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【報道事例】介護施設の入居者を脅して暴行を加えて怪我を負わせたとして脅迫罪と傷害罪の疑いで男性を逮捕

2023-11-03
介護施設 脅迫罪 傷害罪

【報道事例】介護施設の入居者を脅して暴行を加えて怪我を負わせたとして脅迫罪と傷害罪の疑いで男性を逮捕

今回は、東京都八王子市内の介護施設で起きた脅迫・傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

東京都八王子市の介護施設で入所者に「殺してもいいんだぞ」と暴言を吐き、胸を蹴るなどしてけがをさせたとして、警視庁八王子署は2日までに、傷害脅迫の疑いで、介護職員の男性A(29)を逮捕した。

Aは、「入居者の中で最も扱いにくい人だった」などと話し、容疑を認めている。

逮捕容疑は10月2日夜、八王子市の介護施設内で、入所する女性V(90代)に「殺してもいいんだぞ」「死んじまえ」などと暴言を浴びせ頭をたたいたり、胸を蹴ったりして胸部打撲など1週間のけがをさせた疑い。

(中略)

Vが「胸が痛い」と訴え、別の職員が個室内の防犯カメラを確認したところ、Aの暴行や暴言が発覚した。
(※11/2に『時事通信ニュース』で配信された「入所者蹴り「殺してもいいんだぞ」=傷害容疑で介護職員逮捕―警視庁」記事の一部を変更して引用しています。)

【Aに問われている罪】

今回の事例では、Aは脅迫罪傷害罪の疑いで逮捕されています。
それでは、それぞれの罪についてみていきましょう。

【脅迫罪とは】

まず、脅迫罪については、刑法第222条で以下のように規定されています。

  • 刑法第222条(脅迫)
    生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

脅迫罪は、「生命、身体、自由、名誉、財産」に対して「害を加える旨を告知」して「人を脅迫した」場合に成立します。
脅迫」が認められる程度としては、客観的に相手が畏怖する程度の害悪の告知であることが必要とされています。

今回の事例で考えると、AはVに対し「殺してもいいんだぞ」といった言葉を浴びせています。
「殺す」といった内容の言葉は、脅迫罪における生命に対する害悪の告知」に該当し、客観的にVが畏怖すると考えられるため、Aに脅迫罪が成立すると考えられます。

【傷害罪とは】

次に、傷害罪については、刑法第204条で以下のように規定されています。

  • 刑法第204条(傷害)
    身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪は、「身体を傷害した」場合に成立します。
つまり、相手に暴行などを加えて怪我を負わせた場合に、傷害罪が成立するということです。

相手に暴行を加えたけど怪我を負わせていない場合は、刑法第208条で規定されている暴行罪が成立します。

今回の事例で考えると、AはVに対して、頭を叩いたり胸を蹴ったりするなどの暴行を加え、Vは胸部打撲などの怪我を負っているため、Aに傷害罪が成立するということになります。

【2つの犯罪が成立した場合の処罰】

今回、Aは脅迫罪と傷害罪の2つの罪の疑いで逮捕されています。
このように、確定裁判を経ていない2つ以上の罪は併合罪として扱われ、処罰内容が異なります。

併合罪の場合の処罰内容については、刑法第47条と48条で以下のように規定されています。

  • 刑法第47条(有期の懲役及び禁錮の加重)
    併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。
  • 刑法第48条(罰金の併科等)
    罰金と他の刑とは、併科する。ただし、第四十六条第一項の場合は、この限りでない。
     併合罪のうちの二個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断する。

Aに成立している脅迫罪は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」傷害罪は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と規定されています。
これらが併合罪となった場合の処罰内容は、上記条文に当てはめて算出すると、17年以下の懲役又は80万円以下の罰金で処罰される可能性があるということになります。

このように、2つ以上の罪を犯してしまうと処罰内容が変わってくるため、自分で判断することが難しいです。
なので、複数の罪を犯して事件を起こしてしまった場合は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、複数の罪を犯した刑事事件の弁護活動を担当した実績を多数持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。

東京都八王子市内で刑事事件を起こしてしまった方やご家族が逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にて、お電話をお待ちしております。

【事例解説】ハロウィンで警察官のコスプレをすると犯罪に該当する?コスプレで該当するおそれのある犯罪

2023-10-31
警察官 軽犯罪法

【事例解説】ハロウィンで警察官のコスプレをすると犯罪に該当する?コスプレで該当するおそれのある犯罪

ハロウィンは、今や日本でも毎年盛り上がりを見せている大きなイベントとなっています。
そんなハロウィンを楽しむ際にコスプレをして街に出るという方も多いのではないでしょうか。

