住宅ローン~遅延していないのに刑事事件に?~

2021-10-14

住宅ローン~遅延していないのに刑事事件に?~

【ケース】
東京都品川区在住のAは、品川区内の会社に勤める会社員です。
Aは仕事以外で収入を得ようと考え投資について調べていたところ、友人から分譲マンションの経営を勧められました。
そこで品川区内にあるコンサルタント会社に相談したところ、「長期固定金利住宅ローン」を利用することで金利が安く抑えられると説明を受けました。
そして契約手続きに進みましたが、書類の中で「自分の住居として使用するための購入ですか」といった趣旨のチェック項目がありました。
Aはコンサルタントに自分の住居としては購入しないがどうすれば良いか確認したところ、コンサルタントは「形式的なことだから問題ないのでチェックを入れてください。」と説明したため、Aはそのとおりにして分譲マンションを購入し、第三者に貸して賃料収入を得ていました。
ローンについては遅滞なく返済し続けていました。

数年後、金融機関から連絡が入り、分譲マンションの件で聞きたいことがあると言われました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【詐欺罪について】

まずは詐欺罪の条文について確認します。
条文は以下のとおりです。
刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
 2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪に当たる行為とは、
・加害者が被害者を欺罔する(騙す)
・被害者が錯誤に陥る(騙される)
・被害者が加害者に財物を交付した
・一連の流れに因果関係が認められる
とされています。
例えば、加害者側に欺罔する意思はなく誤って料金を請求した場合や、被害者側が勘違いして財物を渡してしまった場合などには、詐欺罪は成立しません。

ケースについて検討すると、Aは実際には不動産投資の目的で分譲マンションを購入しようとしているにもかかわらず、長期固定金利住宅ローンの契約をするため、自分が住む家であると嘘を吐くことで金融機関を欺罔し、金融機関はその書類を以て錯誤に陥り、財物を交付していますので、詐欺罪にあたります。

ちなみに、Aはコンサルタントに「形式的なことだから問題ない」という説明を受けていますが、たとえそのような説明を受けていたとしても、A自身が書面で虚偽の申告をしている以上、詐欺罪は成立します。

【返済していても罪に当たる?】

とはいえ、Aはローンについて、滞りなく返済を続けています。
その点で、被害者である金融機関には損失はないようにも思われます。
しかし、詐欺により財物を詐取している以上、たとえ実際の損失がなかったとしても、罪は成立します。
本件に限らず、例えば消費者金融で融資を受ける際に別人の名義で手続きをしたり、職業や収入などを偽るなどした場合には、返済が遅滞なく行われていたとしても詐欺罪にあたります。

反対に、適切な手続きにより融資を受けた場合、返済が滞ったとしても刑事事件の問題にはならず、民事上の争いとなります。
民事上の手続きにより差押えなどに発展する恐れはありますが、刑事罰を受けることにはなりません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所は、詐欺罪などの財産犯を数多く取り扱ってまいりました。
東京都品川区にて、本来は住居用に用いる予定がないにもかかわらず、金融機関を騙すなどして長期固定金利住宅ローンなどを契約してしまい、返済は遅滞なく行われているものの詐欺罪などの刑事事件に発展している場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御相談ください。

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