【解決事例】痴漢事件で略式手続
痴漢事件を起こした場合に問題となる罪と、略式手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。
【事例】
東京都八王子市南大沢在住のAさんは、八王子市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当時酒に酔っていて、へべれけ状態で八王子市南大沢の路上で前を歩いている女性Xさん、Yさんを驚かせようと考え、二人の臀部(お尻)を触る痴漢行為をしました。
Xさん、Yさんからの通報を受けて臨場した八王子市南大沢を管轄する南大沢警察署の警察官は、Aさんを痴漢をした嫌疑で逮捕しました。
Aさんの家族が当事務所に初回接見を依頼された時点で、Aさんは勾留されていました。
そこで、初回接見後に弁護を依頼された当事務所の弁護士は、すぐに勾留の決定に対する不服申し立て(準抗告)を行った結果、準抗告が認容され、Aさんは早期に釈放されることとなり、会社に出勤することが叶いました。
その後弁護士は、Aさんや家族の意向を踏まえXさん、Yさんに対して謝罪を行うべく検察官を通じて連絡を取り合いましたが、お二人とも謝罪や弁済を受ける気持ちはないということで、示談には至りませんでした。
最終的に、Aさんの担当検察官はAさんを略式手続にすると決めました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【痴漢について】
Aさんは、東京都八王子市南大沢にて路上を歩いている女性2人対し、臀部を触るといういわゆる痴漢行為をしました。
痴漢については、各都道府県の定める迷惑防止条例によって処罰される場合が一般的です。
東京都での痴漢行為については、東京都の定める公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の処罰に関する条例が問題となります。
該当する条文は以下のとおりです。
条例第5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
罰条:罰条は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」
【略式手続について】
我が国の最高法規である日本国憲法では、以下のような規定があります。
憲法32条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
憲法37条1項 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
他にも、令状主義や適正手続きなどのルールが、憲法により定められています。
これらの規定により、罪を犯した被疑者が検察官により起訴された場合、公開の法廷で裁判を受け、生い立ちや事件の内容をつまびらかに話したうえで、判決を宣告されます。
但し、刑事事件を起こしたすべての者が刑事裁判を受けることになると、検察官・裁判官が負担過多になってしまいます。
そこで、比較的軽微な犯罪で、事案が単純であり、被疑者(加害者)が罪を認めていて、本人が同意している場合、公開の法廷で行われる裁判に拠らずに、100万円以下の罰金刑又は科料(1000円以上1万円未満の財産刑)を科すことができます。
これが、略式手続(略式起訴、略式裁判などとも言います。)です。
略式手続は、正式裁判に比べて短い時間で終了し、裁判所で傍聴人に傍聴されたりするようなことがないため、被疑者(被告人)にとってもメリットが大きいです。
東京都八王子市南大沢にて、ご家族が痴漢などの刑事事件で逮捕されてしまい、略式手続の可能性などについて知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスを御利用ください。(有料)
刑事事件・少年事件専門の弁護士が逮捕・勾留されている方からお話を聞いたのち、初回接見ご依頼者様に丁寧にご説明いたします。