【解決事例】値札の貼り替えで詐欺事件
値札の貼り替えにより実際の金額より安い金額で商品を購入しようとした場合に問題となる詐欺罪について、解決事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都千代田区在住のAさんは、千代田区内の飲食店に勤務をしていました。
Aさんは事件当日、友人ら数名と予め計画を立てたうえで千代田区内の古書店に行き、一人が店員に質問をしている間にAさんが安い古書に貼付されている値札シールを剥がし、高額な古書に付け替える行為を複数回行いました。
そして実際より安い値札シールを貼り替えた古書をレジで精算しようとしたところ、店員がAさんらの行為に気付き、通報しました。
その後通報により臨場した千代田区内を管轄する麹町警察署の警察官は、Aさんらを詐欺未遂罪で現行犯逮捕しました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕された旨の連絡を警察署員から受けたため、当事務所の弁護士による初回接見を依頼しました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【値札シールの貼り替えで詐欺事件に】
昨今、多くの小売店ではバーコードを用いた精算が行われていますが、古書店やリサイクルショップなど一部の小売店では今なお値札シールを用いて精算業務が行われています。
値札は、当該商品の価格を示しているものですので、当然、客が値札シールを貼り替えることは認められていません。
値札シールを貼り替えてレジを通そうとする行為は、
・店員に対して実際の金額より安い金額の商品であると騙し(欺罔行為)
・店員はその値札シールを見て「この商品は●●円なのだ」と騙され(錯誤)
・実際の金額より安い金額しか受け取っていないにも拘わらず店員は被疑者に商品を渡した(交付)
・上記3点について因果関係が認められる
ことになるため、詐欺罪が成立します。
但し、今回のAさんの事例では、店員が値札シールの貼り替えに気付いたため錯誤に陥らず、商品がAさんらに交付されることはありませんでした。
この場合、詐欺未遂罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。
刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
刑法250条 この章の罪の未遂は、罰する。
【値札の貼り替えで家族が逮捕されたら弁護士へ】
値札の貼り替えは、少なからず発生している事件の一種です。
中には「金を払っているのだから構わないだろう」と考える、あるいは主張する方もおられるようですが、法的には上述のとおり詐欺罪や詐欺未遂罪に該当する行為であり、万引き事件で問われる窃盗罪より重い罪に問われます。
特に詐欺罪には窃盗罪とは異なり罰金刑が用意されていないため、略式手続にはならず、起訴され正式裁判になる可能性があるのです。
値札の貼り替えで家族が逮捕された場合、すぐに刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼することをお勧めします。
東京都千代田区にて、値札の貼り替えによる詐欺罪等で家族が逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。
また、ご自身が値札の貼り替えにより詐欺罪で在宅捜査を受けている場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。