【お客様の声】組織犯罪処罰法違反で執行猶予判決

2021-06-30

【お客様の声】組織犯罪処罰法違反で執行猶予判決

◆事件概要◆
東京都在住の対象者(30代男性)は, いわゆる詐欺集団の一員として,実際には購入手続きをしていない商品を一方的に送り付けて料金を支払わせるという「送り付け商法」に携わっていました。
被害者が非常に多く,被害金額も高額で,実刑判決も見込まれる事案でした。

◆事件経過と弁護活動◆

対象者は,逮捕される前の在宅捜査のタイミングで無料相談に来所され,御依頼になりました。
「事件発生=逮捕」というイメージをお持ちの方もおられるかもしれませんが,一貫して在宅捜査を進めるというケースもあります。
また,この事例のように共犯者が複数名いる事件では,まずは在宅捜査で各人の役割などを確認し,事件の全貌を確認したうえで,逮捕に至る場合もあります。

この事件は,背後にいる主犯格が数多く事件を起こしていて,対象者自身も知らない事件・事情が少なくありませんでした。
よって,弁護士は,取調べの前後で対象者と念入りに取調べ対応を行うとともに,取調官(警察官)と密に連絡を取り,捜査の進捗状況や次回の取調べ予定,送致時期などを確認していました。

対象者は,最初の取調べから半年以上経ったのち,逮捕・勾留されるに至りました。
逮捕は予想されていたことで,弁護士は逮捕の知らせを受けた当日中に警察署に行き,接見をしました。
また,共犯者が多いことから,勾留と併せて接見禁止がつくことが予想されましたが,弁護士が勾留と接見禁止を決める裁判官と事前に協議し,依頼者(対象者の両親)や交際相手の方が事件には関係していないことを主張したことから,対象者の両親と交際相手の方は接見禁止の対象から除外されました。

併せて,対象者が検察官に送致されるとすぐ,検察官を通じて被害者の方の連絡先を確認し,被害者の方に対して連絡を試みました。
弁護士が丁寧に説明し,対象者に代わって謝罪をしたことで,結果として起訴が予定されていたすべての事件の被害者の方と示談をしていただくことができました。

勾留延長の満期日,検察官が起訴したと同時に弁護士は保釈請求を行い,その翌日には保釈が認められました。

対象者は詐欺罪で起訴されましたが,組織的に事件を起こしていたという事情から,訴因変更され,より厳しい刑罰が設けられている「組織犯罪処罰法違反」で裁判を受けることになりました。
(詐欺罪:1月以上10年以下の懲役/組織犯罪処罰法違反:1年以上20年以下の懲役)

起訴後,裁判所からは弁論併合決定(複数名の被告人が一緒になって裁判を受けること)がなされました。
しかし,併合された共犯者は別の事件でも起訴される予定だったため,併合したままでは対象者もその起訴を待つことになります。
つまり,そのまま手続きが進められた場合,対象者は関与していない事件の公判手続きが終わることを待たなければならず,判決言い渡しまでに時間を要する恐れがありました。

また,検察官が請求する証拠に対し,共犯者全員の意見が同じというわけではありませんでした。

その状況も踏まえ,弁護士は裁判所と協議した結果,弁論分離され,起訴後できるだけ少ない期間で判決言い渡しを受けることができました。

裁判では,起訴された事件すべての事件で被害者の方に弁済ができていること,示談書の中に被害者の方が「対象者に対する刑事処罰を求めない」という文言が含まれていたこと,依頼者を含めた対象者の家族が更生のサポートを約束していることなどの事情を汲み,執行猶予付きの判決が言い渡されました。
対象者にとっても依頼者にとっても,非常に良い結果になったと言えるでしょう。

◆まとめ◆

関係者が複数名いるような刑事事件の場合,捜査機関はすぐに逮捕するのではなく,最初は在宅で取調べを行い,全貌が見えたところで逮捕することがあります。

いわゆる詐欺事件は一般的には刑法上の「詐欺罪」が適用されますが,組織ぐるみでの犯行の場合にはより重い「組織犯罪処罰法違反」で処罰されることがあります。

基本的に刑事裁判は1人の被告人に対して行いますが,共犯者がいる場合には弁論併合され,一緒の裁判で判決が言い渡されます。
もっとも,例えばBさんがAさんより多く事件を起こしてしまった場合,AさんとしてはBさんの事件の手続きが終わるまで待つ必要があります。
そうなると,判決言い渡しが伸びてしまうため,Aさんとしては負担になるでしょう。
弁護士としては,裁判所に対し,その調整を行う必要もあります。

東京都内で詐欺罪や組織犯罪処罰法違反で捜査を受けている方がおられましたら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御相談ください。

ページの上部へ戻る