【解決事例】種の保存法違反で告発

【解決事例】種の保存法違反で告発

クワガタをインターネット上で販売していたところ、いわゆる種の保存法違反で告発されてしまったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都品川区在住のAさんは、品川区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは休日に趣味で昆虫であるクワガタを育てたり、希少なクワガタを購入し転売するなどの行為を繰り返し行っていました。
ある日、Aさんの自宅に品川区内を管轄する大井警察署の警察官が来て、希少野生動物に該当するクワガタを販売したという内容の告発を受けたため捜査を行うと説明を受け、令状を提示され家宅捜索を受けました。
後日取調べを受けることになったAさんですが、不安になり、取調べ前に当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【種の保存法違反について】

各国が批准する国際的な条約などにより、絶滅の恐れがある生物が保護されています。
それらの条例に従う、あるいは保管するかたちで、我が国では「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称:種の保存法)で絶滅の恐れがある野生動植物を保護しています。
具体的には、個体の捕獲や譲渡、輸出入の禁止・制限を設けたり、各許可を受けた者に対する指導などを行ったりしています。

今回のAさんの事例では、種の保存法で指定されているクワガタを購入し転売しているという点で問題があるのではないかということで、捜査を受けました。
問題となる条文は以下のとおりです。

種の保存法12条1項 希少野生動植物種の個体等は、譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引取りをしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
(略)

【告発されたら弁護士へ】

今回のAさんの事件で特徴的なのが、告発を受けて警察が捜査を開始したという点が挙げられます。
刑事事件では警察官などの捜査機関が捜査を行うことになりますが、その際に、捜査の端緒(いわばきっかけ)が必要になります。
捜査の端緒は、現行犯や通報、被害者による被害届の提出が多いと考えられます。
この捜査の端緒のひとつに、「告訴」と「告発」があります。

告訴と告発は、どちらも司法警察員・検察官に対して犯罪事実を申告することに加え、犯人にたいして厳格な刑事処罰を求めるという点で共通しています。
但し、告訴と告発では対象が異なり、

告訴:犯罪により害を被った者(刑事訴訟法230条)法定代理人(同231条1項)及び被害者が死亡した場合の配偶者・親族(同231条2項)などにのみ認められている。

告発:何人でも(誰でも)、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。(同239条1項)とされていて、誰でも行うことができる。

とされています。
贈収賄の事件や政治家による汚職事件などで学者や弁護士の団体、あるいは市民団体が告発するという事例も見受けられます。

種の保存法違反についていうと、環境問題に関心を抱く団体などによる告発が考えられます。
今回のAさんの件についても、インターネット上でクワガタを販売していたことから、それを見た環境保全団体によって告発されたものだと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部では、種の保存法違反事件のような比較的件数が少ない事案についても対応しています。
東京都品川区にて、種の保存法違反で告発を受けてしまい家宅捜索を受けた、という方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の無料相談をご利用ください。
家族が逮捕・勾留されている場合は、初回接見サービス(有料)を御案内致します。

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