しかし、コスプレは場合によっては犯罪に該当してしまうおそれがあります。
そこで、今回は、コスプレで該当するおそれのある犯罪について、事例をもとに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

ハロウィンの日に、友達と東京都渋谷区にコスプレをして遊びに行くことになったA(21歳)は、警察官のコスプレをすることにしました。
Aが、周囲の人が勘違いしてまうほど本物の警察官の制服にそっくりの衣装を着て街を歩いていると、巡回中だった警視庁渋谷警察署の警察官から声をかけられました。

この場合、Aに犯罪は成立するのでしょうか。
(※この事例は全てフィクションです。)

【警察官のコスプレが犯罪に該当する?】

結論から言うと、今回Aがした本物そっくりの警察官のコスプレは、軽犯罪法第1条第15号に該当するおそれがあります。

軽犯罪法第1条第15号については、以下のように規定されています。

  • 軽犯罪法第1条
    左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

    十五 官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作つた物を用いた者

つまり、実際には資格がないにもかかわらず、本物の警察官や消防士などにそっくりな制服を着ていた場合、軽犯罪法第1条第15号に該当するおそれがあるということです。
これは、周囲の人が本物の警察官だと勘違いしてしまった場合、混乱を引き起こすおそれがあるため規定されている内容となっています。

今回のAが着用した警察官のコスプレも、周囲の人が勘違いするほど本物の警察官に似ている制服だったため、軽犯罪法第1条第15号に該当するおそれがあります。

ただ、今回の事例のような内容で実際に逮捕されたという事例はほとんどなく、詐欺罪などの他の犯罪で警察官に装うといった場合でなければ、逮捕される可能性は低く、警察官から口頭で注意される程度で済むことが多いです。

【ハロウィンで刑事事件を起こしてしまった方は弁護士へ】

今回の事例のようなコスプレで刑事事件に発展する可能性は低いですが、ハロウィンでは他の犯罪による刑事事件が起こる可能性があります。
喧嘩による暴行罪・傷害罪などの刑事事件や、痴漢や不同意わいせつ罪などの性犯罪事件を起こしてしまうと、逮捕されてしまう可能性も十分にあります。

ハロウィンで刑事事件を起こしてしまったという方や、ご家族がハロウィンの際に刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件で弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまった場合は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

初回無料の法律相談や、すでに逮捕されてしまっている場合は最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービスを提供していますので、ご依頼の際は24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までご連絡ください。

弁護士足立直矢が取材を受けました

2023-10-30

弁護士足立直矢が取材を受けました

当事務所に所属している足立直矢弁護士が取材を受け、その内容が10月29日に放送された『TBSラジオ安住紳一郎の日曜天国』のニュースコーナーで紹介されました。

70代の女性が戸籍を偽装取得したという事案について、見解を示しています。
全国のラジオ番組を視聴できる『radiko』のタイムフリー機能にて視聴可能なので、気になる方はぜひお聞きください。

【報道事例】路上で女性の首を絞めてバッグを奪ったとして男性を強盗致傷罪の疑いで逮捕

2023-10-28
強盗致傷罪

【報道事例】路上で女性の首を絞めてバッグを奪ったとして男性を強盗致傷罪の疑いで逮捕

今回は、東京都葛飾区で起きた強盗致傷事件をもとに、強盗致傷罪が成立する要件や罰則強盗致傷罪も対象となる裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

東京・葛飾区の路上で面識のない女性の首を絞めて気を失わせ、現金が入ったバッグを奪ったなどとして、会社員の男性A(21)が逮捕されました。

Aは9月18日深夜、東京・葛飾区の路上で帰宅途中の女性V(20代)の首を後ろから絞めて気を失わせ、現金約1万8000円の入ったバッグを奪ったなどの疑いが持たれています。

警視庁によりますと、Aは気絶したVを数十メートル離れた公園まで引きずっていて、Vはかかとを擦りむくなどのけがをしました。

Aは現場から自転車で逃走しましたが、防犯カメラなどの捜査で逮捕に至りました。
Aは、「バッグの中から現金を抜いた」と容疑を認めています。
(※10/26に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「帰宅途中の女性の首絞めバッグ奪ったか 21歳会社員の男を逮捕 東京・葛飾区」記事の一部を変更して引用しています。)

