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【羽村市の少年事件】拾った財布を届けずに刑事事件に発展
高校生の占有離脱物横領、詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
高校1年生で、16歳のAくんは、東京都羽村市内で道に落ちている財布を拾ったところ、中からクレジットカード、現金1万円を見つけたので、自分のものにしてしまいました。
1万円はそのまま飲食店で使い、クレジットカードはコンビニでの買い物で使用しました。
後日、Aくんの自宅に警視庁福生警察署から連絡があり、「お尋ねしたいことがあるので、Aくんに出頭してほしい」とのことでした。
Aくんの親は不安になり、弁護士に相談することにしました。(フィクションです)
◇少年事件の手続き◇
Aくんの行った行為のうち、道に落ちている財布を拾い、中からクレジットカードや現金を自分のものにしてしまった行為は、「占有離脱物横領罪」(刑法第254条)または「窃盗罪」(刑法第235条)、クレジットカードで買い物をした行為は、「詐欺罪」(刑法第246条)に問われる可能性があります。
Aくんが成人の場合は、警察で取調べを受けた後、逮捕されるか在宅で事件が進行するかを問わず、最終的に検察官がAくんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決定します。
起訴され、有罪判決を受けると、刑罰を言い渡されることになります。
しかし、Aくんは20歳に満たない「少年」なので、成人の場合と異なり、原則として少年法の定める「少年保護事件」として手続が進行することになります。
Aくんの性格や環境に応じて、必要な「保護処分」を行うことが、この手続の目的です。
捜査機関による取調べが行われる点、逮捕・勾留されうる点では成人と同じですが、①犯罪の嫌疑がある場合、また、②犯罪の嫌疑はないものの、審判に付すべき事由が認められる場合には、原則として家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致された後は、少年の性格や家庭環境の調査が行われます。
調査の結果、審判が開かれると、保護観察処分などの保護処分や不処分等の決定がなされます。
◇保護処分にはどのような種類があるか?◇
保護処分は、家庭裁判所の審判によって言い渡されます。
保護処分には、
①保護観察処分
②少年院送致
③児童自立支援施設又は児童養護施設送致
があります。
(保護観察処分)
保護観察処分は、少年を保護観察所の指導・監督に委ね、改善更正を目指す保護処分です。
この処分が言い渡された場合は、在宅で処分を受けることができるので、少年本人の負担が少ないということができます。
(少年院送致)
少年院送致は、その名の通り、少年を少年院に送致し、規律ある生活になじませて指導・訓練を行うことを内容としています。
少年院送致では少年院での生活を余儀なくされ、特別の場合を除いて外出することはできません。
(児童自立支援施設又は児童養護施設送致)
児童自立支援施設は、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童や生活指導等を要する児童を入所させ、または保護者の下から通わせて、必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設です。
児童養護施設は、保護者のない児童(乳児は除かれます。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含みます)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設です。
◇審判に向けてどうするか?◇
紹介した保護処分のうち、児童自立支援施設又は児童養護施設送致は、その性質上Aくんになされる可能性はあまり高くないと思われます。
したがって、Aくんになされる可能性の高い保護処分は「保護観察処分」、「少年院送致」ということになります。
Aくんの学業や生活を考慮すると、本来の生活環境を離れることになる「少年院送致」は回避したいところです。
保護観察処分を受けることにより事件を解決するには、家庭裁判所の裁判官に、Aくんが在宅であっても改善更正しうる、ということに納得してもらう必要があります。
そのためには、Aくんに真摯な内省を促し、家庭での指導環境を充実させる必要があります。
弁護士のアドバイスを受けながら、環境調整を行い、より有利な事件解決を目指していきましょう。
◇少年事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が占有離脱物横領・詐欺事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
触法少年による刑事事件
触法少年の犯罪行為について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
東京都台東区の小学校に通う6年生のA君(12歳)は,学校の女子トイレを盗撮するために、スマートフォンを持って女子トイレに隠れていました。
異変に気付いた女子生徒が先生に助けを求めて事件が発覚したのですが、A君の持っていたスマートフォンには、多くの盗撮画像が保存されており、小学校で対処できないと判断した先生は、警察に通報し、A君は警視庁蔵前警察署に補導されました。
警察署から連絡を受けた母親は、今後のことが心配になって少年事件に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです。)
◇刑事責任能力◇
本来なら犯罪行為をしたと認められた場合、その犯罪行為に当たる罪、刑に処せられます。
