~事件~
千代田区で工場を経営するAさんは、退職を申し出た従業員に対して、工場の従業員と共に暴行を加え、全治約2ヶ月の大ケガを負わせました。
被害者が警視庁丸の内警察署に被害を訴えたことから、Aさんは傷害罪で逮捕されましたが、暴行に加わった従業員は逃走しています。
Aさんの逮捕を知った家族は、逮捕から3日後に警視庁丸の内警察署でAさんに面会しようとしましたが、接見禁止が決定していたため面会することができませんでした。
(フィクションです。)
~傷害事件~
刑法204条は、「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と、傷害罪を規定しています。
当然、Aさんの行為は傷害罪に当たり、一緒に暴行した従業員はAさんの共犯となり、全員に傷害罪が適用されます。
~共犯事件と接見禁止~
二人以上の者で犯罪を犯すと共犯事件となります。
共犯事件を起こして警察に逮捕された場合、共犯者同士が通謀して証拠隠滅する可能性があることから、勾留と同時に接見禁止決定が付されることがよくあります。
接見禁止決定が付されると、除外されない限りは、友人など他人はおろか、ご家族の方でも面会することができません。
ちなみに共犯事件の他にも、否認している事件や、振込め詐欺のような組織犯罪については、接見禁止決定が付されることがよくあります。
~接見禁止決定の解除~
逮捕、勾留されている被疑者の弁護人は、接見禁止決定の解除を裁判所に申し立てることができます。
弁護人の申立てが必ず容認されるわけではありませんが、拘束されている方の配偶者や両親等の親近者に限っては、事件と無関係であることが証明できれば、比較的接見禁止決定が解除されやすい傾向にあります。