【強盗致傷罪とは】

事例ではAを逮捕した罪名は記載されていませんが、今回のAの行為は強盗致傷罪が成立する可能性が高いです。

強盗致傷罪については、刑法第240条で以下のように規定されています。

  • 刑法第240条(強盗致死傷)
    強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

強盗致傷罪の主体は強盗となっているため、すでに強盗罪が成立している人にのみ成立する犯罪になります。
強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者が該当します。(刑法第236条)

今回の事例で考えると、AはVの首を絞めてバッグを盗んでいます。
AがVの首を絞めた行為は「暴行」バッグを盗んだ行為は「他人の財物を強取した」に該当するため、Aには強盗罪が成立していると考えられます。

強盗致傷罪は、刑法第240条の前段で規定されているように、強盗が「人を負傷させた」場合に成立します。
Vは、Aから首を絞められて気絶した後に引きずられて怪我を負っているため、今回のAの行為は強盗致傷罪が成立する可能性が高いと考えられます。

【強盗致傷罪は裁判員裁判の対象になる?】

結論から言うと、強盗致傷罪は裁判員裁判の対象になります。

そもそも、裁判員裁判とは、通常の刑事事件の裁判と異なり、無作為に選ばれた国民(有権者)が裁判員となって、裁判官と一緒に審理を行う裁判を指します。
裁判員裁判の対象となる事件については、裁判員法(正式名称:裁判員の参加する刑事裁判に関する法律)第2条で以下のように規定されています。

  • 裁判員法第2条(対象事件及び合議体の構成)
    地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条又は第3条の2の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第26条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
    一 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
    二 裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)
    (以下省略)

強盗致傷罪の罰則は無期又は6年以上の懲役であり、裁判員法第2条1項1号に該当するため、裁判員裁判の対象となるということです。

裁判員裁判では、通常の裁判と異なる手続きが取られるため、弁護士に刑事弁護活動を依頼する際は、どのような弁護士を選ぶかが重要なポイントになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とした法律事務所であり、裁判員裁判の弁護を担当した実績も持っています。
裁判員裁判について詳しく、経験も豊富な弁護士が多数在籍していますので、ご家族が強盗致傷事件を起こしてしまったという方は、まずは弊所までご相談ください。

東京都で刑事事件を起こしてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所新宿支部・八王子支部にて相談を承っております。
ご相談は予約が必要になりますので、ご予約の際は24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までご連絡ください。

【事例解説】他人が置き忘れられた財布を盗る行為で成立する罪は窃盗罪?占有離脱物横領罪?

2023-10-25

【事例解説】他人が置き忘れられた財布を盗る行為で成立する罪は窃盗罪?占有離脱物横領罪?

他人が置き忘れたものを取った場合、成立する罪は窃盗罪占有離脱物横領罪のどちらが成立するかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説致します。

【事例】

ある日の昼下がり、Aが東京都世田谷区の公園のベンチで休憩していたところ、向かいのベンチに座っていたVが財布を置き忘れていったことに気付きました。
そこで、Aはベンチに2分ほど座ったままVが戻ってこないことを確認し、Vが置き忘れた財布を持ち去りました

Aの行為には、どのような罪が成立するのでしょうか。
(※この事例は全てフィクションです。)

【Aに成立する可能性がある罪】

結論から言うと、本事例においてAには窃盗罪占有離脱物横領罪のどちらかが成立する可能性があります。
窃盗罪については刑法第235条、占有離脱物横領罪については刑法第254条で以下のように規定されています。

  • 刑法第235条(窃盗)
    他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
  • 刑法第254条(遺失物等横領)
    遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

窃盗罪と占有離脱物横領罪の違いは、簡潔に言えば「被害者の占有があったかどうか」です。

窃盗罪は、「人の財物を窃取した者」と規定しています。
ここにいう「窃取」とは、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して、その占有を侵害し自己又は第三者の占有に移転させることと解されています。

これに対して占有離脱物横領罪は占有を離れた他人の物」と規定しています。
又、どちらも他人の物を自己の占有に移すという点では共通していますから、被害者による占有が失われていれば占有離脱物横領罪失われていなければ窃盗罪が成立することになるわけです。

【占有とは】

刑法上、占有とは「財物に対する事実上の支配であると解されています。

占有といった場合に物の現実の握持まで要求すると、例えば家の前の自転車や、タンスの中の現金にも占有が及ばないということになってしまい、不都合だからです。
そこで、占有の存否は、客観的な財物の支配主観的な財物に対する占有の意思を総合的に判断することになります。

