刑事事件の被害者との示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
窃盗事件や、暴行・傷害事件、盗撮や痴漢・強制わいせつ罪等の性犯罪など、被害者の存在する刑事事件を起こしてしまった方で、その後の刑事処分の軽減を求めている方は、被害者と「示談」することで、その後の刑事処分が軽減される可能性があります。
被害者との示談を希望している方は、刑事事件を専門に扱っている「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
示談に関する法律相談のご予約は
0120-631-881(24時間・年中無休)
までお気軽にお電話ください。
◇示談とは◇
刑事弁護活動の一つに被害者との示談交渉があります。
辞書等に記載されている示談の意味は「話し合いで解決すること、民事上の紛争を裁判によらずに当事者の間で解決すること」ですが、刑事事件の弁護活動における示談とは、主に、被害者等に対する謝罪の意思、被害者とへの被害弁償に関する内容、その他の条件を明確にし、その内容を示談書にまとめて約束することです。
示談は、民事上の問題だけでなく、刑事上でも、様々な段階で考慮されることがあります。本日は、刑事弁護活動において、示談が、どのような効果をもたらすかを解説します。
◇示談の効果◇
~捜査着手前~
警察などの捜査機関が事件を認知し、捜査に着手する前にも示談を成立させることができます。
捜査機関の認知のきかっけは、警察官の職務質問等によって捜査機関が独自に事件を認知する場合や、被害者の届出や告訴・告発によって認知する場合など様々です。
捜査機関が独自に事件を認知した場合は、当然のこと弁護士が介入して事件の認知を阻むことはできませんが、被害者の届出等による場合は、通常、犯罪発生から認知まである程度の日数がありますから、その間に示談交渉を行うことが可能といえます。
そして、示談を成立させることができれば、被害者等に被害届、告訴・告発状の提出を取り止めていただくことができるかもしれませんし、仮にそうなれば、捜査機関が事件を認知すること自体を阻止することができます。
~警察の捜査段階~
警察が捜査に着手した後も示談交渉を行うことは可能です。
示談を成立させることができれば、被害者らに被害届、告訴・告発状を取消していただくことができるかもしれません。
仮に、そうなれば、警察としては捜査を継続、あるいは検察庁へ事件を送致する必要がなくなりますから、事件不送致という結果を獲得できる可能性も高まります。
また、一部の事件では、示談や被害弁償をすれば警察の微罪処分となる可能性もあります。微罪処分となれば、事件自体は検察官へ「報告」されますが、刑事罰を受けることはありません。
~検察庁送致後~
検察庁へ事件送致後も示談交渉を行うことが可能です。
示談を成立させることができれば、被害者らに被害届、告訴・告発状を取消していただくことができるかもしれません。
また、検察官が起訴という刑事処分をするにあたって告訴を必要とする犯罪を親告罪(例:器物損壊罪(刑法261条)、過失傷害罪(刑法209条)、未成年者略取・誘拐罪(刑法224条)など)と言いますが、起訴前に告訴が取消されていれば、検察官は親告罪につき自動的に不起訴処分にせざるをえません。
また、親告罪以外の事件でも、示談は刑事処分を決める上で重要な考慮事情になります。示談が成立し、被害者の許しを得ていれば不起訴を獲得できる可能性は非常に高くなります。ただし、検察官が示談成立を待つ義務はありません。中には示談交渉中に略式罰金や起訴の決定をする検察官もいます。
~起訴後~
起訴され後の、刑事裁判の最中に示談が成立した場合でも、その示談が無意味となるわけではありません。
裁判官が量刑を決める上で重要な考慮事情になるのです。
起訴後に成立した示談であっても、その内容によっては、執行猶予判決を獲得できたり、刑の減軽につながります。
◇弁護士に示談交渉を依頼する際の注意点◇
~示談できない事件~
示談が可能な犯罪とは、示談交渉が可能な被害者が存在する犯罪です。
したがって、薬物事件等の被害者の存在しない事件では、そもそも示談という概念がありません。
~連絡先が入手できなければ終わり~
示談交渉は被害者側から連絡先を入手できてはじめてスタートできるものです。
しかし、被害者側が連絡先を教えることを拒否した場合は、示談交渉を行うことはできません。
~被害者感情に左右される~
示談交渉は相手方があってのことです。
したがって、相手方が示談に応じてくれなければ、弁護士がいくら努力しても示談を成立させることはできませんし、被害額が高額になる財産犯事件や、被害者が重度の後遺症を負った事件など難解な事件になればなるほど、被害者感情が強くなるので、示談が成立する可能性は低くなるでしょう。