【薬物事件】覚せい剤の使用容疑で違法捜査①

2020-02-15

【薬物事件】覚せい剤の使用容疑で違法捜査が行われた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇覚せい剤の使用容疑で逮捕◇

Aさんは10年ほど前に、覚せい剤使用の前科があります。
そして先日、友人からもらった覚せい剤を使用してしまいました。
使用した数日後に、友人と遊んだ帰り道で、警視庁新宿警察署の警察官に職務質問を受けたAさんは、覚せい剤を使用したことが発覚するのをおそれて、警察官の質問に応じず、帰路を急ぎました。
Aさんに付いてきた警察官は、Aさんを、所持品検査や、採尿に応じるように説得してきましたが、Aさんはそれを拒み続けました。
20分近く歩いて自宅にたどり着いたAさんは、玄関のカギを開けて室内に入ろうとしたのですが、それを警察官に阻止されて、遂に警察官に持っていたカバンを取り上げられてしまいました。
警察官はAさんが拒んでいるにも関わらず、カバンの中身を調べ始め、カバンの中から、数日前に覚せい剤を射って使用するのに使った注射器を見つけました。
それからしばらくして、別の警察官がAさんを強制採尿するための許可状を取得したために、Aさんは、最寄りの病院まで強制的に連行されて、そこで強制採尿された後に、覚せい剤の使用容疑で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

最近、有名人の薬物事件が多く報道されて世間を騒がせています。
つい先日も、有名ミュージシャンが覚せい剤の所持等の容疑で警視庁に逮捕された事件が大きく報道されました。
そこで本日から3回にわたって覚せい剤の使用事件と、警察の違法捜査について解説します。

◇覚せい剤の使用◇

多くの方がご存知のように、覚せい剤を所持したり使用したりすれば覚せい剤取締法違反となります。
覚せい剤取締法から、覚せい剤の使用や所持を禁止している条文を以下のとおり抜粋します。

覚せい剤取締法41条の2

1項 覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

覚せい剤取締法19条

左の各号に掲げる場合の外は、何人も、覚せい剤を使用してはならない。
1号 覚せい剤製造業者が製造のため使用する場合
2号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が施用する場合
3号 覚せい剤研究者が研究のため使用する場合
4号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
5号 法令に基いてする行為につき使用する場合

覚せい剤取締法41条の3

次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
1号 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者

◇Aさんの場合◇

今回のAさんは、この覚せい剤の使用の容疑をかけられて逮捕されているようです。

覚せい剤使用事件では、覚せい剤を使用しているかどうかを尿の鑑定によって立証されます。
犯罪捜査は、任意捜査を基本としているので、警察が、鑑定するための尿を採取する採尿についても、被採尿者の承諾を得て、被採尿者が自然排尿した尿を鑑定することが基本となりますが、Aさんのように、被採尿者が、任意採尿を拒んだ場合は裁判官の発する捜索差押許可状の効力を持って強制採尿されることとなり、この許可状には、被採尿者を、採尿のために病院まで強制連行する効力もあります。

~次回は強制捜査と令状(許可状)について解説します。~

刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部では、覚せい剤の使用事件などの薬物事件についても、数多く扱ってきた実績がございます。
薬物事件でお困りの方、警察の捜査に疑問がある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

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