では、本件ではどのような判断がなされるでしょうか。
最高裁判所の判例には、公園のベンチに置き忘れられたポシェットを領得した行為は、被害者がベンチから約27メートルしか離れていない場所まで歩いて行った時点で行われたことなどの事実関係の下では、窃盗罪に当たると判示した事例があります。

本件についても、2分程度であれば距離としてもそれほど遠くはありませんから、未だに支配意志があるといえ、占有を肯定することができると判断される可能性があります。
Vの占有が肯定されれば、今回の事例は上記の判例に類似する事案であると言えますから、Aには占有離脱物横領罪ではなく窃盗罪が成立することになると考えられます。

【窃盗罪で逮捕されてしまったら】

窃盗事件の場合、被害額が小さかったり、初犯であったりする場合には、その後の交渉次第で不起訴になることがあります。
不起訴の可能性を少しでも高めるために、逮捕後にできる活動として、被害者との示談が重要なポイントになります。
被害弁償をして被害者に謝罪をした上で示談を成立させることができた場合、起訴前であれば起訴猶予などの不起訴処分となる可能性が上がります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件の豊富な弁護経験を持つ、刑事事件少年事件に特化した法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と交渉を行うことで、不起訴処分、罰金刑、執行猶予付判決などより軽い処分にできる可能性がございます。

特に起訴前に示談が成立すれば不起訴処分となり前科を回避することができるかもしれませんので、東京都内で窃盗事件を起こしてしまった場合は、まずは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
ご連絡は、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にてお待ちしております。

【事例解説】覚醒剤を営利目的で密輸すると成立する罪は?逮捕される可能性と逮捕後の流れ

2023-10-22

【事例解説】覚醒剤を営利目的で密輸すると成立する罪は?逮捕される可能性と逮捕後の流れ

覚醒剤を密輸した場合、どのような問題が生じるかについて、あいち刑事事件総合法律
事務所が解説いたします。

【事例】

外国から覚醒剤約2キロを営利目的で密輸したとして、東京都新宿区に住むAさんは覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで逮捕されました。
(※事例はフィクションです)

【覚醒剤を密輸するとどうなる?】

覚醒剤の輸出入については、覚醒剤取締法第13条で以下のように規定されています。

  • 覚醒剤取締法第13条(輸入及び輸出の禁止)
    何人も、覚醒剤を輸入し、又は輸出してはならない。

条文で規定されているように、覚醒剤の輸入及び輸出は全面的に禁止されています。
これは、自国ないし輸出先の国において、覚醒剤濫用の危険が生じ、又は保健衛生上の危害が生じることを防ぐためです。
覚醒剤を輸入し、覚醒剤取締法違反が成立した場合の処罰内容は、覚醒剤取締法第41条で以下のように規定されています。

  • 覚醒剤取締法第41条(刑罰)
    覚醒剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第四十一条の五第一項第二号に該当する者を除く。)は、一年以上の有期懲役に処する。

     営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは三年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは三年以上の懲役及び一千万円以下の罰金に処する。

     前二項の未遂罪は、罰する。

第2項により営利目的が重く処罰される理由としては、所持・使用よりも営利目的の場合の方が薬物が社会に蔓延する危険性が高いからです。

今回の事例では、Aさんは営利目的で覚醒剤を輸入したとして、覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されています。
営利目的による覚醒剤輸入であるため、Aさんには無期若しくは三年以上の懲役に処される可能性があるということになります。

【覚醒剤取締法違反で逮捕される可能性は?】

警察が被疑者を逮捕する事件の多くは、罪を犯した疑いのある人が証拠を隠滅したり、逃亡する恐れがあったりする場合です。
上記のような逮捕するかどうかについての判断は、刑事訴訟法第60条第1項の規定をもとに考慮されます。

  • 刑事訴訟法第60条
    裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
     被告人が定まつた住居を有しないとき。
     被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
     被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

上記条文は勾留についての規定ですが、逮捕をするかどうかもこの事情を考慮して決せられます。

今回のような覚醒剤事犯などの薬物事件は、トイレに流したり、隠したりといった方法により証拠となる覚醒剤などを簡易かつ迅速に処分できてしまうため、その証拠の隠滅がされるおそれが高いと判断され、早いうちに逮捕に踏み切られる可能性があります。

したがって、逮捕される場合が非常に多く、それに引き続く勾留も長期化することが一般的です。
そして、身柄拘束が長期化した場合、職場や学校に出席できず、日常生活に支障がでたり、逮捕されたことが職場等に発覚すれば、退職に追い込まれたりすることが考えられます。
また、事件が報道されれば社会的信用を失い、社会復帰が困難になる可能性もあります。