A君の行為は
①女子トイレに忍び込んだ行為・・・(刑法第130条)建造物侵入罪
②盗撮行為・・・東京都の迷惑防止条例違反
に該当し、それぞれに法定刑が定められています。
そして、有罪が確定すれば、その法定刑内の刑事処分が確定するのですが、14歳未満の少年は、触法少年と言われ、刑事手続きの対象外となります。
(刑法第41条)
14歳に満たない者の行為は、罰しない
つまり、14歳に満たない者は、刑事未成年者といわれ、その具体的な精神・知能的発育の発達の如何を問わず、常に責任無能者として扱われ、犯罪に当たる行為をしたとしても罰せられることはありません。
◇少年法上はどうか◇
しかし、少年法上は、14歳に満たないで刑罰法規に触れる行為をした少年(これを触法少年といいます)も少年審判を受ける可能性があることを規定しています(少年法第3条2項)。
ここで、「どうして犯罪としては罰せられないのに、少年審判を受ける必要があるのか?」と疑問を持たれる方もおられるかと思います。
それは少年法は、少年の健全な育成を目的としている(少年法1条)からだと考えられています。
少年事件の場合、犯罪の嫌疑がある場合はもちろん、犯罪の嫌疑がない場合であっても、そう疑われるに至った経緯・背景には様々あると思います。
そうした経緯・背景には、少年自身の性格、少年の取り巻く環境(家庭、学校、交友関係など)などに関する問題が影響しているのです。
そこで、そうした問題を一つ一つ丁寧に調査し、少年の性格を矯正し、少年を取り巻く環境を整備することで健全な大人へと育っていってもらうことを少年法は期待しているのです。
少年のうちから、犯罪の目を積んでおこうというのが少年法の目的ともいえます。
◇触法少年の流れ◇
まず、警察官に調査の必要があると認められた場合は警察官の調査を受けます。
調査では、触法事件の対象となる事実やその動機,少年の生活環境などについて聴かれることになるでしょう(少年法6条の2第1項)。
その後、盗撮事件では、警察官が少年を家庭裁判所の審判に付することが適当であると認めたときは、盗撮事件が児童相談所長のもとへ送致されます(少年法6条の6第1項第2号)。
児童相談所に送致された後は、児童相談所の職員が少年や保護者などから話を聴かれるなどされ、事件について都道府県知事に報告され、かつ、都道府県により家庭裁判所の審判に付することが適当であると認められたときは、盗撮事件は家庭裁判所へ送致されます。
家庭裁判所へ送致された後の流れは、その他の年齢の少年の場合と同様です。
すなわち、家庭裁判所調査官の調査などを受けることになります。
その後、調査の結果を総合して、事件を少年審判に付すかどうか決められます。
(少年法3条2項)
家庭裁判所は、前項第2号に掲げる少年(触法少年)及び同項3号に掲げる少年で14歳に満たない者については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付すことができる。
触法少年であっても、警察官の調査を受けたり、一時保護といって身柄拘束を受けたり、少年審判を受ける可能性はあります。調査の段階から付添人(弁護人)を付けることは可能ですから、お困りの方は少年事件に強い弊所の弁護士までご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。少年事件でお困りの方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。
決闘罪で高校生が書類送検
決闘罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
先日、決闘罪と傷害罪で、2名の高校生が検察庁に書類送検されました。
令和元年10月31日付けのスポーツ報知の記事によりますと、書類送検された二人は、直接の面識はなく、事件までは共通の知人を通じてSNS(LINE)でやり取りする程度の仲だったようですが、SNS上でのやり取りからトラブルに発展し、一人の少年がLINEで「タイマン(1対1の対決)をしよう」と決闘を申し入れ、それにもう一人が応じたために、今回の事件に発展したようです。
喧嘩の当日は、お互いが仲間を連れて指定の場所に集まり、事前に、「凶器は使わない」「顔面を殴るのはあり」「ギブアップするまでやる」「被害届は出さない」などのルールを決めて、喧嘩を始めましたが、決着がつく前に通報を受けた警察官によって制止され、お互いが軽傷を負ったようです。
(令和元年10月31日付けのスポーツ報知の記事を参考)
◇決闘罪って?◇
殴り合いなどの喧嘩は、通常、刑法に定められている「暴行罪」や「傷害罪」といった法律が適用されますが、今回は、それだけでなく「決闘罪」が適用された珍しいケースです。
ところで、決闘罪とはどのような法律で、どのような行為が決闘罪の適用を受けるのでしょうか。
まず「決闘罪」は、「決闘罪ニ関スル件」という明治22年に施行された法律のことで、主に、決闘および決闘への関与が禁止されている法律です。
その法律の全容は
第一条 決闘ヲ挑ミタル者又ハ其挑ニ応シタル者ハ六月以上二年以下ノ重禁錮ニ処シ十円以上百円以下ノ罰金ヲ附加ス
第二条 決闘ヲ行ヒタル者ハ二年以上五年以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以上二百円以下ノ罰金ヲ附加ス
第三条 決闘ニ依テ人ヲ殺傷シタル者ハ刑法ノ各本条ニ照シテ処断ス
第四条 決闘ノ立会ヲ為シ又ハ立会ヲ為スコトヲ約シタル者ハ証人介添人等何等ノ名義ヲ以テスルニ拘ラス一月以上一年以下ノ重禁錮ニ処シ五円以上五十円以下ノ罰金ヲ附加ス
○2 情ヲ知テ決闘ノ場所ヲ貸与シ又ハ供用セシメタル者ハ罰前項ニ同シ
第五条 決闘ノ挑ニ応セサルノ故ヲ以テ人ヲ誹毀シタル者ハ刑法ニ照シ誹毀ノ罪ヲ以テ論ス
