【事例解説】「殺してやる!」隣人トラブルが脅迫事件に発展|脅迫罪が成立する要件は?
同じマンションに住む者同士の隣人トラブルが刑事事件に発展するというケースは珍しくありません。
今回は、隣人トラブルが脅迫事件に発展した事例をもとに、脅迫罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
東京都新宿区にあるマンションに在住の男性A(52)は、隣の部屋に住んでいる男性V(31)が友人を招いて部屋で連日騒いでいることに苛立っていました。
我慢の限界が来たAは、Vの部屋の扉を叩きながら「何日も騒いでいてうるさい!お前ら殺すぞ!」と語気鋭い口調で繰り返し叫んでいました。
このAの行動に恐怖を覚えたVが新宿警察署に通報し、現場に臨場した警察官からAは脅迫罪の疑いで逮捕されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【脅迫罪とは?】
今回、Aは脅迫罪の疑いで逮捕されています。
脅迫罪については、刑法第222条で以下のように規定されています。
- 刑法第222条(脅迫)
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
(第2項省略)
脅迫罪は、生命、身体、自由、名誉、財産に対して害を加える旨を告知して人を「脅迫」した場合に成立します。
「脅迫」とは、人を畏怖させることができる程度の害悪の告知を指します。
ただ、脅迫を受けた相手が実際に畏怖したかどうかについては必ずしも必要ではなく、判例では、一般人を畏怖させることができる程度の害悪の告知であったことを被害者が認識していればよいと解釈されています。
今回の事例で考えると、AはVの部屋の扉を叩きながら「お前ら殺すぞ!」と語気鋭い口調で叫んでいました。
「殺す」という言葉は、生命に対して害を加える内容に該当します。
また、Aの行為にVは恐怖(畏怖)しているため、Aの行為は人を畏怖させるには十分な程度の害悪の告知であると判断される可能性が高いです。
そのため、Aの行為は脅迫罪に問われる可能性が高いため、警察に逮捕されたと考えられます。
【脅迫事件を起こしてしまったら弁護士へ】
脅迫事件を起こしてしまった場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
脅迫罪のような被害者が存在する犯罪の場合、被害者との示談を締結させることが重要なポイントになります。
被害者との示談を締結させることで、早期釈放や不起訴処分を獲得できる可能性がグッと高まり、起訴された場合でも量刑が軽くなる可能性が高くなります。
ただ、脅迫罪の被害者は加害者に対して強い恐怖心を抱いていることが多く、当事者同士で示談交渉を行おうとしても連絡を取り合ってくれないことが多いです。
弁護士に刑事弁護活動を依頼することで、弁護士が代理人となり、被害者に示談交渉を行うため、当事者間で示談交渉を行うよりもスムーズに示談が締結できる可能性が高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、脅迫事件はもちろん、様々な刑事事件で刑事弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。