暴行事件で略式手続へ

2021-09-30

暴行事件で略式手続へ

暴行事件で問題となる罪と略式手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説します。
【ケース】
東京都文京区在住のAは、文京区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは通勤のため文京区内の駅のホームで列車を待っていたところ、マスクを着けていないVが目の前に立っていることに気付きました。
そこで、AはVに対して「こんな時期なんだしマスクくらい着けようよ」と声掛けしたところ、Vはお前には関係ないだろうと言い、Aの胸倉を掴みました。
胸倉を掴まれたAはその手をほどこうと持っていたカバンでVの手を叩いたところ、双方つかみ合いの喧嘩に発展しました。
駅員からの通報を受けて臨場した駒込警察署の警察官は、AとVの双方から話を聞き、当日は家に帰されましたがまた呼ぶと言われました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【暴行事件/喧嘩で問題となる罪】

他人に暴力を振るった場合、暴行罪傷害罪に当たります。
条文はそれぞれ以下のとおりです。

(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万年以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

まず、Vの行為について、VはAの胸倉を掴んでいます。
胸倉を掴むという行為は、相手の身体に直接接触しているわけではありません。
しかし、暴行罪の言う暴行とは「不法な有形力の行使」とされていて、一般的にイメージされるような殴る・蹴るといった暴力行為のみならず、通行人の数歩先に石を投げる行為や、胸倉を掴む行為について、暴行罪の成立を認めた判例があります。

次に、Aの行為について、これはカバンで相手の手を叩く行為については、Vが怪我をした場合には傷害罪に、怪我をしていない場合には暴行罪に、それぞれあたります。

【喧嘩で正当防衛は成立する?】

上記では喧嘩で問題となる罪について説明しました。
ここで検討するべき問題の一つとして、正当防衛、あるいは緊急避難が挙げられます。
AがVの手をカバンで叩いた行為について、胸倉を掴まれていることに対する正当防衛や緊急避難が認められる余地はあります。
但し、その後AとVは喧嘩に発展しています。
喧嘩の場合には正当防衛の観念を入れる余地がない場合があるとされているため、双方が暴行罪傷害罪に問われる可能性が高いです。

【喧嘩の被害者?加害者?】

喧嘩の場合、両当事者が加害者となり被害者となり得ます。
実際に事件化するかどうかについては、被害者が被害届を提出しているか同課が大きく影響します。
相手だけが被害届を提出していて、自分が被害届を提出していなかった場合、自分のみが加害者(被疑者)として捜査対象になるということもあり得ます。

【略式手続について】

刑事事件に発展した場合、警察官等の操作を受けたうえで検察官に事件を送致され、検察官は受理した証拠をもとに改めて取調べを行ったうえで、被疑者を起訴するかどうかについて検討します。
検察官が起訴するべき事件だと判断した場合、本来であれば正式な公判請求を行い、公開の法廷で刑事裁判が行われて判決を言い渡されます。
しかし、刑事事件の件数は非常に多く、全ての事件で公判請求してしまうと検察官・裁判官の負担は大きくなります。

そこで、一定の軽微な事件で、被疑者が被疑事実を認めていて、略式手続に同意した場合には、略式手続がとられます。
略式手続に付された場合、公開の法廷での裁判は行われず、言い渡された罰金又は科料を納付することで刑罰を受けます。
略式手続で言い渡すことができる罰金の上限は100万円です。

略式手続は公開の法廷で裁判を受けることがないという点で、被告人の負担は小さいと言えます。
しかし、略式手続で言い渡される判決は罰金刑・科料といった刑事罰ですので、いわゆる前科に当たることに相違ありません。
前科を避けたい方は、略式手続に同意する前に、弁護士に相談することをお勧めします。

東京都文京区にて、一方的な暴力行為あるいは喧嘩により捜査対象になっていて、略式手続に付される可能性があるという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

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