痴漢事件で現行犯逮捕された方の早期の身柄解放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
痴漢容疑で逮捕
Aさんは勤務先の最寄り駅に向かう通勤電車内において、女子高生Vをみかけ、つい出来心でスカートの上から臀部を触ってしまいました。
女子高生VはすぐにAさんが臀部を触ったことに気付き、Aさんの手を掴んで「痴漢しましたよね?」といい、Aさんを駅員に引き渡しました。
Aさんはすぐに警視庁中野警察署の警察官に引き渡され、取調べを受けることになりました。
Aさんは警察官から「現行犯逮捕は私人でもできる。あなたは既にVさんに現行犯逮捕されている」と告げられました。
痴漢とはどのような犯罪か?
いわゆる痴漢行為には、各都道府県で制定されている迷惑防止条例に規定されている犯罪類型と、刑法典の強制わいせつ罪(刑法第176条)があります。
今回のAさんは、Vさんの臀部を着衣の上から触ったということなので、強制わいせつ罪ではなく、東京都の迷惑防止条例違反の被疑者として扱われることになると思われます。
東京都の迷惑防止条例(正式名称「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」)第5条1項1号は、「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。」を犯罪としており、これがいわゆる痴漢に該当します。
上記の行為を行い、起訴され、裁判で有罪が確定すれば、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることになります(同条例第8条1項2号)。
Aさんは今後どうなるのか?
Aさんは痴漢事件を起こしてしまったことを深く反省していますが、仕事のこともあり、身体拘束を受ける期間が長引くと、会社をクビになってしまうのではないかと心配です。
警察に逮捕され、留置の必要があると判断された場合、逮捕時から48時間以内に身柄を検察官のもとに送致されます。
検察官は、被疑者を受け取った時から24時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するかを決めます。
検察官が勾留請求をする必要があると判断し、勾留請求を受けた裁判官が勾留を決定すると、Aさんは最長10日間、勾留延長されればさらに最長10日間身体拘束を受けることになります。
警察に逮捕された場合、逮捕時から最長で23日間もの間身体拘束を受ける可能性があるということになりますが、23日間もの間会社を無断欠勤した場合、会社から懲戒解雇を受ける可能性は極めて高いと思われます。
弁護士の初回接見、示談を依頼し早期身柄解放を目指す
Aさんは、Vさんとの示談交渉を弁護士に依頼すべきです。
示談がまとまれば、釈放される可能性も高まりますし、また、痴漢事件においては、初犯であれば検察官が不起訴処分を行うことも多いです。
勾留されずに釈放されれば、そのまま会社に出勤することができますし、不起訴処分を獲得することができれば前科がつくことを回避することができます。
刑事手続きにおいては、被疑者を勾留するか、さらに勾留延長するかなど、身体拘束を継続するかどうかを判断する機会がいくつかあります。
なるべく早い段階で上記の判断をする機関(検察官や裁判官)に対し、Aさんを勾留しないよう働きかけることが重要です。
刑事手続きにおいて早期に身柄を解放してもらうには、なるべく早いうちに弁護士に弁護活動を依頼することが大切であるということです。
弁護士による初回接見
多くの場合、逮捕されてしまった場合には、勾留決定がなされるまで家族や友人、交際相手の方と面会することができません。
「接見禁止処分」がなされていれば、勾留決定後も家族や友人、交際相手と面会することはできません。
面会できる場合でも、接見室では警察官が立ち会うことになっており、また、平日の朝から夕方までしか面会することができません。
これに対し、弁護士はいつでも、警察官の立会いなく被疑者と面会することができます(刑事訴訟法第39条1項)。
この時に、弁護士は家族からの伝言を被疑者に伝えたり、取調べの対応方法について助言することができます。
逮捕され、身体拘束を受けている状況は、極めてストレスの多い環境といえます。
初回接見を通じ、自分の味方になってくれる弁護士に事件について打ち明けることにより、心理的な圧迫を軽減することができますし、さらに、家族や友人、交際相手の伝言を聞くことにより、心の励ましとすることができるでしょう。
痴漢事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所であり、刑事手続きに熟練した弁護士が多数在籍しています。
痴漢事件を起こし、ご家族、ご友人、恋人を逮捕された方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見をご検討ください。