・東京都渋谷区の公園で職務質問を受けた。所持品検査で上着から危険ドラッグが見つかり、警視庁原宿警察署で事情を聞かれた。
危険ドラッグから指定薬物が検出されれば逮捕されるかもしれない…
・指定薬物の含まれる危険ドラッグを吸引した。その後、池袋駅近くで交通事故を起こし、5人負傷させた。
警視庁池袋警察署に逮捕・勾留されている…
1 危険ドラッグ・脱法ドラッグとは?
近年、「危険ドラッグ」の所持や使用が問題となり、「危険ドラッグ」の使用者による犯罪等も多発しています。
「危険ドラッグ」との名称は、平成26年7月頃から使われています。
それ以前は、「脱法ドラッグ」や「脱法ハーブ」などとよばれていました。
そして「お香」や「合法ハーブ」などとして、実店舗やインターネットサイト上で販売されていました。
「危険ドラッグ」は「脱法ドラッグ」や「脱法ハーブ」と呼ばれていましたが、実際には違法な薬物が含まれているものも多く出回っています。
「危険ドラッグ」は、麻薬や覚せい剤等と似た成分が含まれ、意識障害、おう吐、けいれん、呼吸困難などの症状を引き起こす危険があります。
「危険ドラッグ」の種類は様々で、粉末や葉片、液体のものなどがあります。
2 危険ドラッグ・脱法ドラッグの刑罰
「危険ドラッグ」は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称「医療品医療機器等法」)によって、所持・使用等が禁止されています。
「医療品医療機器等法」は、従来危険ドラック等を規制していた「薬事法」が改正されたものです。
医療品医療機器等法は、指定薬物について、医療等の用途以外での製造、輸入、販売、授与、所持、購入、譲り受け、使用を禁止しています(医療品医療機器等法76条の4)。
これに違反した場合、3年以下の懲役、300万円以下の罰金、又はこれら両方の併科がされることとなります(医療品医療機器等法84条26号)。
業として、指定薬物の製造、輸入、販売、授与し、又は、所持(販売や授与をする目的で貯蔵し、陳列した場合に限る)した場合には、5年以下の懲役、500万円以下の罰金、又はこれら両方の併科がされることとなります(医療品医療機器等法83条の9)
また、医療品医療機器等法に基づき指定される指定薬物を輸入した場合、関税法によって、10年以下の懲役、3000万円以下の罰金、又はこれら両方の併科がされることになります(関税法109条第1項、69条の11第1項第1号の2)。
これは、危険ドラッグの乱用者による事故等の増加が社会問題となっていることから、平成27年4月1日より新たに禁止・罰則が追加されたものです。
危険ドラッグ事件のまとめ
行為 | 処罰・法定刑 |
指定薬物の 製造・輸入・販売・授与・所持・購入・譲受・使用(医療法医療機器等法84条26号) | 3年以下の懲役、300万円以下の罰金、又はこれら両方の併科 |
業として、指定薬物の 製造・輸入・販売・授与・所持(医療法医療機器等法83条の9) | 5年以下の懲役、500万円以下の罰金、又はこれら両方の併科 |
指定薬物の輸入(関税法109条第1項、69条の11第1項第1号の2) | 10年以下の懲役、3000万円以下の罰金、又はこれら両方の併科 |
危険ドラッグ事件・脱法ドラッグ事件の弁護活動
1 危険ドラッグ事件・脱法ドラッグ事件で不起訴処分・執行猶予
危険ドラッグ事件・脱法ドラッグ事件については、単純所持や使用等をして逮捕されるケースが非常に多いです。
危険ドラッグの使用等は、大麻や覚せい剤などの薬物犯罪の入口になってしまうという現状があります。
初犯の事件の場合、再発防止策を講じることで不起訴処分や執行猶予になる可能性はあります。
しかし、薬物の依存性が高いため、繰り返し薬物犯罪を起こしている場合には、厳しい判決が予想されます。
不起訴処分や執行猶予判決の獲得へ向け、被疑者・被告人本人の真摯な反省や薬物依存症への治療、家族などの監督環境を整える等して、社会の中で更生するべきであることを説得的に主張していきます。
一旦刑務所に入ってしまうと、刑期を終えた後の社会復帰に時間がかかることや、再就職が難しいなど不都合が生じます。
危険ドラッグ・脱法ドラッグ事件で逮捕された場合には、すぐに弁護士へご相談ください。
2 指定薬物が含まれていることの認識がなかったことの主張
危険ドラッグ事件・脱法ドラッグ事件は、故意犯です。
そのため、犯行当時それが違法な薬物であることの認識があったかどうかが重要なポイントになります。
指定薬物の存在に気づいていなかった・違法薬物であることを認識していなかったなどの事情を客観的な証拠に基づいて主張・立証します。こうした主張が認められた場合、不起訴処分や無罪判決を勝ち取ることができる可能性があります。
不起訴処分を受けると、前科が付きませんので、早期に社会復帰することができます。
3 危険ドラッグ事件・脱法ドラッグ事件で身柄拘束を解く
薬物事件の場合、逮捕から勾留、起訴、起訴後勾留と身柄拘束が長期化しやすいといえます。
それは、犯罪の客観的な証拠があり、薬物の入手ルートの捜査や、共犯者などについて証拠隠滅をしやすいことなどが理由となります。
しかし、長期の身柄拘束は、その後の社会復帰にも悪影響を及ぼします。
刑事事件・少年事件の経験豊富な弁護士は、逮捕・勾留段階から不服申し立てを行います。
成人事件の場合、起訴後には、保釈請求をするなど早期に身柄拘束を解くための弁護活動を行います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部では、危険ドラッグ事件・脱法ドラッグ事件の経験豊富な弁護士による最善のアドバイスを受けることができます。
刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士が、直接「無料相談」を行います。
被疑者が逮捕された事件の場合、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。