【覚醒剤取締法違反で逮捕されてしまったら】

ご自身で覚醒剤取締法違反による薬物事件を起こしてしまったり、ご家族が逮捕されてしまった場合、できるだけ早期に刑事事件に精通した弁護士に相談することをお勧めします。

覚醒剤取締法違反による逮捕の場合には、身柄拘束が長期化する場合が多いです。
弁護士に相談して刑事弁護活動を依頼することで、早期の身柄解放不起訴処分執行猶予付き判決減刑を獲得できる可能性が高まります。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が覚醒剤取締法違反について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件に強い事務所であり、今回のような事例に対しても豊富な弁護経験があります。

東京都及び周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。

初回無料の法律相談や、最短当日に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)をご希望の方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル0120-631ー881でご予約を承っておりますので、ご連絡をお待ちしております。

【報道事例】実母の遺体を高齢者施設に遺棄したとして死体遺棄罪の疑いで緊急逮捕|死体遺棄罪の要件や逮捕後の流れ

2023-10-19

【報道事例】実母の遺体を高齢者施設に遺棄したとして死体遺棄罪の疑いで緊急逮捕|死体遺棄罪の要件や逮捕後の流れ

今回は、山梨県で起きた死体遺棄事件をもとに、死体遺棄罪が成立する要件や罰則、逮捕後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

山形県鶴岡市の高齢者施設の敷地内に母親の遺体を遺棄したとして、東京都の会社役員の男が逮捕されました。

男は、警察署に出頭し、犯行の事実を話したということです。
死体遺棄の容疑で緊急逮捕されたのは、東京都千代田区の会社役員A(40)です。

警察によりますと、Aは、17日から18日までの間に、実の母親V(76)の遺体を、自らが経営する鶴岡市内の高齢者施設の敷地内に遺棄した疑いが持たれています。

Aは、19日未明、親族に一緒に鶴岡警察署に出頭し、Vを遺棄したなどと話したということです。
そして警察で高齢者施設を捜索したところ、Vの遺体を発見し、午前9時過ぎ、Aをその場で緊急逮捕しました。

Vの遺体は衣服を身につけていて、顔は判別できる状態だったということです。
Aは、死体遺棄については容疑を認めています。
(※10/19に『Yahoo!JANAPNニュース』で配信された「経営する高齢者施設に実母(76)の遺体を遺棄 東京都の男(40)を緊急逮捕 親族に伴われ出頭 容疑認める」記事の一部を変更して引用しています。)

【死体遺棄罪とは】

死体遺棄罪は、日本の刑法第190条によって以下のように規定されています。

  • 刑法第190条(死体損壊等)
    死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

「死体」とは、文字通り死亡した人の身体を指し、人の形体を有するもの、例えば死胎も含まれます。

「遺棄」とは、通常の埋葬と認められない方法で死体等を放棄する行為を指します。
この点は特に注意が必要で、例えば遺体を発見したが適切な処理をしなかった場合、不真正不作為犯としての「遺棄」が成立する可能性があります。

死体遺棄罪の罰則に罰金刑はなく、3年以下の懲役刑でのみ処罰されます。

【緊急逮捕とは】

今回の事例では、Aは緊急逮捕されています。
逮捕には、大きく通常逮捕現行犯逮捕緊急逮捕の3つに分けられ、それぞれ手続きが少し異なります。
今回は、緊急逮捕について解説します。

緊急逮捕は、特定の重大な犯罪に対する嫌疑が高く急速な対応が必要で、裁判官に対して逮捕状を請求する時間がない場合に行われる逮捕手続きです。

緊急逮捕には、刑事訴訟法第210条に基づく厳格な要件があり、逮捕後には速やかに逮捕状の請求手続きを行う必要があります。

  • 刑事訴訟法第210条
    検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。
    この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない

緊急逮捕は、死刑無期懲役、または3年以上の懲役または禁錮に該当する罪に対する嫌疑がある場合に適用されます。
死体遺棄罪の罰則として規定されている3年以下の懲役は3年以上の懲役に含まれ、警察がVの遺体を発見し逮捕状を請求する時間もなかったことから、Aは緊急逮捕されたと考えられます。

【死体遺棄罪で逮捕された後の流れ】

死体遺棄罪で逮捕されると、被疑者として扱われ、まず警察で取調べを受けることになります。
逮捕後48時間以内に、被疑者の身柄が警察から検察庁に送致され、次に検察官が取調べを行い、被疑者を起訴するか否かを決定します。