第六条 前数条ニ記載シタル犯罪刑法ニ照シ其重キモノハ重キニ従テ処断ス
となっていますが、さすがに明治時代に施行された法律で、これを読んだだけでは内容を理解するのが難しいのではないでしょうか。
各条文の罰則に規定されている罰金刑については、現代では廃止され、「重禁錮」とされているものは「有期懲役」に変更されています。
そこで、この法律を分かりやすく解説しますと以下のとおりです。
●決闘を挑んだ者、決闘に応じた者は「6ヶ月以上2年以下の有期懲役」(第一条)
●決闘を行った者は「2年以上5年以下の有期懲役」(第二条)
●決闘の結果、人を殺傷した場合、決闘の罪と刑法の傷害罪や殺人罪と比較して、重い方で処罰される(第三条)
●決闘の立会人や、決闘の立会いを約束した者は「1ヶ月以上1年以下の有期懲役」(第四条一項)
●事情を知って決闘場所を貸与・提供した者は「1ヶ月以上1年以下の有期懲役」(第四条二項)
●決闘に応じないという理由で人の名誉を傷つけた場合、名誉毀損罪で処罰される(第五条)
◇決闘罪の適用は非常に珍しい◇
決闘罪は、非常に古い法律で、最近では適用されることがほとんどありません。
新聞報道によりますと、東京都内の少年事件で決闘罪が適用されたのは、実に5年ぶりらしいです。
全国的に見ても決闘罪が適用されるケースは非常にまれですが、それ故に話題性が高く、決闘罪が適用された場合は、少年事件であっても新聞等で報道されるケースが目立つので注意しなければなりません。
東京都内で少年事件に強い弁護士をお探しの方、決闘罪に関するご相談は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部の弁護士にご相談ください。
無料法律相談、初回接見サービスのご予約は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
【大麻汚染】大麻事件の若年化が深刻に
若年層による大麻事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
東京都荒川区の高校に通うA君は、数カ月前に友人に勧められて初めて大麻を使用しました。
その時は友人の持っていたガラスパイプを使用して数回だけ吸引したのですが、使用した際に快感を味わうことができました。
この時の快感が忘れられず、その後A君は、インターネットで吸引用のガラスパイプを購入し、友人から譲ってもらった大麻を、自分の家や、高校の屋上など人目の付かない所で使用しています。
しかし先日、カバンの中に隠し持っていた、ガラスパイプと大麻が高校の先生に見つかってしまい、警察に通報されてしまいました。
そしてA君は、大麻所持の容疑で、警視庁荒川警察署に逮捕されてしまったのです。
(フィクションです)
◇大麻事件の若年化◇
かつては、中・高生が手を出してしまう薬物のほとんどが「シンナー」でした。
シンナーは、その成分が含有された薬品を手軽に購入できることから、手を出す少年が多く、一時期は社会問題にもなりましたが、最近は、シンナーを使用して警察に検挙される少年はほとんどおらず、2014年に、全国で摘発された人数は14人にとどまります。
そしてシンナーに代わって広がったのが、麻薬などの化学構造に似せて製造された「危険ドラッグ」です。危険ドラッグが出始めたころは、それを規制する法律が存在しなかったこともあり急激に蔓延しましたが、その後、改正医薬品医療機器法や各自治体で法整備がなされて、警察が取締りを強化したことから、ここ数年は減少傾向にあります。
そんな中、5年ほど前から急増しているのが大麻事件です。
大麻事件の摘発者数は、これまで5年連続で増加しており、中でも若年層の増加が目立っています。
先日の警視庁の発表によりますと、今年度上半期の大麻事件における摘発者人数は、過去最多の2093人にも及び、そのうち283人(全体の13.5パーセント)が少年被疑者だったようです。
世界中には大麻の使用が合法化されている国や地域もあることから、使用した際の依存性や、健康への影響について正しい知識がないまま、一種のファッションとして軽い気持ちで大麻に手を出す少年も少なくないと言われていますが、大麻の使用が、違法薬物対する規範意識の低下につながり、ゆくゆくは覚せい剤等の刺激の強い薬物に手を出してしまうきっかけにもなりかねませんので注意しなければなりません。
◇大麻事件で逮捕されると◇
大麻取締法では、大麻の所持や譲渡、譲受、栽培、輸出入等を禁止していますが、ここでは所持罪で逮捕されたケースを紹介します。
大麻取締法では、大麻所持について、その法定刑を「5年以下の懲役」と定めています。(営利目的の場合は「7年以下の懲役情状により200万円以下の罰金を併科」)
しかし大麻所持罪で逮捕された少年には、審判で逆送されない限りは、この法定刑は適用されません。
Aさんのように大麻所持罪で警察逮捕された少年は、まず逮捕から48時間以内は警察署の留置場に留置されて警察官の取り調べを受けることとなります。
そして逮捕から48時間以内に検察庁に送致されて24時間以内には、裁判所に勾留を請求されます。
そして勾留が決定してしまうと、10日間~20日間は、警察署の留置場に引き続き身体拘束されて取調べが継続されます。この期間を勾留期間といいます。
勾留期間が終了すれば、今度は家庭裁判所に送致されて、観護措置の決定がされてしまう可能性が大です。
観護措置の決定がされてしまうと、今度は、約4週間もの間、少年鑑別所に収容されてしまいます。
最終的に観護措置期間の最後に「少年審判」が開かれて、そこで処分が決定するのですが、そこでの処分は①不処分②保護処分(保護観察・少年院送致・施設送致)③検察官送致(逆送)の何れかです。
東京都荒川区で少年における薬物事件でお困りの方、未成年のお子様が大麻の所持事件で警察に逮捕されてしまった方は、薬物事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
