【解決事例】初犯の万引き事件で裁判に

【解決事例】初犯の窃盗事件で裁判に

前科前歴がないいわゆる初犯の万引き事件であったにもかかわらず刑事裁判になったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都新宿区在住のAさんは、新宿区内の会社にて、非正規雇用で労働していました。
Aさんは借金を抱えていて、その借金を返済するため、新宿区内の玩具店で陳列された商品を繰り返し万引きし、被害品をインターネットオークションサイトやフリーマーケットアプリで転売していました。
事件当日も同様の目的で玩具店で万引きをしたところ、店員が万引き行為に気付き、警察署に通報しました。
通報を受けて臨場した新宿区内を管轄する新宿警察署の警察官は、Aさんを窃盗罪で逮捕しました。

逮捕された家族からの依頼を受けて初回接見を行った当事務所の弁護士は、Aさんに話を聞いたところ、転売目的での窃盗行為を認めた上で、余罪も複数件あり既に警察官に剝がされていることが分かりました。
その後に弁護の依頼を受けた弁護士は、繰り返し接見を行い、毎回の取調べで言われた内容を確認したうえで黙秘を含めたアドバイスをしました。
また、被害店舗に対しては弁護士が連絡を取り、謝罪と弁済を行いました。
最終的にAさんは複数の事件で起訴されましたが、実際に起こした事件に比べて(示談等の結果被害届が取下げる等して)少ない件数での起訴となり、裁判では執行猶予判決を獲得することが出来ました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【繰り返しの万引き】

今回のAさんは、万引きにより逮捕されています。
万引きで問題となる罪として、まずは窃盗罪が考えられます。
条文は以下のとおりです。

刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

棚に陳列された商品は「他人の財物」であり、それを清算せずに持ち去る行為は「窃取する」ことになるため、窃盗罪が適用されます。

次に、万引きを目的として玩具店に入店する行為は、建造物侵入罪に該当します。
条文は以下のとおりです。

刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物…に侵入し、…た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

玩具店で買い物をする(あるいは商品の購入を検討する)目的での入店は「正当な理由」に該当しますが、万引き目的での入店は「正当な理由」には当たらないため、建造物侵入罪の適用が考えられる、というものです。

【万引き事件で刑事裁判に】

万引きなど刑事事件を起こした者は、通常、検察官によって起訴するか不起訴にするかが決められます。
また、他のブログで紹介のとおり、略式手続による罰金刑・科料もあります。

通常、Aさんのように前科がない方が、比較的少額(とはいえ被害店舗のダメージは大きいものですが)の万引きをした場合、弁済の有無により、不起訴又は略式手続により罰金刑に処される場合が一般的です。
しかし、Aさんは繰り返し万引きをしていて、更にはその目的が転売であるという点で悪質性が高いと考えられる事件です。
この場合、不起訴や略式手続ではなく、正式な起訴をされ正式裁判になります。
被害金額・万引きの回数・その他の情状(被告人の反省の程度、弁済の有無)などによっては、かなり厳しい刑事罰に処せられる可能性があります。

東京都新宿区にて、家族が転売目的で万引きを繰り返し、逮捕・勾留されているという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
弁護士が初回接見サービス(有料)を行い、逮捕・勾留中の方からしっかりとお話を聞いた上で今後の見通しや再逮捕の可能性、刑罰の見通しなどについて丁寧にご説明致します。

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