自転車の一時利用で逮捕

自転車の一時利用で逮捕

自転車一時利用で逮捕されてしまった事例を題材に、刑事弁護士の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~
東京都港区高輪在住のAは、港区高輪の会社に勤める会社員です。
Aはある休みの日に、港区内を歩いていたところ、他人の自転車が無施錠のまま駅の駐輪場の近くに停められていることに気づきました。
Aは、この自転車を度々使用しては、元の場所に戻す行為を繰り返していました。
事件当日、自転車を利用していたAは、港区高輪を管轄する高輪警察署の警察官の職務質問を受け、その後、占有離脱横領罪の疑いで逮捕されました。
(本件は事実をもとにしたフィクションです。)

~自転車の一時利用と占有離脱物横領罪~

(遺失物等横領)
第254条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

この罪(刑法254条)は、「遺失物」や「漂流物」の他「占有を離れた他人の物」(以下、占有離脱物という)を「横領」した場合に成立する犯罪です。
横領罪の一種ではありますが、特に占有離脱物横領罪は窃盗罪との区別が問題となることが多い犯罪です。
なぜなら、占有が被害者に残っているか否かはその判断が難しいことも少なくなく、実務上もどちらの犯罪が成立するかはケースバイケースと言わざるを得ないからです。
そこで本件では、すでに自転車の占有が自転車の所有者(あるいは占有者)から離れてしまった状態であることを前提に、犯罪の成否を検討してみましょう。

一般に財産罪については、「罪を犯す意思」(刑法38条1項本文)すなわち「故意」に加えて、不法領得の意思という財産罪に特有の要件が必要となります。
そして、横領罪における不法領得の意思は、窃盗罪等とは異なり、「他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い処分・利用する意思」(いわゆる利用処分意思)があれば足りるものと解されています。
したがって、仮にこれが認められない場合、犯罪を犯す故意を有していた場合でも、「横領」行為がないことから犯罪は成立しないことになります。
では、本件のような他人の自転車一時利用する場合にも、上記利用処分意思が認められるのでしょうか。
この点、本件のように他人の自転車を一時的とはいえ、その経済的用法に従い利用することは、本来自転車の所有者でなければ行い得ない行為といえ、Aの行為は「横領」行為として、占有離脱物横領罪が成立する可能性は十分にあると考えられます。
ただし、この判断もまた微妙であり、専門性を有した弁護士と法律相談等を行うことが不可欠であるといえるでしょう。

~逮捕された場合(身柄事件)における弁護活動~

憲法34条前段は、「抑留又は拘禁」された者(すなわち逮捕・勾留等された者)には「直ちに弁護人に依頼する権利」を有する旨を規定しています。
これを具体化し、実効性を与えたのが刑事訴訟法39条1項による、接見交通権です。
この接見交通権は、「身体の拘束を受けている被告人又は被疑者」と「弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者」が立会人なくして接見することを認めるものです。
この憲法に由来する権利により、逮捕・勾留等されてしまった方も、弁護士と相談し、助言・援助を受ける機会を得ることができます。
なお、刑事訴訟法39条3項は、捜査機関による接見指定権(上記接見交通権に対する一定の制限)を認めていますが、実務上は原則的に弁護士によるスムーズな接見を認める傾向にあるといわれており、現在では早期接見に対する障害は少ないと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、占有離脱物横領罪を含む刑事事件を専門として取り扱っている法律事務所です。
占有離脱物横領事件で逮捕された方の早期接見をご希望のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

また在宅事件の場合も、高い専門性を有する刑事弁護士との無料相談をお受け頂くことが可能ですので、上記フリーダイヤルまでご連絡をお待ちしております。

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