刑事事件に強い弁護士の無料法律相談や初回接見サービスのご用命は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
お子様が少年鑑別所に収容されたら②
少年鑑別所について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
Aさんには16歳の息子がいます。
息子は私立高校に通っていますが、先日まで、同じ学校の同級生を恐喝していた容疑で警視庁王子警察署に呼び出されて取調べを受けていました。
その後、事件が家庭裁判所に送致され、Aさんと息子は家庭裁判所から呼び出されて出頭したのですが、その後、息子に観護措置が決定してしまい、息子は少年鑑別所に収容されてしまいました。
(フィクションです。)
前回のコラムでは少年鑑別所について解説しましたが、本日は「観護措置」について解説します。
◇観護措置◇
観護措置とは、家庭裁判所が、少年の調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置です。
観護措置は、基本的に少年を少年鑑別所に収容して行われますが、少年鑑別所に収容されることなく、家庭裁判所の調査官の看護に付される手続きもありますは、ほとんど活用されておらず、実際は観護措置が決定によって、少年は少年鑑別所に収容されてしまいます。
~観護措置の要件~
観護措置の要件は、観護措置を規定している少年法の第17条1項に「審判を行うため必要があるとき」としか明記されていません。
ここでいう「審判を行うため必要があるとき」とは、具体的に
①審判条件があること
②少年が非行を犯したと疑うに足りる事情があること
③審判を行う蓋然性があること
④観護措置の必要性が認められること
を意味します。
~観護措置の必要性~
「観護措置の必要性」は、具体的に
①調査、審判および決定の執行を円滑、確実に行うために、少年の身体を確保する必要があること。(住居不定や、証拠隠滅・逃亡のおそれがあり、身体を確保する必要性のある場合)
②緊急的に少年の保護が必要であること。
③少年を収容して心身鑑別をする必要があること。
のいずれかの事由がある場合に認められるとされています。
~観護措置の期間~
観護措置の期間は、法律上は「2週間を超えることができず、特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができる。」とされていますが、実際は、観護措置の期間が2週間で終了する少年はほとんどおらず、4週間の観護措置期間がとられています。
また、重大な事件を犯した場合や、特別な鑑定が必要な場合など、特別な事情がある場合は、更に2回まで(4週間)まで観護措置期間を延長することができますので、観護措置の期間は最長8週間となります。
◇観護措置を回避できるのですか?◇
まず観護措置が決定する時期ですが、警察に逮捕・勾留されていた少年に関しては、家庭裁判所に送致された際に観護措置が決定する場合がほとんどです。この場合は、家庭裁判所に送致されて24時間以内に観護措置をとらなければならないとされています。
また、警察等の捜査段階で逮捕、勾留等の身体拘束を受けていない少年に関しては、家庭裁判所に送致された後に、家庭裁判所が観護措置をとる必要性があると判断した場合に観護措置がとられます。
この様に家庭裁判所が少年の観護措置を決定する時に、弁護士が、観護措置の必要がないことを主張して観護措置の決定を回避することができます。
また、一度観護措置が決定してしまっている場合でも、決定に対する異議を申し立てたり、観護措置の取消請求をする事によって、観護措置による身体拘束から少年を解放できる場合もあります。
東京都内の少年事件お困りの方、お子様が少年鑑別所に収容された方、観護措置で少年鑑別所に収容されている少年の身体解放を望む親御様は、東京都内の刑事事件を専門に扱っている「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
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初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお電話ください。
お子様が少年鑑別所に収容されたら①
少年鑑別所について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
Aさんには16歳の息子がいます。
息子は私立高校に通っていますが、先日まで、同じ学校の同級生を恐喝していた容疑で警視庁王子警察署に呼び出されて取調べを受けていました。
その後、事件が家庭裁判所に送致され、Aさんと息子は家庭裁判所から呼び出されて出頭したのですが、その後、息子に観護措置が決定してしまい、息子は少年鑑別所に収容されてしまいました。
(フィクションです。)
本日は少年鑑別所について解説します。
◇東京都内の少年鑑別所◇
東京都内には少年鑑別所が2ヶ所あります。
【東京少年鑑別所】東京都練馬区氷川台2-11-7 T03-3931-1141
【東京西少年鑑別所】東京都昭島市もくせいの杜2-1-1 T042-500-5271
※東京西少年鑑別所は、平成31年4月まで八王子市内にあった八王子少年鑑別所が移転しました。
◇少年鑑別所ってどんな施設?◇
少年鑑別所とは、医学や心理学、教育学等、様々な専門知識に基づいて、少年の資質の鑑別を行う施設のことです。
少年鑑別所に収容される期間は、基本的には4週間ですが、非行内容や少年に特別な事情がある場合は、最長で8週間までは延長されることがあります。