検察庁に身柄を送致されて24時間以内に、検察官は今後の取調べでも引き続き被疑者の身柄を拘束しておく必要があるか判断し、裁判所に対して勾留請求するかを判断します。
勾留請求が行われ、裁判所が勾留請求を認めると、勾留となり最大20日間身柄が拘束されることになります。

検察官が起訴を決定した場合、死体遺棄罪には罰金刑がないため、公判請求されることになり、刑事裁判が開始されます。
一方、検察官が起訴を見送った場合、被疑者は不起訴となり、裁判は開かれず、刑事処分も科せられません。

日本の刑事裁判では、有罪率が非常に高く、一度起訴されると有罪になる可能性が高いです。

勾留による身柄拘束を避けたい起訴を免れたい執行猶予や少しでも軽い判決を獲得したい場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件で弁護活動を担当した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
ご家族が東京都内で死体遺棄罪で逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

弁護士より弁護活動の詳細について丁寧にご説明いたします。
ご相談にはご予約が必要になりますので、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて、ご連絡をお待ちしております。

【報道事例】峠道で暴走行為を繰り返したとして男性らを道路交通法違反(共同危険行為)の疑いで逮捕

2023-10-16

【報道事例】峠道で暴走行為を繰り返したとして男性らを道路交通法違反(共同危険行為)の疑いで逮捕

道路交通法違反の中でも、車やバイクなどでの暴走行為を指す共同危険行為は特に重要な問題です。
そこで、本記事では、実際に共同危険行為による道路交通法違反で逮捕された事例をもとに、共同危険行為の定義や刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が詳しく解説します。

【事例】

山梨県小菅村の県道でドリフトや並走などの暴走行為を繰り返したとして埼玉県などの20代の男4人が逮捕されました。

道路交通法違反(共同危険行為等の禁止)の疑いなどで逮捕されたのは、埼玉県の会社員男性A(25)、茨城県の大学生男性B(22)、千葉県の大学生男性C(20)、東京都の会社員男性D(25)です。

警察によりますとAら3人は今年7月の午前1時ごろ、小菅村の県道上野原丹波山線、通称・鶴峠を乗用車3台でドリフトや並走などを繰り返して一般車両の通行を妨害し、Dは乗用車をAに提供した疑いがもたれています。

地元住民や通行人からの情報提供などをもとに捜査し、4人を特定したということです。

4人は県道のおよそ1キロの区間を1時間半にわたり、並走や法定速度を30キロ上回る時速60キロで10往復以上走っていたということです。

調べに対し4人は容疑を認めていて、警察は山道を車でドリフトするなど暴走するローリング族の仲間同士とみて詳しい動機などを調べています。
(※10/16に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「東京隣接の峠道の県道でドリフトなど暴走行為の疑い “ローリング族”4人を逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)

【共同危険行為とは】

共同危険行為については、道路交通法第68条で以下のように規定されています。

  • 道路交通法第68条(共同危険行為等の禁止)
    二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。

共同危険行為は、2人以上の自動車(オートバイを含む)または原動機付自転車の運転者が、2台以上の車両を連ねて通行または並進させ、交通の危険を生じさせたり他人に迷惑が及ぶ行為を指します。

具体的には、運転者同士が協力して高速で走行したり、危険な運転を行ったりすることが該当します。
このような行為は、他の道路利用者に対しても大きな危険をもたらすため、共同危険行為等禁止違反として道路交通法違反が成立します。

2004年の道路交通法の改正により、被害者がいなくても処罰の対象となるようになりました。
これは、暴走族などの不正行為を抑制するための措置です。

【共同危険行為による道路交通法違反の罰則】

共同危険行為による道路交通法違反の罰則については、道路交通法第117条の3で以下のように規定されています。

  • 道路交通法第117条の3
    第六十八条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

条文に規定されているように、共同危険行為による道路交通法違反は、2年以下の懲役または50万円以下の罰金刑で処罰されます。

【道路交通法違反(共同危険行為)事件を起こしてしまったら】

道路交通法違反事件を起こしてしまうと、逮捕される可能性があります。
逮捕されてしまい、検察官から勾留請求されて勾留が決定すると、最大で20日間身柄が拘束されるおそれがあります。

