荒川区の薬物事件 覚せい剤使用で逮捕されるまで

覚せい剤の使用容疑で警察に逮捕されるまでについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

無職のAさんは、これまで二度覚せい剤の使用事件で警察に逮捕された歴があります。
一週間ほど前に、酔っ払って路上で寝ていたところを警察官に起こされたAさんは、覚せい剤使用の前科があることから、警察官に任意採尿を求められました。
その後、警視庁荒川警察署任意採尿に応じたAさんは、その後帰宅する事ができましたが、一週間ほど前覚せい剤を使用していたAさんは、警察に逮捕されるのではないかと不安です。(フィクションです。)

覚せい剤取締法で覚せい剤の使用が禁止されています。
日本の警察では覚せい剤の使用を、尿の鑑定で立証しますが、本日は、採尿されて逮捕までの流れを解説します。

◇採尿◇

警察は、覚せい剤の使用が疑われる者の尿を押収します。
この手続きを「採尿」といいますが、採尿には ①任意採尿  ②強制採尿 の2種類が存在します。

①任意採尿

警察官は覚せい剤の使用が疑われる者に対して任意採尿を求めることができます。
当然、任意ですので断ることもできますが、断っても警察官は食い下がってくるので、任意採尿に応じる意志がない時はキッパリと拒否し、できればその状況をスマートフォン等で記録する事をお勧めします。

②強制採尿

任意採尿を拒否した者が、警察官からして、覚せい剤を使用している疑いがある場合は、裁判官の発付する捜索差押許可状をもって強制採尿される可能性があります。
裁判所までの距離等にもよりますが、最初に任意採尿を求められて2時間~3時間で許可状が発付されることもあり、この許可状を示されたら、強制的に病院まで連行されて採尿されることになります。

◇逮捕まで◇

採尿後に覚せい剤の使用で警察に逮捕されるパターンは ①緊急逮捕  ②通常逮捕 の2つがあります。

①緊急逮捕

採尿後、緊急性のある場合は、科学捜査研究所の鑑定を待たずして、警察署に設置された専用の機械や、キットを用いて、尿に覚せい剤成分が含まれているか否が簡易鑑定されます。
簡易鑑定するか否かは警察官が判断するようで、法律的に明確な基準があるわけではありませんが、強制採尿で尿を採られた方は、簡易鑑定される確率が高いようです。
そして簡易鑑定で、陽性反応が出た場合は、緊急逮捕される事となります。
ただ、この簡易鑑定に立ち会う必要はなく、警察官からは簡易鑑定に立ち会う様に指示されますが、これに従う必要はありません。

また簡易鑑定の結果については ⅰ)陽性 ⅱ)陰性 ⅲ)擬陽性 の3種類があります。
ⅰ)陽性は、明らかに尿から覚せい剤成分が検出された場合の鑑定結果で、逆にⅱ)陰性は、尿から覚せい剤成分が検出されなかった場合の鑑定結果です。
ⅲ)擬陽性については、微量の覚せい剤成分や、覚せい剤に類似した成分が検出された場合の鑑定結果で、擬陽性の場合は、緊急逮捕されることはな、科学捜査研究所での、より厳格な鑑定(本鑑定)の結果によって尿中の覚せい剤成分の有無が調べられます。

②通常逮捕

採尿後、簡易鑑定が行われなかった場合は、採取された尿が科学捜査研究所に持ち込まれ、そこで鑑定されることになります。
採尿したその日に科学捜査研究所での鑑定結果が出ることは珍しく、採尿から数日後~数週間して鑑定結果で出るようですが、陽性、陰性問わず、鑑定結果が、警察から本人に伝えられる可能性は非常に低いです。
そしてこの鑑定で陽性反応が出た場合は、鑑定書が作成され、この鑑定書を基に裁判官の逮捕状が発付され、通常逮捕される事になります。
この様なケースでは、採尿から逮捕まで、早い人で数日~1週間、遅い人は数ヶ月経過して逮捕される人もいます。

覚せい剤の使用事件の法定刑は10年以下の懲役です。
罰金刑の規定がなく、再犯の場合は、執行猶予付きの判決を得るのが難しいとされていますので、薬物の使用事件でお困りの方や、覚せい剤を使用して警察に採尿されてしまった方は、刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。

 

覚せい剤を使用して警視庁荒川警察署で採尿された方、ご家族、ご友人が覚せい剤を使用して警察に逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部の刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
初回法律相談:無料

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