【解決事例】盗撮事件で実名報道

【解決事例】盗撮事件で実名報道

某有名企業の従業員が盗撮事件で逮捕され実名報道されてしまったものの、早期釈放が認められ、会社対応により懲戒処分は受けたが職場復帰できたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都葛飾区在住のAさんは、都内の有名企業に勤務する会社員です。
事件当日、Aさんは葛飾区内の駅構内エスカレーターにて、前方に立っていた女性Vさんのスカート内にスマートフォンを差し向ける方法でいわゆる盗撮をしました。
後ろに立っていた目撃者がAさんの盗撮行為に気付き、駅員に伝え、Aさんは駅員の通報により臨場した葛飾区内を管轄する亀有警察署の警察官によって逮捕されました。
葛飾警察署員より逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、当事務所の弁護士による初回接見サービスを利用し、その後弁護を依頼されました。

弁護士は担当検察官に対してAさんの釈放を求めました。
当初検察官は、既にAさんの事件が大々的に報道されていることからAさんがショックを受けて自傷行為に走るのではないかと危惧していましたが、接見時の様子と、家族の監督体制が整っていることを説明し、釈放しても捜査に支障を来さないことを主張した結果、担当検察官は勾留請求することなくAさんを釈放しました。

その後弁護士は、被害者に対しAさんに代わって謝罪し、示談交渉を行った結果、示談締結に至りました。
担当検察官は示談締結を踏まえ、Aさんを不起訴処分としました。

本件で特筆すべきは、Aさんが有名企業に勤務していて、逮捕直後に大々的に報道されました。
会社は報道で初めて事件を知ることになりますが、事件の詳細や見通しは分かりません。
そのため弁護士はすぐにAさんの上司や人事関係者に連絡し、随時状況の報告を行いました。
また、Aさんの釈放後は会社訪問し、Aさんが起こした事件は単純かつ一般論として比較的軽微と考えられる事件で、余罪もなく、示談交渉により被害者対応も行っていることを伝え、Aさんに対して行われる懲戒処分は寛大なものであるよう求めました。
結果的に、Aさんは地方転勤などの処分は受けましたが、会社に残ることが出来ました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【盗撮事件について】

今回、Aさんは東京都葛飾区にて、女性のスカート内にスマートフォンのカメラを差し向けて下着を撮影しようとするいわゆる盗撮事件を起こしました。
この場合、東京都の定める迷惑行為防止条例(正式名称は公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)に違反します。
条文は以下のとおりです。

東京都迷惑防止条例
5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
 1号 略
 2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ (略)
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

上記条例に違反した場合の罰条は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。(同条例8条2項1号)

【会社対応の必要性】

刑事事件を起こしてしまった場合に、必ずしも会社に連絡される、というわけではありません。
一般論として、
・身分確認が必要な場合
・公務員の場合
・会社内での事件事故を起こした場合
については、捜査機関から会社に連絡されます。
他方で、それ以外の事件では、多くの場合は会社に連絡されることはありません。

しかし、Aさんのように有名企業に勤務している場合や悪質な事件の場合、その他報道の価値があると判断されるような場合、マスメディアが被疑者の実名報道を行うことで、会社に知られてしまう場合があります。
会社側としては、報道される以上の内容は分からず、事件の詳細や身柄拘束の期間、結果の見通し、法的に見た悪質性の程度などについて知りたいと思うことでしょう。
そのような場合、弁護士は逮捕されている方自身と相談をしたうえで、会社の担当者に適切な説明を行うことで、会社内での厳しい処分を回避することができる場合があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、これまで数多くの刑事事件・少年事件を担当してきました。
Aさんのように、実名報道されたことで会社対応が必要になった、という事例も多々ございます。
会社対応は適切かつ丁寧に行う必要があり、経験が求められる部分でもあります。
東京都葛飾区にて、家族が盗撮事件で逮捕されてしまい、実名報道されたことにより会社対応が必要という場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
まずは弁護士が初回接見サービスを行い、逮捕されているご本人に事件の詳細等について伺ったうえで、今後の見通しや会社対応で重要になるポイントなどについてご説明致します。(有料)

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