あおり運転が刑事事件化

あおり運転が刑事事件化された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

2年前に起こった「東名高速道夫婦死亡事故」以来、あおり運転が社会問題となり、警察等の捜査当局は「あおり運転」の取締りを強化しています。
通常のあおり運転は、道路交通法の車間距離保持義務違反での摘発を受けますが、昨年の摘発件数は、全国で1万3000件と、前年度の1.8倍にも及んだようです。
また、悪質なあおり運転刑事事件化されるケースは全国的で後を絶たず、つい最近も常磐自動車道におけるあおり運転事件が世間を騒がせました。
そこで本日は、東京の刑事事件に強い弁護士が、あおり運転が刑事事件化された場合の適用罪名について解説します。

◇暴行罪◇

あおり運転が社会問題化されて、警察庁は、全国の警察に対して、道路交通法違反だけでなくあらゆる法令を適用して、あおり運転の取締りを強化するよう指示しました。
そんな中、あおり運転が刑事事件化された際に適用される可能性が最も高いのが「暴行罪」です。
暴行罪は、刑法第208条に定められた犯罪で、その法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。
暴行罪でいう「暴行」の行為とは、代表的なもので、殴る、蹴る、突く、投げ飛ばす等、身体に対する物理的な有形力の行使ですが、直接的に身体に触れなくても、相手の五官に直接間接に作用して不快ないし苦痛を与える性質のものであれば暴行罪でいう「暴行」行為に該当する可能性があります。
走行中の車に急接近したり、走行中の車の前方で急ブレーキを踏んで衝突させようとする行為は、ドライバーの感情的に「接触するかも」という恐怖を感じるもので、暴行罪の暴行行為に当たる可能性は極めて高いでしょう。

◇危険運転致死傷罪◇

あおり運転が社会問題化される原因となった「東名高速道夫婦死亡事故」は、危険運転致死傷罪が適用され、第一審では有罪判決(懲役18年)が言い渡されています。※被告人の控訴中
危険運転致死傷罪とは、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条に規定されている犯罪です。
通常の交通(人身)事故は、過失運転致死傷罪が適用されますが、故意の危険運転によって交通事故を起こし、被害者を死傷させた場合は罰則規定の厳しい危険運転致死傷罪が適用されることとなります。
危険運転致死傷罪の法定刑は、被害者が死亡した場合「1年以上の有期懲役」で、被害者が傷害の場合「15年以下の懲役」ですので、過失運転致死傷罪の法定刑が「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」であるのと比べると、非常に厳しいのが分かります。

◇殺人罪◇

昨年7月に大阪府堺市で起こった、あおり運転による交通死亡事故には「殺人罪」が適用されています。
殺人罪は、殺意(故意)をもって人を死に至らしめることで、その手段・方法に制限はありません。
殺人罪は、人の命を奪うという結果の重大性から、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役と、非常に厳しい法定刑が定められています。
この事件では、あおり運転から逃げるために、加速して走行する被害者(バイク)を、被告人(車)が加速して追随し、衝突の直前に、急ブレーキや急ハンドルといった衝突を回避するための行動をとらずに衝突していることや、衝突後も、すぐに停止することなく数秒間走行を続け、その後「はい、終わりー」とつぶやいていることから、被告人が、衝突すればバイクが転倒し、それによって運転手が死亡する危険性があることは十分に認識できたにもかかわらず、故意的に車を衝突させて被害者を死亡させたとして、未必の故意による殺人罪が認定されました。
この事件では、第一審で「懲役16年」の有罪判決が言い渡されて、被告人が控訴していましたが、つい先日、被告人の控訴は破棄されています。

◇強要罪◇

最近世間を騒がせた常磐自動車道におけるあおり運転事件では、走行中の車の前で急停車した車の運転手が「強要罪」で逮捕されています。
あおり運転で「強要罪」が適用されたのは全国で初めてではないでしょうか。
強要罪とは、刑法第223条に規定された犯罪です。
その内容は「 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害する」ことで、法定刑は「3年以下の懲役」です。
前述したように、これまであおり運転については「暴行罪」が適用されるケースがほとんどでしたが、今回は、その暴行行為によって、被害者が、義務のない停止行為を強いられたとして強要罪が適用されたのでしょう。
強要罪の法定刑は、暴行罪に比べると厳しく罰金刑の規定もありません。

2年ほど前から取締りが強化されているにもかかわらず、あおり運転による事件が後を絶ちません。現在はあおり運転自体を禁止する法律が存在しないために、状況に応じて様々な法律が適用されていますが、新たにあおり運転を規制するための法律を新設する動きもあります。

東京都内の刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」では、東京都内で起こったあおり運転の刑事事件に関する法律相談を無料で受け付けております。
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