東村山市で自動車解体業を営むAさんは、友人に頼まれて、ひき逃げ事件を起こした自動車をスクラップ処理した容疑で、後日、警視庁東村山警察署に証拠隠滅罪で逮捕されました。
すぐに家族が刑事事件専門の弁護士に依頼した事から、Aさんは勾留を免れ釈放されました。(フィクションです)
1 証拠隠滅罪
刑法第104条に「他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。」と証拠隠滅罪を定めています。
証拠隠滅罪は、正確な刑罰の認定を誤らせない事を目的とした法律で、公訴事実の判断の妨げとなる一切の行為を処罰の対象としています。
つまり、Aさんのように、第三者の起こしたひき逃げ事件の犯行車両をスクラップ処理する行為は当然、証拠隠滅罪に当たります。
証拠隠滅罪は、他人の起こした刑事事件に関する証拠に限定されています。
つまり自分の起こした刑事事件に関する証拠を隠滅、偽造、変造等しても成立しません。
また、証拠隠滅罪には、刑法第105条で「親族による犯罪に関する特例」が定められています。
犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために証拠隠滅罪を犯した場合は、刑が免除される可能性があるのです。
2 勾留の回避
Aさんの妻から依頼を受けた弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の、刑事事件専門の弁護士は、警視庁東村山警察署に留置中のAさんと接見しました。
そこで、警察の取調べにおいてAさんが素直に犯行を自供し、証拠資料を警察に提出している事を知ったのです。
この弁護士は、Aさんの勾留を阻止するための書類を作成して、その書類を裁判所に提出しました。
すると裁判官に、弁護士の意見が認められて、Aさんは勾留されることなく、逮捕から48時間以内に釈放されたのです。