業務上横領事件で保釈請求

2021-10-07

業務上横領事件で保釈請求

会社などのお金を横領した場合に問題となる業務上横領という罪について、及び業務上横領罪などで逮捕・勾留された場合の保釈請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都台東区下谷在住のAは、台東区下谷にある会社で経理を担当していました。
Aは10年ほどに亘り、経費を送金していると偽って自分が作った口座に送金を繰り返し、8000万円ほどの金を横領していました。
内部調査でAの横領行為が発覚したため、会社側はAに対し横領行為をしていないか確認したところAが行為を認めたため、会社の担当者は台東区内を管轄する下谷警察署に被害届を提出しました。
後日、Aは逮捕され、数日後に勾留が決まりました。

Aの家族は、早期の保釈請求を希望し刑事事件を専門とする弁護士に弁護を依頼しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【横領とは?】

窃盗・詐欺・横領など、財産犯はその手口によって罪が異なります。
簡単に言うと、
窃盗:他人が持っている物を、こっそりと盗み取るような場合
詐欺:相手を騙して、騙された被害者が被疑者に対して金や物を渡す場合
横領:他人から預かっていた物などを黙って自分のものにするような場合
に適用されます。

【横領罪と業務上横領罪】

ケースについて言うと、預かっていたお金を自分の口座に送金する(自分のものにする)と言えるため、横領行為に当たります。
そして、Aは会社のお金を管理する立場でありながら横領行為に着手しているところ、Aには業務上横領罪が適用されることになります。
業務上横領罪の条文は以下のとおりです。

刑法253条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

業務上横領罪は、「業務」であることを要件としています。
業務は、経理などの業務を担当している場合は勿論のこと、それに類する行為は反復・継続して行った立場の方が行った横領行為も、業務上横領罪として処罰されることになります。

【逮捕後の手続き】

刑事事件を起こしたと疑われる者に対し、捜査機関は捜査に必要であると判断した場合には被疑者を逮捕します。
逮捕された被疑者は、逮捕の翌日~翌々日で釈放されるか、勾留請求されて裁判官による勾留質問が行われます。
裁判官が勾留を認めた場合、10日間の勾留が行われますが、一度に限り10日間延長することができるため、勾留された場合には逮捕から3週間程度身柄拘束が行われることになります。
勾留の満期日、検察官は被疑者を起訴するか、処分保留で釈放するかを判断する必要があります。
処分保留で釈放の場合、そのまま身柄解放されることもありますが、釈放される前(あるいは釈放された直後)に別事件の捜査のため逮捕される事案もあります。

起訴された場合、被疑者は被告人という立場に変わり、刑事裁判を受けることになります。
その際、身柄の扱いはというと「被疑者段階での勾留」から「起訴後勾留」に移ります。
起訴後勾留の期間は2ヶ月ですが、満期日には勾留期間が1ヶ月ずつ自動的に延長されるため、判決言い渡しまでの期間はずっと身柄拘束されることになります。

【保釈請求について】

起訴された被告人が起訴後勾留を受けている場合に被告人の身柄を解放するためには、被告人側が保釈を請求することが一般的です。
保釈の請求を受けた裁判官は、まず事件の担当検察官に対して意見を求める「求意見」を行います。
担当検察官は裁判官に対し、被告人の保釈に対しての意見(裁判官の判断に委ねる場合もあれば、例えば証人への口裏合わせの恐れにより正常な刑事裁判が出来なくなる恐れを指摘する等して保釈に反対の意見を示す)を書面で提出します。
検察官から意見が戻ってきた後、裁判官は被告人の保釈をするかどうか、保釈を認める場合には保釈金をいくらにするか、判断します。
裁判官が保釈を許可した場合には、被告人の親族などが保釈金を納めれば、身柄は解放されます。

刑事訴訟法89条では、「保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。」と定められています。
保釈を請求できるのは、被告人自身や弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直径の親族若しくは兄弟姉妹ですので(同法88条)、被告人自身やその家族が請求すれば簡単に通るだろうとも思う方がおられるかもしれません。
しかし、前科がある場合はそれに触れる必要があるほか、前科がない方でも「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」(4号)と評価されないよう、身元引受人がしっかり監督して出廷を確保することを誓約していることなどをしっかりと主張していかなければなりません。
これらの事情を的確に指摘することは、法律の知識が多くない一般の方には難しいと思われます。

東京都台東区下谷にて、家族が業務上横領罪などで逮捕されてしまい、起訴後に行われる保釈の手続きについて知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御相談ください。

ページの上部へ戻る