【解決事例】強制わいせつ疑惑の触法少年

【解決事例】強制わいせつ疑惑の触法少年

強制わいせつの疑いをかけられた触法少年の弁護活動・付添人活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都台東区在住のAさんは、台東区内の小学校に通う11歳です。
Aさんは事件当日、台東区内の同級生の友人宅で遊んでいたところ、友人の妹であるVさん7歳と2人でVさんの部屋で遊ぶ機会がありました。
その際、Vさんは日頃の習慣で部屋に鍵をかけました。
その後Aさんはトラブルなく遊んで帰りましたが、帰宅してしばらく経った後、Vさんの保護者からAさんの保護者に連絡があり、「VさんがAさんからわいせつな行為をされたと言っている」「下谷警察署の警察官に相談する」と言われました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制わいせつ事件について】

今回の事例では、AさんがVさんに対して行ったとされる内容は
・Vさんに下着を脱ぐよう言った
・AさんがVさんの股を触った
というものです、
この場合、強制わいせつ罪の適用が考えられます。

刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

今回、Vさんは7歳でAさんは11歳でした。
条文を見ると、被害者が13歳未満の場合は「暴行又は脅迫」を用いていると否とにかかわらず、強制わいせつ罪は成立します。
よって、Vさんの保護者が主張する事実が真実であれば、Aさんが強い口調で迫ったり暴行などを加えたりしていなかったとしても、強制わいせつ罪は成立します。

【触法少年について】

今回の事件で捜査の対象となったAさんは、事件当時11歳でした。
20歳未満の少年は、少年法上の「少年」に位置付けられますが(少年法2条1項)、その中で以下のように区分されます。
・犯罪少年:罪を犯した14歳~19歳の少年(少年法3条1項1号)
・触法少年:罪を犯した14歳未満の少年(同2号)
・ぐ犯少年:罪は犯していないが将来的に罪を犯す等の恐れがある少年(同3号)

今回のAさんは、嫌疑が事実であるとすれば強制わいせつ罪を犯した14歳未満の少年に該当しますので、触法少年として扱われます。

触法少年の場合、刑事未成年に該当するため罰せられることはありません。(刑法41条)
そのため、触法少年が逮捕されたり、取調べを受けたりすることはない、とされています。
但し、触法少年に対しては、必要に際し一時保護の措置により児童相談所に事実上の拘束をされたり、触法調査の一環として実質的な捜査や取調べを行うことができます。
触法調査が行われた後、警察官は児童相談所又は管轄の家庭裁判所に通告又は送致することができます。
児童相談所については、必要に応じて、家庭裁判所に送致することができます。
触法少年の送致を受けた家庭裁判所の裁判官は、調査官による調査を行い、必要に応じて審判を開き保護処分を決めます。

【触法少年に対する付添人活動】

Aさんの事件の特徴としては、
・Aさんが14歳未満の触法少年であること
・そもそも論として嫌疑を否認していること
が挙げられます。
否認事件での触法調査では、少年が14歳未満であることを考慮して行われますが、少年にとっては威圧的・誘導的な質問が行われる可能性がありました。
そこで弁護士は警察官・児童相談所員が行う触法調査にすべて同席し、誘導的な質問やAさんが説明できていない部分について適宜指摘やアドバイスを行いました。
また、触法調査とは別に、弁護士とAさんが1対1で話をする場を設け、そこで聴いた内容は弁護人面前調書として書類にしました。
児童相談所に対しては、弁護人面前調書を含めた意見書を提出した結果、Aさんは家庭裁判所送致されることなく事件が終了しました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、刑事事件のみならず少年事件についても数多く経験してきました。
東京都台東区にて、14歳未満(触法少年)のお子さんが強制わいせつの嫌疑をかけられている、触法調査を受けている、児童相談所に一時保護されているという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
ご在宅での調査中の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
お子さんが児童相談所などに拘束されている場合はこちら。

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