少年院と同じだと勘違いしている人が多いようですが、少年鑑別所は、基本的に少年審判を受けるまでに収容される施設で、審判での処分が決定して収容される、少年に対する矯正教育を目的にした少年院とは全く異なります。
少年鑑別所では、鑑別所職員(技官)との面接や、様々な検査等による資質鑑別と、少年の行動観察が行われています。
少年鑑別所に収容されてすぐに、身体検査や技官との面談、心理検査等が行われ、その結果に応じて、少年個々の特性に合わせた個別の鑑別が実施されることになります。
収容期間中は、検査や面接以外にも、運動や読書、ビデオ視聴、作文などの時間が設けられています。
少年鑑別所で鑑別結果は、鑑別結果通知書という書類にまとめられて家庭裁判所に提出されますので、少年鑑別所での生活態度や、検査結果がその後の審判に大きく影響することは言うまでもありません。
◇少年鑑別所って面会できますか?◇
少年鑑別所に収容されている少年との面会は大きく、付添人である弁護士が行う付添人面会と、少年の家族等が行う一般面会に分けられます。
~付添人(弁護士)面会~
弁護士が、警察署の留置場に収容されている少年に面会するのとは異なり、少年鑑別所での面会は、面会できる日時に制限があります。
少年鑑別所によって多少違いますが、面会できるのは、基本的に平日の午前8時30分~午後5時です。(面会時間に制限はない。)
基本的に、土日、祝日の面会は認められていませんが、事前に予約をしたり、特別な事情がる場合は、土日、祝日であっても面会が認められる場合があります。
また警察署の留置施設では、少年と弁護士の間にアクリル板が設置されている接見室での面会となりますが、少年鑑別所での面会は、そのようなアクリル板はなく、少年鑑別所の職員が面会に立ち会うことはありません。
~一般面会~
少年鑑別所に収容されている少年と面会が許されるのは、近親者、保護者、その他鑑別所が必要と認めた人だけですので、少年の友達や恋人が面会しようとしても拒否されるでしょう。
面会できるのは、付添人(弁護士)と同じで、平日の午前8時30分~午後5時ですが、1回の面会時間は15分程度に制限され、少年鑑別所の職員が面会に立会い、必要に応じて面会の内容が記録されます。
東京都内の少年事件お困りの方、お子様が少年鑑別所に収容された方は、東京都内の刑事事件を専門に扱っている「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用いただければ、東京少年鑑別所、東京西少年鑑別所に収容されている少年に、少年事件専門の弁護士が面会いたします。
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少年事件の処分
少年事件の処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
前回のコラムでは少年事件の流れを解説いたしました。
刑事事件を起こした少年は、家庭裁判所で開かれる審判において、その処分が決定するのですが、本日は、刑事事件を起こした少年の処分について解説します。
審判で裁判官が決定する処分は大きく分けて①不処分②保護処分③検察官送致の3種類です。
①不処分
家庭裁判所は、審判の結果、少年を保護処分に付することができず、又は保護処分に付する必要がないと認めた場合は「不処分」となります。
「保護処分に付することができない」とは、少年が犯罪を犯していないと判断されることで、成人の刑事事件における「無罪」に相当します。
「保護処分に付する必要がない」とは、少年に要保護性がなく、児童福祉法上の措置や刑事処分の必要性も認められないことを意味します。
②保護処分
~保護観察~
保護観察とは、少年を施設に収容させることなく、日常生活を送らせながら、保護観察所の指導監督や、補導援護という社会内処遇によって、少年の更生を目的とする保護処分です。
保護観察は、他の保護処分と異なり、施設に収容されることなく日常生活を送ることができるので、少年の不利益は少ないと考えられますが、逆に、これまでと同じ日常生活を送れるために、再犯を起こしてしまったり、別件の非行行為を起こしてしまう可能性があるので、保護観察中は、少年だけでなく、ご家族など少年の周りの人々の監督も必要となります。
保護観察には、一般保護観察、一般短期保護観察、交通保護観察、交通短期保護観察の4種類があり、それぞれに期間が定められています。
一般保護観察の場合は、おおむね1年で、この間に3ヶ月以上連続して成績良好であれば保護観察が解除されます。
一般短期保護観察の場合は、おおむね6ヶ月~7ヶ月で保護観察が解除されますが、10ヶ月以内に解除できなかった場合は、一般保護観察に切り替えられる可能性があります。
交通保護観察は、おおむね6ヶ月以内に解除される場合がほとんどです。
交通短期保護観察は、3ヶ月~4ヶ月以内に解除される場合がほとんどですが、6ヶ月を過ぎても解除されない場合は、交通保護観察に切り替えられる可能性があります。
~児童自立支援施設又は児童養護施設送致~
「児童自立支援施設」とは、かつて「教護院」と呼ばれていた施設で、全国に58施設あるといわれています。
不良行為をしたり、するおそれのある児童や、家庭環境等の理由により生活指導が必要な児童が収容される施設ですが、完全に収容される児童ばかりでなく、保護者のもとから通う児童もいます。
「児童養護施設」とは、かつて「養護施設」と呼ばれていた施設で、全国に569施設が存在するといわれています。
児童養護施設は、保護者のいない児童や、虐待されている児童等を養護するための施設ですので、非行性のある児童に対する処遇を行うことが困難だとされているため、実際に、家庭裁判所の審判で児童養護施設送致の決定がなされることは滅多にありません。
~少年院送致~
少年院は、少年の非行を防止するために、基本的に外出が許されず、被開放的な施設で厳しい規律の中で日常生活を強いられる、生活訓練施設です。
