【報道事例】大学に爆破予告をした2人を威力業務妨害罪の疑いで逮捕

【報道事例】大学に爆破予告をした2人を威力業務妨害罪の疑いで逮捕

東京音楽大学にFAXで爆破予告を送りつけた男性2人を威力業務妨害罪の疑いで逮捕したという報道がありました。
爆破予告をした当人はいたずらのつもりだったかもしれませんが、爆破予告は単なるいたずらでは済みません。

今回は、実際の報道をもとに、爆破予告で問われる可能性がある罪や逮捕後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が詳しく解説します。

【事例】

東京音楽大(東京都目黒区)にファクスで爆破予告を送りつけたとして、警視庁捜査1課は23日までに、威力業務妨害容疑で、男性A(22)と男性B(26)を逮捕した。

いずれも容疑を認めているという。

同様のファクスは1~5月、全国の高校や大学、自治体、企業で計30万件以上確認されており、同課は関連を調べる。

逮捕容疑は1月23日午前7時~7時半ごろ、2回にわたり、「高機能爆弾を334個しかけたナリ」「14時までに口座に30万円を払わないと爆弾が爆破する」などと記載したファクスを東京音大に送信し、業務を妨害した疑い

同課によると、2人は2022年秋、SNSで知り合い、爆破予告などを送りつける嫌がらせを思いついた。
匿名化ソフトで送信元を隠しつつ、大量にファクスを送信していた。
(※Yahoo!JAPANニュース8月23日配信『東京音大に爆破予告、大学院生ら逮捕 威力業務妨害容疑、全国で30万件超 警視庁』記事の一部を変更して引用しています。)

【爆破予告で問われる罪】

爆破予告で問われる可能性がある典型的な罪は威力業務妨害罪です。
今回の事例でも、爆破予告をした2人は威力業務妨害罪の疑いで逮捕されています。

威力業務妨害罪については、刑法第234条で以下のように規定されています。

  • 刑法第234条(威力業務妨害)
    威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

「威力を用いて」とは、威圧するような行為で相手の意思を制圧することを指し、この行為で正常な業務を行うことを妨害した場合に、威力業務妨害罪が成立します。

今回の事例のような爆破予告も、大学に対して威圧する行為として認められます。
さらに、爆破予告によって、学内にいる人を避難させたり爆破物を見つけるために学内を閉鎖したりするといった対応が必要になり、大学の正常な業務が妨害される可能性があるので、威力業務妨害罪が成立する可能性が高くなります。

また、威力業務妨害罪の条文で記載されている「前条の例による」とは、威力業務妨害罪の前に規定されている刑法第233条の信用毀損罪・業務妨害罪(偽計業務妨害罪)と同様の処罰が与えられるということを指します。

  • 刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)
    虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

つまり、威力業務妨害罪が成立した場合は、3年以下の懲役刑又は50万円以下の罰金刑で処罰されるということです。

【爆破予告をして逮捕された後の流れ】

爆破予告をして逮捕された後は、被疑者として扱われ、逮捕後72時間は身柄が拘束されることになります。
まずは警察から取調べを受けて、48時間以内に警察が検察に被疑者の身柄を送致し、その後、検察官が被疑者の取調べを行います。
検察官は、送致後24時間以内に被疑者を引き続き身柄を拘束した状態で取調べをする必要があるかどうかを判断し、必要があると判断されれば勾留手続きが行われます。

勾留手続きでは、検察官が裁判所に被疑者の勾留を求める勾留請求を行い、裁判官が勾留請求を認めれば、勾留が決定されます。
勾留が決定されれば、10日間身柄が拘束されることになり、追加で10日間延長することもできるため、最大20日間身柄を拘束される可能性があります。

検察官は、最終的に被疑者を起訴するかどうかの判断を行います。
不起訴処分となれば事件は終了しますが、起訴されれば、裁判にかけられる公判請求や罰金刑を言い渡される略式起訴がなされます。

【爆破予告による刑事事件を起こしてしまったら弁護士へ】

日本では、検察官が起訴した事件の99%は有罪判決が下されると言われているため、不起訴処分を獲得することが今後の人生を大きく左右するポイントになります。

不起訴処分を獲得するためにも、爆破予告による刑事事件を起こしてしまった際は弁護士に刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。
弁護士に刑事弁護活動を依頼することで、不起訴処分を獲得できる可能性も高まります。
また、弁護士の中でも、刑事事件の弁護活動の実績を多く持つ専門の弁護士に依頼することで、より不起訴処分を獲得できる可能性を高めることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当して不起訴処分を獲得した実績を多く持つ刑事事件少年事件専門の法律事務所です。

ご自身で爆破予告をしてしまったという方や、ご家族が爆破予告をしたとして急に逮捕されてしまった方は、まずは24時間受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

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