長期の身柄拘束は、仕事や学校、家族にも影響を及ぼすこともあるため、早期に釈放されるためには、逮捕後の勾留を阻止することが重要です。
弁護士に刑事弁護活動を依頼すると、弁護士が検察官や裁判官に勾留の必要性がないことを主張するなどの早期釈放に向けた弁護活動を行います。

また、公判請求されてしまい、公判が開かれることになった場合は、弁護士が執行猶予付き判決減刑判決の獲得を目指すための弁護活動に尽力してくれます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、道路交通法違反事件による刑事事件の弁護活動を多数担当した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
東京都内で道路交通法違反事件を起こしてしまった方や、ご家族が道路交通法違反事件で逮捕されてしまった方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

ご相談については事前のご予約が必要になるので、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にてお待ちしております。

【報道事例】東京都内の会計事務所に押し入り現金300万円を奪ったとして男性2人を強盗傷人罪の疑いで逮捕

2023-10-13

【報道事例】東京都内の会計事務所に押し入り現金300万円を奪ったとして男性2人を強盗傷人罪の疑いで逮捕

強盗傷人罪は日本の刑法において重大な犯罪とされています。
今回は、東京都内で実際に起きた強盗傷人事件の事例をもとに、強盗傷人罪が成立する要件や弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

東京都豊島区の会社事務所に押し入り、現金300万円を奪ったとして、警視庁国際犯罪対策課は11日、住所・職業不詳の男性A(22)と、東村山市在住の男性B(21)を強盗傷害容疑などで逮捕したと発表しました。

逮捕容疑は8月21日午後4時10分ごろ、豊島区内にある不動産事務所に侵入し、男性従業員V(29)に催涙スプレーのようなものを吹きかけて、300万円を奪ったとしています。
従業員は軽傷でした。

取調べに対し、Aは「よく考えて話す」、Bは「ある程度分かりました」などと供述しているようです。
(※10/11に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「東京・豊島の強盗傷害 容疑で20代の2人を逮捕 警視庁」記事の一部を変更して引用しています。)

【強盗傷人罪とは?】

強盗傷人罪については、刑法第240条前段で以下のように規定されています。

  • 刑法第240条(強盗致死傷)
    強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

強盗傷人罪は、強盗行為中に被害者を負傷させた場合に成立します。
具体的には、暴行や脅迫を用いて他人の財物を強取し、その過程で被害者を負傷させた場合に該当します。

暴行とは、相手に対して身体的な攻撃を行う行為を指し、脅迫とは、相手に対して何らかの害を加えると告げる行為を指します。
これらの行為が、相手が反抗できない、または反抗することが困難な状況を作り出す程度であり、その際に相手が負傷した場合に強盗致傷罪が成立します。

強盗傷人罪には故意」が必要であり、被害者が怪我を負った場合でも、それが故意でなければ強盗傷人罪は成立しません。
故意がなかった場合は、「強盗致傷罪」が成立する可能性があります。

強盗傷人罪の法定刑は無期又は6年以上の懲役とされており、非常に重い罰が科される可能性があります。
強盗傷人罪は、強盗罪(刑法第236条)よりも一層重い罪とされています。
また、強盗傷人罪は裁判員裁判の対象ともなり得るため、その社会的影響も大きいと言えます。

【強盗傷人罪における弁護活動内容】

強盗傷人罪の疑いで逮捕された場合、早期に弁護士に依頼することが重要です。
専門の弁護士が早い段階で介入することで、より有利な弁護活動が展開できます。

強盗傷人罪は非常に重い罰が科される可能性がありますが、適切な弁護活動によって不起訴処分や執行猶予、減刑判決を獲得できる可能性もあります。

強盗傷人罪は被害者が存在するため、被害者との示談を締結することが不起訴処分減刑執行猶予に繋がる重要なポイントになります。

ただ、強盗傷人罪においては、被害者の加害者に対する処罰感情が高い傾向にあるため、示談交渉を当事者間で進めることは難しいです。
弁護士が間に入ることで、本人に代わって被害者の気持ちを汲みながら示談交渉を行ってくれるため、示談が締結できる可能性が高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件で弁護活動を担当し、被害者と示談締結をした実績を多く持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
東京都内で強盗傷人罪を起こしてしまった方や、ご家族が強盗傷人罪で逮捕されてしまい今後に不安を感じている方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

すでに逮捕されている場合は、最短当日に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供していますので、詳細を知りたい方は24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までご連絡ください。

