新宿区の交通事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事故◇
東京都新宿区に住む主婦Aさんの夫は、トラックで東京都内のドラッグストアに商品を配送する、ルート搬送のドライバーをしています。
昨日は、いつも通り朝6時ころに自宅を出て出勤しましたが、普段帰宅する時間になっても帰宅しません。
心配になったAさんは、これまで何度も夫の携帯電話に電話しましたが、通じませんでした。
そして、夫が事件に巻き込まれたのではないかと不安になったAさんは、今朝になって、近所の警視庁牛込警察署に夫の捜索願に行ったのです。
するとそこで、対応した警察官から「交通事故を起こして逮捕している。」ことを聞かされました。
Aさんは、すぐに交通事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです。)
◇人身事故◇
車を運転する機会が多い現代社会で、人身事故は、年齢、職業、性別を問わず誰しもが巻き込まれる可能性のある、一番身近な刑事事件ではないでしょうか。
過失の割合が低く、被害者が軽傷であれば、刑事事件化されなかったり、刑事事件化されたとしても、検察庁に書類送検された後に不起訴処分となりますが、過失の割合が高かったり、被害者が重傷を負っている場合は、過失運転致死傷罪が適用されて刑事罰が科せられる可能性があります。
◇過失運転致死傷罪◇
過失運転致死傷罪とは、平成25年に施行された「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に規定されている法律です。
この法律の第5条に「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」と明記されており、その法定刑は「7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金」です。
~過失(注意義務)~
車(バイク)の運転手には注意義務があります。この注意義務を怠って事故を起こし、人に傷害を負わせる行為に対して、上記の過失運転致死傷罪が適用されます。
逆に、細心の注意を払って車を運転していたにも関わらず、想定外の状況に陥って事故が起こってしまった場合は、過失が極めて低いと考えられるので、過失運転致死傷罪が適用される可能性は極めて低いと言えるでしょう。
◇逮捕されるの?◇
単なる人身事故であっても、被害者が重傷を負っている場合や、他に交通違反を犯し、その違反が原因で交通事故を起こしている場合などは、単なる人身事故であっても警察に逮捕される可能性があります。
特に、その違反が飲酒運転や、スピード違反、信号無視等の悪質な違反であったり、無免許運転の場合は逮捕される可能性が非常に高く、場合によっては勾留までされてしまいますし、状況によっては、危険運転致死傷罪が適用されることもあります。
また今回の事件のように、事故を起こしたの方が、車の運転を職業としているような場合は、厳罰化されるおそれがあるので注意しなければなりません。
◇人身事故の刑事弁護活動◇
~早期身体解放~
単なる人身事故で逮捕された場合、他に違反がなければ勾留されずに逮捕から48時間以内に釈放される可能性が十分に考えられます。
早期に刑事事件に強い弁護士を選任することによって早期釈放が望めるので、ご家族、ご友人が人身事故を起こして逮捕された場合は、一刻も早く弁護士を選任してください。
~刑事処分の軽減~
人身事故は、被害者との示談の有無によって、その処分が大きく変わります。
車を運転する方が加入する保険会社が行うのは、修理費や治療費等の実費に関する交渉であって、事故を起こした方の刑事罰を軽減する等の、刑事手続き上の示談交渉にまで及でいない場合がほとんどです。
刑事処分を少しでも軽減したいのであれば、刑事事件専門の弁護士に示談交渉を依頼することをお勧めします。