指紋を採取する場面は大きく分けて2種類あります。

①被疑者指紋
被疑者指紋とは、何らかの事件で被疑者として警察に検挙された場合に採取される指紋のことです。
警察には、事件被疑者を逮捕した場合はその被疑者の指紋を採取しなければならない旨の規則があります。
この規則に則って、日本全国の警察署では犯罪被疑者を逮捕した場合は、警察署に備え付けられた専用の機械を用いて、両手の指掌紋(場合によって足紋)を採取すると共に、顔、全身の写真撮影、体重、身長等の計測を行っています。
そしてこの様に採取された指紋はデータベース化されて、警察庁で半永久的に管理、保管され、その後の犯罪捜査に活用されるのです。

~被疑者指紋の採取を拒否する事はできるの?~
警察で定められている指掌紋の取り扱い規則では、「逮捕した被疑者には指紋採取をしなければならない。」旨が明記されていますが、不拘束の被疑者については「被疑者の承諾を得て指紋採取をしなければならない。」旨が明記されています。
つまり、逮捕された被疑者は強制的に指紋を採取されるが、逮捕されていない犯罪被疑者については、あくまで任意であるので、指紋の採取を拒否できるという事です。
ただ、現状は半強制的に採取されているようです。

②現場(遺留)指紋
犯罪現場から採取される指紋のことで、遺留指紋と呼ばれることもあります。
テレビのニュースなどで、犯罪現場を鑑識作業する警察官の姿を見たことのある方もいると思いますが、犯罪現場に残された指紋を特殊な薬品を用いて採取します。
こうして採取した指紋から、現場に出入りしている被害者や関係者の指紋を排除し、残った指紋を上記の被疑者指紋と照合し、犯人を割り出すのです。
今回、導入が決定した装置を使用すれば、こうした犯罪現場での、採取できる現場(遺留)指紋の幅が広がるのでしょう。

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