【解決事例】強要未遂事件で勾留期間を短縮②
強要未遂事件で逮捕・勾留されたものの勾留延長に対する準抗告認容により勾留期間を短縮したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都小金井市在住のAさんが、元交際相手Vさんに対し交際中に撮影していた性行為中の動画を拡散することを仄めかし、復縁を迫ったという事例です。
Aさんは強要未遂罪で逮捕されましたが、勾留延長に対する準抗告申立てにより早期釈放が実現し、その後不起訴となりました。
【強要未遂罪について】
【勾留と勾留延長】
警察官などの捜査機関は、罪を犯したと疑われる「被疑者」に対し、原則として在宅にて捜査を行う必要があります。
しかし、捜査を行う上でやむを得ない場合には、被疑者を逮捕することができます。
被疑者は逮捕された場合、逮捕後48時間以内に書類と身柄が検察官に送致されます。
送致を受けた検察官は、被疑者の弁解を聞いたうえで、釈放するか、送致後24時間以内に勾留請求を行います。
勾留請求を受けた裁判所は、勾留質問と呼ばれる手続きを経て、捜査を行う上で被疑者を拘束する必要があるか判断をしたうえで、必要であると判断した場合には勾留を決定します。
勾留の期間は10日間です。
但し、10日間の勾留期間に捜査が終了しなかった場合には、一度に限り勾留を延長することができます。
勾留延長の期間は最大で10日間です。
つまり、逮捕されてから1~3日で勾留の手続きが行われ、勾留が認められた場合には最大で20日間身柄拘束されることになります。
なお、勾留の満期日に処分保留や略式手続などで釈放される場合もありますが、勾留されたまま起訴され、そのまま起訴後勾留に移行する場合もあります。
起訴後勾留の期間は2ヶ月で、その後も1ヶ月毎に延長することができます。
【勾留延長に対する準抗告申立て】
今回の事例では、当事務所の弁護士が依頼を受けた時点で、Aさんは勾留されていました。
実際、弁護士も当初は勾留が認められる事案であることを承知していました。
しかし、勾留期間が10日間ある以上、捜査は進みます。
10日勾留になった時点で、Aさんの取調べは一通り終了していていました。
加えて、その間に弁護士は検察官を通じてVさんと連絡を取り、示談交渉を開始していました。
Aさんが逮捕される前にVさんは被害届を提出していることから、Vさんによる被害者調書も既に作られていると考えられます。
そこで弁護士は、Aさんの勾留延長が決まるとすぐに、これ以上の身柄拘束は必要ないため、勾留延長の決定を取り消し、Aさんを釈放して在宅で捜査を進めるよう求める「準抗告申立て」を行いました。
準抗告申立てとは、一度裁判官が下した決定に対し、覆すかどうかを検討するよう求める手続きです。
準抗告は当該裁判官とは別の裁判官3名により、判断されます。
当然、準抗告は容易に認められるわけではありません。
勾留延長の決定に対する準抗告を申し立てる場合、被疑者に証拠隠滅の恐れや逃亡をする意思がないこと、それらを出来ない環境ができていること、等を積極的に示す必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの刑事弁護活動を行ってきました。
脅迫罪や強要罪などの事件では、加害者が被害者に対し「被害届を取り下げろ」などと言うなどして証拠隠滅をするおそれが高いため、逮捕・勾留される可能性が高いと言えます。
東京都小金井市にて、家族が脅迫罪や強要罪、強要未遂罪などで逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスをご利用ください。(有料)
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。