上記した保護処分と異なり、非常に厳しい処遇であるといえるでしょう。
少年院には、初等、中等、特別、医療の4種類の少年があり、少年の年齢等によって区別されています。
初等少年院・・・心身に著しい支障のない、おおむね12歳~16歳未満の少年
中等少年院・・・心身に著しい支障のない、おおむね16歳~20歳未満の少年
特別少年院・・・心身に著しい支障はないが犯罪的傾向の進んだ、おおむね16歳~23歳未満の者
医療少年院・・・心身に著しい支障のある者
少年院に収容される期間は、大きく分けて「短期」と「長期」があり、短期は4ヶ月以内の特修短期と、6ヶ月以内の一般短期に分かれています。
また長期は、10ヶ月程度の比較的短期、おおむね1年の単なる長期、1年より長く2年以内の比較的長期、2年を超える相当長期の4種類があります。
少年院では、少年院の種類や収容期間によって収容中のカリキュラムが異なりますが、基本的には生活訓練が主となり、それに加えて、教科教育や職業能力開発、特殊教育等が行われます。
③検察官送致(逆送)
家庭裁判所は
①審判時に少年が成人に達した場合
②死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件において、調査の結果、罪質及び情状に照らして刑事処分相当と認める場合
の何れかは、事件を検察官に送致しなければなりません。
これを「逆送」といいます。
~原則逆送~
犯行時に16歳以上で、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」に当たる事件を起こした少年については、原則的に逆送しなければならないとされています。(少年法第20条2項)
ただし、犯行の動機や態様、犯行後の情況や少年の性格、年齢、環境等に事情を考慮して、刑事処分以外の措置が相当と認められた場合は、逆送されないこともあります。
お子様が刑事事件を起こしてお悩みの親御様、刑事事件を起こしてしまったお子様の処分が心配な方は、少年事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回の法律相談を無料で承るだけでなく、逮捕された方に弁護士を派遣する初回接見サービス(有料)を用意し、皆様からのご予約をお待ちしております。
少年による窃盗事件
少年による窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
先日、人気アーケードゲーム「太鼓の達人」の太鼓を盗んだとして、東京都目黒区の私立高校に通う男子生徒(16歳)が、窃盗罪で警視庁少年課に逮捕されました。
この事件では、すでに別の少年が逮捕されており、この他にも事件に関わった少年がいるとして捜査が進められています。
逮捕された少年は仲間と共に、他の店舗から盗んだ基盤などと組み合わせて、自宅に太鼓の達人の器具を再現し、遊んでいる様子を動画投稿サイトに投稿するのが目的だったようです。(令和元年6月3日付の産経新聞から抜粋)
◇窃盗罪◇
人の物を盗めば窃盗罪となります。
窃盗罪は刑法第235条に規定されている法律で、その法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
◇少年事件の流れ◇
①逮 捕
↓(48時間以内)
②検察庁に送致
↓(24時間以内)
③裁判所に勾留(勾留に代わる観護措置)請求
↓ ↓
④勾 留(10日間~20日間) ⑤勾留に代わる観護措置(10日間)
↓ ↓
⑥家庭裁判所に送致 ↓
↓(24時間以内) ↓
⑦ 観 護 措 置
↓ ↓
⑧審 判 ⑨審判不開始
①逮捕
逮捕には、大きく分けて現行犯逮捕、緊急逮捕、通常逮捕の3種類があります。
少年であっても、何れの逮捕手続きの対象となり、成人被疑者と同様の扱いを受けます。
②検察庁に送致
少年を逮捕した警察等の捜査当局に与えられている時間は48時間です。
この間に、逮捕した少年の取調べ等を行われ、事件内容や少年の素行等を考慮して、引き続き身体拘束を続けて捜査するのか、釈放するのかが決定します。
引続き身体拘束が必要だと判断された場合は、検察庁に送致されます。
釈放された場合でも、取調べ等の捜査は続けられますので、少年は、警察から呼び出されるごとに警察署に出頭し取調べを受けなければなりません。
③裁判所に勾留(勾留に代わる観護措置)請求
警察からの送致を受けた検察官は、それまでの捜査結果を踏まえて、裁判所に勾留(勾留に代わる観護措置)請求するのか釈放するのかを判断します。
少年法では、やむを得ない場合でなければ勾留請求できないと規定されているので、法律的には、成人被疑者と比べれば勾留請求される可能性は低い事になりますが、勾留に代わる観護措置が請求される可能性があります。
④勾留
裁判官が、勾留の必要性を認めれば勾留されることになります。
勾留期間は10日~20日で、勾留場所は警察署の留置場か、少年鑑別所となります。
裁判官が勾留を認めなかった場合は釈放となります。
⑤勾留に代わる観護措置
裁判官が、勾留に代わる観護措置の必要性を認めれば鑑別所に勾留されることになります。
勾留の場合は、必要に応じて、その期間が20日間まで延長されますが、勾留に代わる観護措置の場合は、その期間が10日間と法律で定められているので延長はありません。
しかし、その期間を終えると、改めて裁判官の審査を経ることなく自動的に観護措置が開始されます。
⑥家庭裁判所に送致
勾留、勾留に代わる観護措置の期間が終了すれば、家庭裁判所に事件が送致されます。
勾留によって身体拘束を受けていた少年については、ここで観護措置を決定するかどうかが裁判官によって判断されます。
⑦観護措置
観護措置が決定すれば通常で4週間(最長で8週間)、少年鑑別所に収容されて調査を受けることになります。
