【解決事例】暴行事件で対面謝罪に同席

【解決事例】暴行事件で対面謝罪に同席

暴行事件で逮捕された方の弁護活動の一環として、対面謝罪に同席したという事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都大田区在住のAさんは、大田区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、酒に酔って羽田空港の敷地内(野外)で放尿をしていたところ、目撃した空港利用客VさんがAさんを咎めました。
AさんはVさんに対して暴言を吐いたうえ、Vさんの胸倉を掴み、2度蹴りを入れました。
目撃者の通報を受けて臨場した大田区の羽田空港を管轄する東京空港警察署の警察官は、Aさんを暴行罪で現行犯逮捕しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【暴行事件について】

今回Aさんが逮捕された際の嫌疑は、Vさんに対する暴行でした。
暴行罪の条文は以下のとおりです。

(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

Aさんの事例では、幸いなことに被害者であるVさんに怪我がなかったため、Aさんは傷害罪ではなく暴行罪に問われました。
なお、Aさんにはほかに、脅迫罪(刑法222条1項)の成立や、公然わいせつ罪(刑法174条)が成立する可能性もありました。

【身柄解放活動について】

依頼を受けた当事務所の弁護士はAさんからしっかり話を聞いて、Aさんが罪を認め反省していることや被害者に謝罪し示談したいという意向を確認しました。
弁護士は、Aさんが会社員であり勾留されると最悪の場合には解雇されてしまうため、まずはAさんの身柄解放活動を行いました。
具体的には、Aさんの家族から聞いた話を踏まえ、Aさんが釈放されても逃亡(あるいは逃亡を疑われるような行動)をしないことや、証拠隠滅の具体的な恐れがないことなどをまとめた書類を作成し、検察官に対してAさんに勾留が必要ないため勾留請求を行わないよう求めました。
Aさんの事件を担当した検察官は、Aさんに勾留は不要であると考え、裁判所に勾留請求することなくAさんを釈放しました。

【対面での謝罪に同席】

逮捕された後早期に釈放が実現した場合でも、Aさんの捜査は在宅で行われます。
弁護士は、担当検察官に「AさんがVさんに謝罪したいと考えているため、取り次いでもらえないか」と依頼したところ、Vさんは「弁護士限りで連絡先を伝えても良い」という回答でした。
そこで、早速弁護士はVさんに連絡して、Aさんの弁護人であることやAさんが反省していることなどを伝え、
・Aさんの対面での謝罪を受ける意向はあるか
・Aさんとは直接接触せず弁護士とだけ連絡を取り合うか
をご検討いただいたところ、VさんはAさんの対面での謝罪を受けてくださるという回答を得られました。
そこで、弁護士は日程調整のうえ、Aさんと一緒にVさんが指定した場所に赴き、VさんとAさんとの謝罪の場に同席しました。
対面での謝罪の場では、しばし感情的な言動や行動に出る当事者の方もおられますが、弁護士が同席していたこともあり、Aさんの事例では和やかな雰囲気で執り行われました。

最終的に、Vさんは示談書の締結と示談金の受け取りに納得してくださり、被害届を取り下げられたため、検察官に対してその旨を伝えました。
検察官は、示談交渉の結果などを考慮し、Aさんを不起訴としました。

被害者がいる刑事事件では、良い結果をもたらすためにも、道義的にも、民事上の請求(損害賠償請求)のリスクをなくすためにも、示談交渉は重要です。
示談交渉と一口で言っても、その内容は千差万別で、基本的に被害者の方の意に即したかたちで進めていくことになります。
たとえば性犯罪の場合は、被害者の方が加害者や加害者の家族と対面での謝罪を受け入れることは稀ですが、暴行罪のような粗暴犯事件では対面での謝罪を希望する被害者の方が少なからず居られます。
先述のとおり、対面での謝罪は更なる揉め事に発展する恐れもあるため、第三者であり法律家である弁護士が同席して行うことが望ましいと言えるでしょう。
東京都大田区にて、家族が暴行罪で逮捕されてしまい釈放して欲しい、対面での謝罪に同席して欲しいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

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