【報道事例】水に毒性物質を注入すると傷害罪が成立する?
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が傷害罪の概要について事例を用いて解説致します。
【事例】
トリカブトに含まれる毒性の物質を水に混ぜて女性に飲ませ、急性中毒に陥らせたとして、診療放射線技師の男が警視庁に逮捕されました。
傷害の疑いで今月5日に逮捕されたのは、都内の病院に勤務する診療放射線技師で、東京・足立区に住む容疑者A(27)です。
Aは今年6月8日の午前、勤務先の病院のスタッフルームでトリカブトに含まれる毒性物質「アコニチン」を注射器を使ってペットボトルに入った水に混ぜたうえ、同僚の20代の女性に飲ませて、嘔吐や手足の痺れなどの急性中毒に陥らせた疑いがもたれています。
警視庁によりますと、長浜容疑者は「アコニチン」が含まれる物質をネットで購入し、スタッフルームの机の上に置いてあった女性の飲みかけのペットボトルに入れたということです。
取り調べに対しAは「知らないうちに混ざってしまった」と容疑を否認しています。
女性は被害に遭った後、ペットボトル内の水を確認したところ、小さなゴミのようなものが浮いているのを不審に感じ、警視庁に相談しました。
その後、警視庁の捜査員が病院内を警戒していたところ、6月16日にAが再び女性のペットボトル内に注射器で液体を入れる様子を目撃したため、器物損壊の疑いで現行犯逮捕しました。
混入された物質を詳しく調べたところ、覚醒剤成分と判明し、Aは7月6日に覚醒剤所持の疑いで再逮捕され、その後、起訴されました。
Aは最初の逮捕時の取り調べに対し「女性に好意があった」と供述し、女性が体調を崩した後に介抱をするなどしていて、警視庁は詳しい動機を追及しています。
(※8/22(火)に『Yahoo!ニュース』で配信された 「放射線技師を傷害容疑で逮捕 トリカブトの毒性物質を水に混ぜ…同僚女性に飲ませた疑い 覚醒剤も混入しようとしたか 警視庁」 記事の一部を変更して引用しています。)
【解説】
1.傷害罪とは?
傷害罪(しょうがいざい)とは、「人の身体を傷害した」場合に成立する犯罪です。
刑法第204条には次のように規定されています。
- 刑法第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害した(生理的機能の障害)には、ナイフで切る・殴って骨を折るなど外傷に限られず、意識障害や嘔吐、毒物による中毒症状も含まれます。
2.傷害罪の刑罰
傷害罪で有罪判決を受けた場合には、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
3.傷害罪で起訴・不起訴を決める要素は?
傷害罪が成立しても、すぐに起訴され処罰を受けるわけではなく、不起訴処分となり前科がつかない場合もあります。
傷害罪で起訴・不起訴を決定するポイント(要素)には以下のようなことが考えられます。
- 傷害(けが)の程度
- 犯行動機
- 犯行の経緯
- 示談の有無
- 過去の経歴(前科の有無など)
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が傷害罪の概要について解説致しました。
傷害事件では、被害者との示談成立の有無は起訴・不起訴を左右する重要な要素となります。
早期の段階で弁護士に示談交渉に入ってもらうことで、早期の身柄開放や不起訴処分獲得の確率がぐっと高くなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
東京都足立区およびその周辺に在住の方で、ご家族が警察に逮捕されてしまった方や、刑事事件を起こしてしまった方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。
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