会社員Aさんは、会社の同僚に暴行したとして警視庁墨田警察署で取調べを受けています。Aさんは略式命令で裁判を回避してくれる弁護士を探しています。(※フィクションです)
暴行罪
暴行罪で起訴された場合、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料が科せられるおそれがあります。一言で「暴行」といってもどのような行為が暴行罪に当たるのかの態様は様々で、殴る、蹴る、突く、押す、引く等の人の身体に直接的に不法な攻撃を加えるのは当然のこと、狭い室内で日本刀を振り回す行為や、他人に向かって石を投げたり、唾を吐きかける行為も暴行罪に当たります。
ちなみに暴行の結果として相手に傷害を負わせた場合は、ケガをさせるつもりがなくても、傷害罪が成立します。
略式命令
略式命令は、暴行のように罰金、科料が法定刑に規定されている(100万円以下の罰金又は科料を科す場合のみ)犯罪に適用されます。
略式命令の手続きは、事実上争いのない事件に限られ、被疑者に異議がない場合に、検察官が簡易裁判所に申し立てによって行われます。
この手続きは、正式な公判手続きを経ることなく処分が決定するので、早期の事件終結、逮捕、勾留されている場合は早期の身体拘束からの解放というメリットがあります。
検察官が処分を決定する前に弁護士を選任する事によって、弁護士が検事と交渉したり、意見を述べる等して、略式命令による罰金刑になる場合もあります。
ただ、略式命令による罰金であっても前科となるので、事実を争って無罪を主張したい場合や、前科を回避したい場合は、検事から略式命令を告知されて、14日以内であれば正式裁判の請求し事実を争う事もできます。
なお、略式命令で科せられた罰金については、基本的に即日、一括納付が求められますが、状況によっては検察庁の徴収担当者が事情を調査して分納が認められる場合もあるようです。