鑑別所に収容されずに在宅観護となる場合もありますが、実務上あまり目にすることはありません。
⑧審判
少年が本当に刑事事件を起こしたかどうかが判断されます。
犯罪事実を争う場合は、検察官が審判に参加し、刑事裁判でいうところの有罪、無罪の判断がなされた上で、少年の処分が決定します。
審判によって決定する処分は、不処分、保護処分、検察官送致の何れかです。
それぞれの処分については次回のブログでご紹介します。
お子様が刑事事件を起こしてお悩みの親御様、東京都目黒区の窃盗事件でお子様が警察に逮捕されてしまった方は、少年事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回の法律相談を無料で承るだけでなく、逮捕された方に弁護士を派遣する初回接見サービス(有料)を用意し、皆様からのご予約をお待ちしております。
少年事件(逆送)
少年の逆送事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
私立高校を途中で退学したAさん(16歳)は、毎晩のように友人と遊びまわる生活をしていました。
そん中、渋谷区の繁華街で通行トラブルになったサラリーマンと喧嘩になってしまい、Aさんは、このサラリーマンを殴って死亡させる、傷害致死事件を起こしてしまいました。
犯行後、現場から逃走したAさんでしたが、テレビのニュースで、被害者が死亡したことを知って、両親と共に、警視庁渋谷警察署に出頭し、傷害致死罪で逮捕されました。
Aさんは、20日間の勾留を経て、東京少年鑑別所に収容されました。
その間、事件は検察庁から家庭裁判所に送致されましたが、家庭裁判所の少年審判で逆送が決定し、再び検察庁に送致され、その後起訴されました。
Aさんの裁判が、裁判員裁判によって大人と同様に裁かれることを知った両親は、少年事件に強い弁護士を探しています。
(フィクションです)
◇逆送とは◇
逆送とは、家庭裁判所の審判において、刑事処分が相当であると判断されて、事件が家庭裁判所から検察官に戻されて送致されることをいいます。
逆送されれば、成人と同様の刑事手続に移行します。
正式起訴されれば、成人同様、正式裁判を受けなければなりませんし、裁判で有罪となり判決が確定すれば刑に服さなければなりません。
平成30年度版犯罪白書によれば、2087人の少年が逆送され、うち2028人の少年が起訴されています。
この数字を見れば、逆送された少年のほとんどが起訴されていることが分かります。
しかし、逆送された少年2028人の内のほとんどは略式起訴による罰金刑が言い渡されており、正式に起訴されて刑事裁判になった少年は187人にとどまります。
ちなみに、交通事故(過失運転致死傷罪等)など要保護性の認められない過失事件の場合、逆送されるケースが多いようですが、そのほとんどが略式起訴による罰金刑が確定しています。
◇どの様な事件が逆送されるの◇
逆送される少年の多くは
①少年が審判までに成人を迎えてしまう「年齢超過」による場合
②人の生命を奪う等の重大な事件を起こした少年で「刑事処分相当」と判断された場合
の何れかです。
~年齢超過~
「年齢超過」による場合とは、事件が家庭裁判所に送られ、調査・審判が行われている段階で、少年の年齢が20歳以上と判明した場合のことをいいます。(少年法19条2項、23条3項)
20歳以上かどうかの判断は、事件時ではなく、調査・審判の時点で判断されます。
~刑事処分相当の判断~
「刑事処分相当」による場合とは、その名の通り、少年に刑事処分を科すのが相当であると考えられる場合のことをいいます。
少年法は以下の事件ごとに、いかなる場合に逆送すべきか規定しています。
◇原則として逆送される事件◇
故意の犯罪行為により被害者を死亡させる事件を起こした少年は原則として逆送されてしまいます。(少年法20条2項)
殺人罪が典型となりますが、この他にも傷害致死罪、強制性交等致死罪、強制わいせつ致死罪、強盗致死罪、強盗殺人罪、危険運転致死罪などがあります。
ちなみに、交通死亡事故を起こした場合に適用される「過失運転致死罪」は、過失犯ですので「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」には該当しません。
この罪の事件については、まず、罪を犯した時点で、少年の年齢が16歳以上であることが必要です。
また「犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」は逆送しないと規定されていますので、絶対的に逆送されるとは限りません。
東京都渋谷区における少年事件でお困りの方、お子様が逆送される可能性のある刑事事件を起こしてしまった方、逆送事件に強い弁護士をお探しの方は、東京で少年事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
警視庁渋谷警察署までの初回接見費用:35,000円
東京少年鑑別所までの初回接見費用:37,100円
警視庁本富士警察署の少年事件を法律相談
少年事件の法律相談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇少年事件の無料法律相談◇
私には中学校3年生(14歳)の息子がいます。
この息子が1週間前に、同じ学校に通う同級生を恐喝していました。
息子が、新しいゲームを購入していたので不審に思って追及したら息子が同級生から巻き上げたお金で購入したことを白状しました。
先日、中学校の先生に相談して、同級生の親御様に謝罪しようとしましたが取り合ってもらえませんでした。
親御様が警察に被害届を提出したらしく、今朝、息子は警視庁本富士警察署に恐喝罪で逮捕されてしまいました。
今後、息子は、どうなってしまうのでしょうか?ゴールデンウィーク中でも法律相談をしていただけますでしょうか?
