・息子が強盗未遂の容疑で警視庁玉川警察署の警察官に逮捕された。どうしていいかわからない…
・夫がタクシー強盗の容疑で警視庁目白警察署に捜査されている。
1 強盗罪
強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて、他人の財物を奪うことや利益を得たりすることによって成立する犯罪です。
強盗罪は、5年以上の有期懲役であり、刑事事件の中で特に重大な犯罪です。
強盗事件の具体例としては、包丁で店員を脅して金を奪う、タクシーの運転手を脅してタクシー代金を支払わないで立ち去った場合などがあります。
もっとも強盗罪の「暴行」や「脅迫」は、人の反抗を抑圧する程度のものでなければなりません。
人の反抗を抑圧する程度の暴行、脅迫でなかった場合には、恐喝罪などが成立する可能性があります。
人の犯行を抑圧する程度の暴行、脅迫にあたるか否かは、暴行や脅迫の内容、犯行の時間・場所、犯人や被害者の数、年齢、性別、体格等を総合的に考慮し、その具体的状況の下で客観的に判断されます。
そのため、強盗事件に当たるかもしれないと不安な場合には、すぐに弁護士へ相談することをおすすめします。
さらに、強盗をした際に、被害者にケガを負わせた場合や死亡させた場合には、さらに重い刑が規定されています。
強盗の際に被害者を死亡させた場合、強盗殺人罪や強盗致傷罪が成立します。法定刑は、死刑又は無期懲役です。
ケガを負わせた場合、強盗傷害罪や強盗致傷罪が成立します。法定刑は、無期懲役または6年以上の懲役です。
2 事後強盗罪
また、窃盗が財物を得て、①これを取り返されることを防ぎ、②逮捕を免れ、③罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として扱われます(刑法238条)。
これを事後強盗罪といい、法定刑は、5年以上の有期懲役です。
事後強盗罪は、窃盗の犯人が、①②③の目的のため、暴行又は脅迫をした場合の犯罪です。
例えば、スーパーで万引きをした窃盗犯人が、逮捕しようと追いかけてきた警備員に対して暴行を加えた場合や、鞄のひったくりの犯人が、被害者に鞄を取り返されることを防ぐため、暴行や脅迫を加えた場合などです。
3 昏睡強盗罪
昏睡強盗罪は、人を昏睡させてその財物を盗取することによって成立する犯罪で、強盗として扱われます(刑法239条)。
昏睡強盗罪の法定刑は、5年以上の有期懲役です。
「昏睡させ」るとは、睡眠薬や麻酔薬、アルコール飲料等を使用し、被害者を抵抗不能にさせることです。
昏睡強盗罪は、強盗罪における暴行、脅迫を用いるのではなく、薬物やアルコールなどを利用し抵抗不能にさせます。
方法が異なるものの、抵抗不能にしたうえ財物を奪うため強盗罪と同様に処理されるのです。
罪名 | 刑罰・法定刑 |
強盗罪(刑法236条) | 5年以上の有期懲役 |
強盗予備罪(刑法237条) | 2年以下の懲役 |
事後強盗罪(刑法238条) | 5年以上の有期懲役 |
昏睡強盗罪(刑法239条) | 5年以上の有期懲役 |
強盗傷害罪・強盗致傷罪(刑法240条前段) | 無期懲役、6年以上の懲役 |
強盗殺人罪・強盗致死罪(刑法240条後段) | 死刑、無期懲役 |
相談例
・深夜のコンビニで、出刃包丁を使い店員を脅し、現金を奪った。
→強盗罪など
・留守宅に窃盗に入ったら、住民が帰ってきて、盗んだものを取り返されそうになったため顔を殴って逃げた
→事後強盗罪など
・バイクで、被害者を追い抜く際にバックを取ろうとしたところ、被害者が転倒しケガをした
→強盗致傷罪など
強盗事件における弁護活動
1 強盗事件で早期の示談成立
強盗事件の事実に争いがない場合、弁護士を通じで早期に被害者の方に対する謝罪や被害弁償、示談交渉を進めることが重要です。
早期に被害者の方と示談ができれば、当事者間で事件を解決できれば、警察の介入を回避できる可能性もあります。
また、すでに警察が介入している事案であっても、被害者と示談をすることで、早期の釈放や不起訴処分を獲得することができる可能性もあります。
強盗事件で早期に釈放されることや不起訴処分を獲得することができれば、職場復帰や社会復帰をスムーズに行っていくことができやすいです。
社会での本人の更生にもつながります。
2 情状弁護
強盗事件として起訴された場合でも、犯行動機、犯行手口、被害額、同種前科の有無など諸般の情状を慎重に検討した上で、裁判所に対して適切な主張・立証を行うことで情状酌量の余地を示し、執行猶予判決を獲得することを目指します。
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