警視庁三鷹警察署への出頭について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
東京都三鷹市で飲食店を営んでいるAさんは、3年ほど前にインターネットの裏サイトで児童ポルノDVDを20枚購入し、それを自宅に保管していた、児童ポルノ法違反(児童ポルノの所持罪)の事実で警視庁三鷹警察署の捜査を受けています。
DVDの販売業者が警察の摘発を受け、そこで押収された顧客名簿からAさんにまで捜査が及び、先日、Aさんの自宅に、警視庁三鷹警察署の捜査員が捜索に入りました。
この捜索で、押し入れの中に収容していた、普段使用していないカバンの中から、児童ポルノDVDが発見、押収されてしまったのです。
ただAさんは、3年前にこのDVDを購入したことは覚えていたのですが、その後、引っ越しを繰り返したことから既に廃棄したものと思い込んでおり、警察に発見されるまで、児童ポルノDVDを所持している認識はありませんでした。
しかし、警察署での取調べでは、その事を厳しく追及されており、Aさんは、警察署への出頭に付き添ってくれる刑事事件に強い弁護士を探しています。
(フィクションです)
◇児童ポルノ法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び児童の保護等に関する法律)◇
~児童ポルノ法とは~
児童ポルノ法は、平成11年に、児童に対する性的搾取や性的虐待から児童を守るために施行された法律で、平成16年に最初の改正がなされ、平成26年には、二度目の改正がなされました。
~児童ポルノ所持罪~
平成26年の改正で、単純な児童ポルノの所持が禁止されました。
これは、インターネットの普及、発達に伴って、簡単に児童ポルノを入手できるようになったのに伴い、世間で単純な児童ポルノ所持の規制を求める声が強まったからです。
単純な児童ポルノ所持罪で起訴されて有罪が確定した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
~児童ポルノとは~
児童ポルノ禁止法の「児童」とは18歳に満たない者で男女を問いません。
また「児童ポルノ」とは、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものだと定義されています。
◇児童ポルノ法の捜査◇
児童ポルノ法によって、単純な児童ポルノ所持が禁止された今でも、インターネット等を通じて児童ポルノを入手する事が可能です。
場合によっては、児童ポルノである認識なく、インターネットでダウンロードしたファイルに児童ポルノが含まれている可能性もあるので注意しなければなりません。
警察等の捜査機関は、インターネット上をパトロールしており、児童ポルノ関連サイトの閲覧履歴等から、児童ポルノを所持している可能性のある容疑者を割り出しています。
また数年前に、インターネットを利用して児童ポルノを販売していた業者が捜査当局の摘発を受け、そこで顧客名簿が警察に押収されたようです。
この顧客名簿に名前がある方のもとには、警察の捜索が入り、そこで違法な児童ポルノDVDが発見されて事件化されるケースも目立ちます。
◇警察の取調べ◇
児童ポルノの所持罪が成立するには、被疑者に、児童ポルノを所持している認識が必要です。
いわゆる「所持の故意」ですが、この故意が認められない場合は、児童ポルノを所持していても、児童ポルノ法でいう所持罪に抵触しない可能性があります。
そのため警察等の捜査当局は、立件するために、取調べにおいて、所持の故意を厳しく追及してきます。
そんな厳しい取調べに一人で立ち向かうことは非常に困難ですので、Aさんのように警察から厳しい取調べを受けている方は、早めに弁護士に相談することをお勧めします。