~事件~
東京都葛飾区でコンビニを経営しているAさんは数ヶ月前から同一犯人による万引き被害に悩んでいます。
先日、店内の防犯カメラに犯行の様子がバッチリと映っていたので、万引き犯の顔がはっきりと映っている映像を写真化したチラシを作成し、店内と、店の外壁に「この人は万引き犯です。」と記載して貼り出しました。
その後、警視庁葛飾警察署に万引き犯が出頭して万引き事件は解決しましたが、Aさんは万引き犯から名誉棄損罪で訴えられてしまいました。
自分の行為が、名誉毀損罪になることに納得のできないAさんは刑事事件専門の弁護士に相談しました。(フィクションです。)
~名誉毀損罪~
公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損すれば名誉毀損罪となります。
名誉毀損罪の「公然」とは、不特定又は多数人が認識できる状態を意味します。
今回の事件で、Aさんは、店内や、店の外壁にチラシを貼り出していますが、当然、このチラシはコンビニに来店した不特定多数の人の目に触れることとなるので、Aさんの行為に公然性は認められるでしょう。。
続いて「事実の摘示」とは、人の社会的評価を害する(低下させる)具体的事実を、第三者からして認識可能な状態にすることを意味します。
摘示する事実は、真実である必要はなく、虚偽の内容でも名誉毀損罪は成立しますが、ある程度具体的な内容でなければならず、単なる価値判断や評価は含まれないとされています。
名誉毀損罪の法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。
最近はネットの書き込みや、画像の投稿などで、名誉毀損罪が適用されている事件が増えています。
名誉毀損罪で警察の捜査を受けている方は事前に、刑事事件に強い弁護士に法律相談することをお勧めします。