不正競争防止法違反事件

・勤務先の会社にて、顧客情報を持ち出し、警視庁の警察官に逮捕された…

・不正にコピーされたゲームソフトを使用できるマジコンを販売した。
警視庁万世橋警察署の家宅捜索を受け、逮捕・勾留された…

1 不正競争防止法違反-営業秘密侵害罪

不正競争防止法は、事業者の営業を秘密の不正取得、不正開示などの一定の行為について、営業秘密侵害罪(不正競争防止法21条1項)として重い罰則を定め処罰しています。

原則として、事業者の営業秘密を、不正の利益を得る目的やその保有者に損害を加える目的で、不正な手段で取得した上、自ら使用したり、第三者に開示したりする行為は、営業秘密侵害罪として刑罰が科されます。

不正競争防止法21条1項各号にて、営業秘密の不正取得の類型が規定されています。

営業秘密侵害罪は、個人が被疑者・被告人となる場合、10年以下の懲役、1000万円以下の罰金又はこれら両方の併科となります。

会社などの法人が被疑者・被告人となる場合、3億円以下の罰金となります。

営業秘密侵害罪は、親告罪(起訴(公訴の提起)をするためには告訴が必要な犯罪)です。

営業秘密侵害罪の典型例として、会社で保管している顧客名簿を持ち出し、競業企業に渡す行為や、名簿業者に販売するような行為があります。

2 不正競争防止法違反-コピー商品・模造品

不正競争防止法21条2項1号~3号は、著名なブランドのコピー行為や模造品の販売行為等、不正の目的をもって不正競争を行った場合について、刑事罰を規定しています。

例えば、商品等の主体について混同誤認を生じさせる行為や、他人の著名な商品等表示を使用する行為、デッドコピー商品を流通させる行為等です。

このような不正競争防止法の違反行為を行った場合、5年以下の懲役、500万円以下の罰金又はこれら両方の併科となります。

会社などの法人が、業務に関して違反行為を行った場合、実際の実行行為者個人に対する刑罰に加え、業務の主体である法人に対しても罰金が科されるとする、両罰規定が定められています(不正競争防止法22条)。

3 不正競争防止法-技術的制限手段回避プログラム・装置の提供

不正競争防止法21条2項4号は、不正の利益を得る目的又は、技術的制限手段を用いている者に損害を加える目的で、不正競争を行った者について、5年以下の懲役、500万円以下の罰金、又はこれら両方の併科の罰則を定めています。

技術的制限手段を用いるものとして、テレビの有料放送、家庭用ゲーム機のゲームソフトなどがあります。

技術的制限手段回避プログラム・装置の提供等で不正競争防止法違反となる具体例としては、違法にコピーされたゲームソフトを利用できるようにするプログラムや装置(マジコンなど)の提供・販売行為や、有料放送の契約者のみ視聴できるスクランブル放送を回避するためにB-CASカードを改ざんするプログラムや装置の提供・販売行為などがあります。

不正競争防止法違反事件で弁護士を選任

不正競争防止法違反で警察に逮捕・勾留された場合、すぐに弁護士へ相談してください。

不正競争防止法には様々な禁止行為が定められており、迅速に状況を把握した上適切な弁護活動をする必要があります。

例えば、デッドコピー商品などの場合、販売した商品数や期間、権利者への侵害の程度など犯罪の規模によっては、正式裁判となり懲役刑が言い渡される可能性もあります。

不正競争防止法違反には、違反行為について専門的な法解釈が必要な場合もあります。

早期に弁護士に依頼することで、今後の事件の見通しに基づく、一貫した弁護活動を受けることができます。

不正競争防止法違反での警察での取調べは、入手経路や販売先、余罪の有無など多岐にわたります。

逮捕直後は、連日の取調べや捜査が行われることが予想されます。

取調べの中で、警察官に話した内容と異なるニュアンス・文脈で供述調書が作られる可能性もあります。

早期の釈放のためにも不正競争防止法に強い弁護士へ相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部では、不正競争防止法違反事件の経験豊富な弁護士による最善のアドバイスを受けることができます。

刑事事件を専門に取り扱う弁護士が、直接「無料相談」を行います。

被疑者が逮捕された事件の場合、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。

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