★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ5:罰則②(取引時確認事項の虚偽申告、両罰規定)~

★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ5:罰則②(取引時確認事項の虚偽申告、両罰規定)~

 今回は、犯罪収益移転防止法罰則のうち、取引時確認事項の虚偽申告両罰規定について解説します。

1 取引時確認事項の虚偽申告犯罪収益移転防止法27条)
 本シリーズ2でも解説しましたが、特定事業者は特定取引等をする際、本人特定事項等(取引時確認に係る事項)について顧客等に確認する義務を負っています(犯罪収益移転防止法4条1項、2項、4項)。この確認のことを「取引時確認」といいます。
 取引時確認を行う場合において、特定事業者に対して顧客等及び代表者等が、取引時確認に係る事項を偽ることは禁止されています(犯罪収益移転防止法4条6項)。
 顧客等又は代表者等の本人特定事項を隠ぺいする目的で、取引時確認に係る事項のうち当該顧客等又は代表者等の本人特定事項を偽った場合、その行為をした者には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はその両方が科されます(犯罪収益移転防止法27条)。

2 両罰規定犯罪収益移転防止法31条)
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して犯罪収益移転防止法25条から27条の罪に該当する行為をしたときは、その行為者が罰せられるほか、その人に対しては25条から27条のうち当該行為を処罰している条文に規定されている罰金刑が科され、法人に対しては①25条に当たる行為については3億円以下の罰金刑、②26条に当たる行為については2億円以下の罰金刑、③27条に当たる行為については100万円以下の罰金刑がそれぞれ科されることになっています(犯罪収益移転防止法31条)。

 次回は、預貯金通帳等譲受け等についての罰則について解説します。

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