警視庁大崎警察署で逮捕

逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

Aさんは、東京都品川区の老人介護施設で老人介護の仕事をしています。
3ヶ月前に、Aさんが介護を担当していた入所者(90歳、女性)が浴室で溺れ死んでいるのが発見され、警視庁大崎警察署は事故と事件の両面から捜査をしていました。
Aさんもこれまで何度か、警視庁大崎警察署に呼び出されて取調べを受けています。
そして今朝、警察署から呼び出しを受けて出頭したAさんは、業務上過失致死罪逮捕されてしまったのです。
死亡した女性は、入浴時の介護が必要であったにも関わらず、入浴中にAさんが浴室を離れて別の業務に従事していたことに対して、業務上必要な注意を怠っと判断されたようです。
(この話はフィクションです)

◇業務上過失致死罪~刑法第211条前段~◇

業務上必要な注意を怠って、人を死傷させると「業務上過失致死傷罪」に抵触します。
業務上過失致死傷罪は、行為者の過失が業務上のものである場合における過失致死傷罪の加重類型です。
そのため法定刑は、過失致死傷罪よりも厳しい「5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」が規定されています。
これは、行為者が業務に従事しているため、通常人に比べると、特に重い注意義務が課せられているためです。
業務上過失致死傷罪の主体は「死傷の結果を惹起しやすい業務に従事する者」です。

~「業務」とは~
①本来、人が社会生活上の地位に基づいて反復継続して行う行為であり、かつ、その行為は他人の生命・身体に危害を加えるおそれのあるものをいいます。
②主たる職業である必要はなく、本務であるのと兼務であるとを問いません。
③反復継続的に行われていなければなりませんが、継続して従事する意思があれば、1回の行為であっても業務とされる場合があります。
④業務は、必ずしも適法なものである必要はなく、違法な行為であっても業務となる場合があります。

~「過失」とは~
①行為時の客観的状況下において、結果の発生を予見し、これを回避するために何らかの作為又は不作為に出るべき注意義務があるのに、これを怠ることをいいます。
②過失の要件は、結果の発生を予見することの可能性と、その義務及び結果の発生を未然に防止することの可能性とその義務です。

~因果関係~
業務上必要な注意を怠った過失行為と死傷との間には因果関係がなければなりませんが、因果関係を具体的に予見する必要はなく、予見の可能性が認められた場合は「過失犯」としての責任が問われます。

◇逮捕◇

逮捕には、現行犯逮捕緊急逮捕通常逮捕の3種類があります。
現行犯逮捕は、犯行の最中や、犯行直後にしかできないといった事件発生からの時間的な制限がありますが、緊急逮捕や通常逮捕には、そのような時間的な制限はありません。
ただし緊急逮捕できる犯罪は限られており(犯罪の重要性)、更に、逮捕時に緊急性(今逮捕しなければ犯人が逃走したり証拠隠滅するといった状況)が必要となります。
また通常逮捕には、裁判官の発した逮捕状が必要になります。
今回の事件のように、事件発生から3ヶ月という時間が経過している場合、現行犯逮捕することは不可能です。
また、Aさんがこれまで任意の取調べに応じていることを考えると、その場でAさんを逮捕しなければならないといった、緊急性があるとは考えづらいのではないでしょうか。
となれば、Aさんは通常逮捕された可能性が高く、当然、警察は事前に裁判官の発する逮捕状を得ているでしょう。
通常逮捕に必要不可欠な逮捕状は、警察等の捜査機関が、裁判官に請求し、それが認められた場合に、裁判官によって発せられます。
Aさんのように任意の取調べに応じていたとしても、逮捕されることがあるので、警察で取調べを受けている方で逮捕されるか不安のある方は、事前に弁護士に相談することをお勧めします。

東京都内業務上過失致死罪に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が警視庁大崎警察署で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談、初回接見サービスをご利用ください。
初回法律相談:無料
警視庁大崎警察署までの初回接見費用:35,800円

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