~東京都文京区在住の40代男性からの相談~
◇恐喝罪~刑法第249条~◇
Aさんの息子が逮捕された恐喝罪は、刑法第249条に定められた法律です。
恐喝罪は、人を恐喝して財物を交付させ(1項恐喝)又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させる(2項恐喝)ことです。
「恐喝」とは、財物の交付又は財産上の利益を供与させる手段として、人を畏怖させるに足りるような行為をすることで、その手段は主に暴行や脅迫が用いられます。
暴行・脅迫の程度は、人に畏怖の念を生じさせるものでなければならず、かつ、それで足ります。
困惑を生じただけでは、畏怖の念を欠いているので恐喝罪は成立しません。
◇少年事件の流れ◇
~逮捕~
少年事件であっても逮捕の要件を満たし、逮捕の必要がある場合は、成人被疑者と同様に逮捕されます。
警察に逮捕された後は、留置の必要が無くならない限りは警察署の留置場に留置されることとなります。
~送致後(勾留・観護措置等)~
逮捕から48時間以内に釈放されなければ、少年は、検察庁に送致されます。
送致を受けた検察官は、裁判所に対して勾留請求、又は家庭裁判所に観護措置を請求若しくは少年を釈放します。
・勾留
逃走のおそれや、証拠を隠滅するおそれがあり、引き続き捜査の必要がある場合、裁判官は勾留を決定する可能性があります。
勾留の期間は10日から20日間で、基本的には、その期間中、捜査を担当する警察署の留置場に収容されることとなります。
ただし少年法で、検察官は、少年の被疑事件においてはやむを得ない場合でなければ裁判官に勾留請求できない旨が明記されています。
そのため裁判官が、勾留に代わる観護措置という決定をすることがあります。
・勾留に代わる観護措置
勾留に代わる観護措置とは、名称こそ観護措置となっていますが、この期間中には警察等捜査当局による取調べなどの捜査が行われるので実質的には勾留と差異はありません。
勾留に代わる観護措置は、10日間の満期後に、新たに裁判官の判断をあおぐことなく、自動的に観護措置が決定してしまうので、勾留後に観護措置が認められなかった場合に比べると、身体拘束期間が長くなるという大きなデメリットがあります。
・観護措置
主に家庭裁判所に送致された少年の審判を円滑に進めたり、少年の処分を適切に決めるための検査を行ったりするために、少年を少年鑑別所に一定期間収容することです。
観護措置は、検察から送致を受けた家庭裁判所の裁判官が決定し、その期間は一般的に4週間です。
上記勾留や、勾留に代わる観護措置の後に観護措置が決定する他、これらの手続きを経ることなく、観護措置が決定して少年鑑別所に収容されることもあります。
~少年審判~
少年審判とは、成人事件でいうところ裁判です。
成人事件の刑事裁判は数日間にわたって行われることが通常ですが、少年審判は、犯罪事実に争いのない場合は、数時間で終了し、そこで処分が決定します。
少年審判で決定する処分は、不処分、児童相談所送致、保護処分(保護観察、少年院送致、施設送致)、検察官送致(逆送)試験観察の何れかとなります。
◇少年事件の弁護活動◇
少年事件の弁護活動は、大きく刑事弁護活動と付添人活動に分類されます。
刑事弁護活動とは、被害者との示談交渉や警察等での取調べのアドバイス、警察等の捜査当局との交渉などが主な内容となります。
付添人活動とは、少年の審判に向けての活動が主となり、弁護士が、少年や、ご家族と共に、少年の更生に向けて様々な取り組みを行うようになります。
東京都文京区の恐喝事件でお困りの方、お子様が警視庁本富士警察署に逮捕されてしまった方は、少年事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ゴールデンウィーク中でも、初回の法律相談を無料で承っておりますので、お気軽に法律相談専用フリーダイヤル0120-631-881にお電話ください。
初回法律相談:無料※警視庁本富士警察署までの初回接見費用:36,000円
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