【報道事例】地下鉄内で女性のスカート内を盗撮しようとした男性を性的姿態撮影処罰法違反の疑いで現行犯逮捕

2023-10-10

【報道事例】地下鉄内で女性のスカート内を盗撮しようとした男性を性的姿態撮影処罰法違反の疑いで現行犯逮捕

令和5年に新設された「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下性的姿態撮影等処罰法とします)」について、実際の事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件東京支部が詳しく解説します。

【事例】

都営地下鉄浅草線の西馬込駅(東京都大田区)で女性Vのスカート内を盗撮しようとしたとして、警視庁池上署は7日までに、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで大田区在住の男性A(45)を現行犯逮捕しました。

捜査関係者によると、Vから助けを求められた近くの男性がAを取り押さえ、駆け付けた池上署員に引き渡しました。
取調べに対し、Aは「魔が差してやってしまった」と容疑を認めています。

逮捕容疑は6日未明、西馬込駅の上りエスカレーターでVのスカート内にスマートフォンを差し入れて、盗撮しようとした疑いです。
(※10/7に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「盗撮未遂疑い歯科医師逮捕 東京・大田区の地下鉄駅」記事の一部を変更して引用しています。)

【性的姿態撮影等処罰法とは】

性的姿態撮影等処罰法は、令和5年に行われた刑法改正で新設された盗撮などの撮影行為を処罰する法律です。

従来、盗撮行為は各都道府県が定める迷惑防止条例によって規定されていましたが、都道府県によって罰則の重さや処罰対象が異なるといった点が問題視されていたこともあり、性的姿態撮影等処罰法が新設されることになりました。

盗撮行為については、性的姿態撮影等処罰法第2条で以下のように規定されています。

  • 性的姿態撮影等処罰法第2条(性的姿態等撮影)
    次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。

    一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
    イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
    ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態

    二 刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為

    三 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為

    四 正当な理由がないのに、十三歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は十三歳以上十六歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為

    2 前項の罪の未遂は、罰する。

    3 前二項の規定は、刑法第百七十六条及び第百七十九条第一項の規定の適用を妨げない。

今回の事例で考えると、Aは正当な理由なく、ひそかにVのスカート内(下着)を撮影しようとしています。
スカート内の下着は、条文で規定されている性的姿態」に該当するため、Aの行為は、性的姿態撮影等処罰法違反が成立します。

ただ、今回Aは、盗撮行為が終了する前に現行犯逮捕されているため、既遂ではなく未遂となります。
ですが、未遂であっても性的姿態撮影等処罰法違反で処罰される旨が性的姿態撮影等処罰法第2条2項で規定されているため、Aは盗撮未遂として、性的姿態撮影等処罰法違反が成立するということになります。

【性的姿態撮影等処罰法違反の弁護活動】

性的姿態撮影等処罰法違反による刑事事件を起こしてしまった場合に、弁護士に刑事弁護活動を依頼した場合、弁護士が行う弁護活動は大きく以下の3つです。

・示談交渉

性的姿態撮影等処罰法違反が成立する盗撮行為は、被害者との示談を締結することが、刑事事件化の阻止不起訴処分の獲得に重要なポイントになります。
ただ、当事者間での示談交渉はスムーズに進まないことも多く、余計に事態が悪化してしまう危険性もあります。
その点、弁護士が代理人として被害者との示談交渉を行えば、被害者の気持ちも汲み取りながらスムーズに示談交渉を進めてくれるため、示談が締結する可能性も高まります。

・冤罪防止

やってもいないのに盗撮の容疑をかけられてしまった場合、虚偽の自白をしてしまえば冤罪で処罰を受けてしまいます。
身に覚えのないことで警察から逮捕・捜査されている場合に弁護士に依頼をすれば、弁護士が冤罪であることを証明するための証拠を集めたり、虚偽の自白をしないよう取調べ対応のアドバイスもしてくれます。

・勾留阻止(早期身柄解放)

盗撮事件を起こして性的姿態撮影等処罰法違反で逮捕されてしまい、検察官から勾留請求がされて勾留決定となると、最大で20日間身柄が拘束される可能性があります。

長期の身柄拘束を避けるためには、勾留を阻止することが重要です。
勾留阻止をして早期の身柄解放を行うためにも、逮捕後すぐに弁護士に接見に来てもらい、事実関係を説明し、弁護士から検察官や裁判官に対して、勾留する必要がないことなどを主張してもらうことで、早期釈放の可能性が高まります。

性的姿態撮影等処罰法違反による刑事事件を起こしてしまったら

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
東京都内で盗撮事件を起こしてしまった方や、ご家族が盗撮事件で逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

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ご相談については、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にてお待ちしております。

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